公開日:2020年08月21日
最終更新日:2022年01月24日
YouTubeの利用者層が広がり需要が高まっている今、マーケティング施策の一つとしてYouTube公式アカウントを開設・運用する企業が増えてきています。
この記事では、YouTube運用を検討している、もしくはアカウントはあるが運用にお悩みを持っているという企業さん向けに、企業アカウントの作り方から運用のコツ、活用事例まで詳しく解説します。
短期間でYouTubeマーケティングの効果を得たい場合はYouTube広告もおすすめです。YouTube広告の概要についてはこちらの記事をご確認ください。
目次
YouTubeは、世界月間ユニークユーザー数20億人以上を誇る動画共有サービスです。ユーザーは無料で動画を視聴できると共に、チャンネルを開設すると自身で作成した動画を投稿することができます。 100か国以上・80言語に対応しており、1日あたりの動画視聴時間は10億時間を超えます。(参考:YouTubeAbout)
日本国内では6,200万人(2018年12月時点)ものユーザーがいます。 数年前までは若年層が多く利用しているイメージのあったYouTubeですが、近年ではユーザー数の増加と共に年齢層も広がっており、10代・20代では90%以上、30代・40代では80%以上、さらに50代でも70%以上の人々が利用しています。
出典:総務省「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2019年)
YouTubeを含む主要SNSの利用者数と特徴についてはこちらの記事をご覧ください。 【2020年最新版】SNS利用者数と各媒体の特徴まとめ
また2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため外出自粛ムードが高まったことにより、YouTubeを始めとする動画サービスの需要はさらに高まりました。
出典:スカパー!「コロナ禍におけるエンターテインメントへの意識に関する調査」(2020年)
緊急事態宣言発令前と比較すると、発令後は全世代でYouTubeを利用する時間が増加しています。全体での平均視聴時間は1時間半近くとなっており、YouTubeが人々の生活に浸透していることが分かります。
時間帯によって放送される番組が決まっているテレビと比べ、音楽・スポーツ・ニュース・ゲーム・エンタメ・教育・美容など多様なカテゴリの中から好きな時に好きなものを選んで視聴できるというYouTubeの特性も、広い世代に普及した要因だと言えます。
前述したように、YouTubeは10代から50代以上まで幅広い年齢層の人々が利用するサービスとなりました。YouTubeには様々な趣味・嗜好のニーズを満たすコンテンツが投稿されているため、他のSNSではリーチできないようなユーザー層にも広くリーチすることが可能です。
YouTubeの再生画面を開くと各動画に「共有」ボタンがあり、TwitterやFacebook、LINE、メール等で簡単に共有することができます。
YouTubeの動画がTwitter上で拡散されているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。ユーザーが面白い、役に立つと感じる動画はSNS上で拡散されやすくなります。拡散されることでYouTube以外でも動画が視聴され、企業の認知をさらに広げることができます。
動画では、動きのある映像と音声、さらに編集を加えれば文字や効果音・BGMによっても表現することができます。おすすめ商品の紹介など、動画によって視覚的・聴覚的に分かりやすく伝えることでユーザーからの信頼も高まるかもしれません。
また、他のSNSと同じくコメント欄があるため、ユーザーと相互コミュニケーションを図ることが可能です。コメントに反応したり、コメントの内容をコンテンツに反映させたりすることで、一方的に発信するだけのテレビよりもユーザーとの距離が近く、親密性が高くなります。
Webサイトに