公開日:2021年12月29日
最終更新日:2022年04月28日
近年、YouTubeを始めとする動画プラットフォームのニーズが高まっており、マーケティングに活用する企業も増えています。本記事では、「YouTube広告や動画広告に挑戦してみたいけど難しそう…」とお考えの方へ向け、YouTube広告の種類や費用、出し方など基礎知識を丁寧にお伝えします。
目次
YouTube広告とは、YouTube内の配信面に掲載される動画広告のことで、世界中に20億人、日本国内で6,500万人いるYouTubeのユーザーに向けて配信することができます。YouTubeのユーザーは若年層から高齢者層まで幅広く、多くのユーザーにリーチすることができます。 GrowthSeed『SNSの利用者数とユーザー属性や特徴まとめ』
YouTube広告では、年齢や性別、位置情報、Googleサービス上での行動履歴などをもとにターゲティングし、関心の高いユーザーに配信できます。
YouTube広告は、初心者の方であればハードルが高いと感じてしまうかもしれませんが、配信することで以下のようなメリットがあります。
先述したように、YouTubeのユーザー数は世界MAU20億人・国内MAU6,900万人と、他の媒体と比較しても非常に多く、大きな影響力を持ちます。
<世界のSNS月間アクティブユーザー数>
参照:GrowthSeed『SNSの利用者数とユーザー属性や特徴まとめ』
多くのユーザー層の中から、ターゲティングによってより関連性の高いユーザーを絞り込むことができます。他の媒体ではアプローチが難しいような潜在層へ向けても広告を配信できるので、それまで想定していたターゲットとは別の、エンゲージメントの高い層を見つけることができるかもしれません。
2019年の下半期にGoogleが発表した調査結果によると、YouTube広告単体のリーチはテレビ広告単体のリーチよりも1.1〜1.4倍大きかったようです。さらに、YouTube広告の方がリーチのスピードが早いことも分かりました。(参照:Think with Google『YouTube 広告をやりきるとどうなるか?「リーチ力の可能性」を検証する』)
若年層のテレビ離れが進む中、今やYouTubeは若年層にとどまらず高齢者層にも多く利用されています。テレビCMなどマス広告の補完とされてきたWeb広告ですが、YouTube広告がテレビCMに代わる日も近いかもしれません。
YouTube広告の最大の特徴は、動画でメッセージを伝えられる点です。動きがあることで細かい表現を伝えられるだけでなく、字幕や音声によって内容の補足も可能です。
商品をさまざまな角度から見せたり、使い方を説明したりすることで伝えられる情報量が多く、ユーザーに具体的なイメージを持ってもらいやすくなります。
YouTube広告を始めとする動画広告全般の特徴についてはこちらの記事をご確認ください。 動画広告とは?メリットから種類や料金、動画作成のコツまで詳しく解説
YouTube広告には、主に以下6つの種類があります。
それぞれのフォーマットによって、特徴や課金形態、対応するキャンペーン目標が異なるので、こちらの記事で確認してみてください。
課金形態はCPV課金制またはCPM課金制。動画は5秒後にスキップできるため、ユーザーへの不快感をできる限り抑え、認知度を高めるのに効果的。
課金形態はCPM課金制。最後まで視聴してもらえるので最大限にリーチを広げられるが、一方で不快感を与えてしまう可能性もある。
課金形態はCPM課金制。6秒という短い時間だが最後まで視聴してもらえるので、シンプルにメッセージを伝えたい場合に効果的。
課金形態はCPC課金制。サムネイルとタイトルを見て商品に興味を持ってくれた人にのみ視聴してもらえ、視聴後のアクションが期待できる。
課金形態はCPM課金制。多くのユーザーの目につく場所に表示できるため、短期間で大規模な認知を獲得したい場合に効果的。※予約制のためGoogleへの問い合わせが必要
課金形態はvCPM課金制。YouTubeユーザー以外にもリーチできるため、認知度アップに効果的。
参照:Google 広告 ヘルプ『動画広告フォーマットの概要』
また、オプションで『動画アクションキャンペーン』という形式もあります。 以前は、アクションを促すCTAボタンを動画とともに表示できる『TrueViewアクションキャンペーン』という形式でしたが、現在は機能がアップグレードし『動画アクションキャンペーン』となっています。(参照:Google 広告 ヘルプ『動画アクション キャンペーンにアップグレードして成果を高める』)
『動画アクションキャンペーン』では、見出しと説明文、CTAを表示し、Webサイトへのアクセスや会員登録、商品購入などのアクションを促します。スキップ可能なインストリーム広告とインフィード動画広告の場合に利用できます。
YouTubeユーザーの70%がYouTubeの動画で商品を見たあとにその商品を購入したことがある、という調査結果もあるため、動画内に具体的な導線を設置することでユーザーをスムーズにアクションへと繋げることが可能です。
参照:Google 広告 ヘルプ『動画アクション キャンペーンについて』
YouTube広告では、特定のアクションが発生するごとに料金が課金されます。広告の掲載期間内で発生したアクション数に基づいて、最終的に支払う料金が決定します。料金の課金形態は設定したキャンペーンの目的やフォーマットによって異なるので注意してください。
一般的な費用の目安は、インストリーム広告で3~20円、ディスカバリー広告で2~6円、バンパー広告で300〜700円だと言われています。
広告主自身が自由に予算を設定することができ、その予算内で最大限の成果を得られるよう配信されます。獲得したい成果の数値から逆算して予算を設定すると良いでしょう。
YouTube広告の費用が決定する仕組みや予算を決めるコツについて、こちらの記事でも詳しく解説していますのでご確認ください。
YouTube広告には主に「CPM課金」「CPC課金」「CPV課金」の3つの課金形態があります。
YouTube広告では、以下のように、課金形態はフォーマットによって異なります。どのタイミングで料金が発生するかによって広告効果も変化するので、目的に合った課金形態をチェックしておきましょう。
YouTube広告のターゲティングの大きな特徴は、トピックやキーワードを設定して「面」を指定しつつ、年齢や興味関心、行動履歴などの「人」の属性を絞り込むことができる点です。配信面を限定しつつ商品の利用者層に近い属性のユーザーに配信できるので、精度が高く、狙ったユーザー層に効率的にアプローチできるでしょう。
しかし、初心者であればどのようにターゲティングを設定したらいいか迷ってしまうかもしれません。以下の記事でターゲティングを決める際のポイントを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
以下でオーディエンスターゲティングとコンテンツターゲティングのそれぞれの特徴を簡単にご紹介します。
オーディエンスターゲティングは、Webページの訪問履歴や過去のGoogleの検索履歴に基づいてGoogleが推測し、特定の属性や興味・関心を持つグループを作成します。
コンテンツターゲティングでは、トピックやキーワードを指定することで、関連性の高いテーマを持つ動画コンテンツやWebページに広告を表示します。
参照:YouTubeヘルプ『動画キャンペーンのターゲティングについて』 参照:Google 広告ヘルプ『オーディエンス ターゲティングについて』 参照:Google 広告ヘルプ『コンテンツ ターゲット』
YouTube広告は、アカウントの作成から審査まで、大まかに8ステップで設定して配信することができます。
それぞれの設定手順を簡単にご説明します。
まずは、YouTubeサイトにアクセスして企業のGoogleアカウントでYouTubeチャンネルを作成します。
YouTubeチャンネルの作成方法はこちらの記事を参考にしてみてください。 企業もYouTubeを活用しよう!YouTube企業アカウントの作り方と運用のコツ
チャンネルが作成できたら、メニューから「YouTube Studio」に入り、あらかじめ用意した広告用の動画をアップロードします。
YouTubeはGoogleのサービスの一つなので、YouTube広告の配信にはGoogle広告アカウントも必要です。Google広告アカウントをまだ持っていない場合は、Google広告のWebページから「今すぐ開始」をクリックし、ビジネス情報を入力して広告アカウントを作成してください。
Google広告アカウントにログインし、「新しいキャンペーンを作成」を選択してキャンペーンの目標を設定します。
YouTube広告の場合は「販売促進」「見込み顧客の獲得」「ウェブサイトのトラフィック」「商品やブランドの比較検討」「ブランド認知度とリーチ」のいずれかを選択する必要があります。
次に、キャンペーンタイプで「動画」を選択すると、どの動画フォーマットを使用するか選択できます。先述したように、フォーマットによって特徴が異なるため、目的に応じて適切なものを設定しましょう。
YouTube広告では、キャンペーン全体の予算または日別の予算を設定することができます。また、入札戦略には、1回の視聴の上限額を設定する「上限視聴広告単価」や広告が1,000回表示されるごとに支払う平均額を設定する「目標インプレッション単価」などがあるので、達成したい目的に応じて選択しましょう。
「人」を絞り込むオーディエンスターゲティングと「面」を絞り込むコンテンツターゲティングを上手く組み合わせて、関連性の高いユーザーに効率的に配信しましょう。
広告用の動画を選択し、広告の遷移先となるURL、CTAとなるフレーズ、見出し、広告の名前などを入力して広告作成が完了です。 ここまでの設定が終わったら、「キャンペーンの作成」をクリックします。
広告の設定がすべて完了すると自動的に審査が開始され、通常1営業日以内に完了します。審査に通過するとすぐに掲載が開始されますが、不承認となった場合は広告を修正し再審査する必要があります。
YouTube広告は、配信して終わりではなく、分析と改善をしっかりと行うことで更なる成果が期待できます。効果測定を行うにあたり、事前にチーム内で目的とKPIを明確にしておくことが重要です。YouTubeチャンネル運用におけるKPI設計の方法については、こちらの記事でも解説していますので参考にしてみてください。 YouTube運用のKPI設定ガイド!最適な目標に向かって運用するために
目的別に、分析するべきYouTube広告の19の指標を一覧にまとめました。
各指標の測定方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
以下の記事では、チャンネル運用における動画再生回数を改善させるコツを紹介しています。広告運用にも共通する部分があるのでぜひ取り入れてみてください。 YouTubeの再生回数を増やすために取り組むべき11の施策
YouTube広告を始めとする動画広告は、初めは難しく感じるかもしれませんが、コツを掴んで運用できれば静止画広告よりも大きな成果が期待できます。YouTube広告を活用して商品の魅力を具体的に分かりやすく伝えてみましょう。
YouTube広告の効果を高めるためには、並行してチャンネル運用にも注力するとよいでしょう。以下の記事を参考に取り組んでみてください。
■【業界別】2022年企業のYouTubeチャンネル活用事例まとめ ■企業がYouTubeチャンネル登録者数を増やすために確認すべき7つのこと ■YouTubeチャンネルをブランディングするための5つのステップと成功事例 ■YouTubeでクリックされるサムネイル作成のコツ
YouTubeの最新動向からアルゴリズム、VSEO対策、YouTuber施策まで、YouTube運用の効果を高めるために知っておきたい知識とノウハウをこちらの資料にまとめました。企業のYouTube運用のヒントが詰まっていますのでぜひご覧ください。
松崎 明日香
マーケティング部
2020年に新卒入社後、オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティングを中心に、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務に幅広く携わる。お問い合わせ数・売上アップを目標に日々奮闘中。趣味は喫茶店・カレー屋巡り。
【業界別】2022年企業のYouTubeチャンネル活用事例まとめ
YouTube広告の種類と課金形態を解説!目的に合わせた選び方とは?
YouTube広告の費用の目安は?費用対効果の高い動画広告を活用しよう
YouTube広告のターゲティング一覧!目的別の活用方法も解説
【最新版】YouTube広告の出し方徹底解説マニュアル
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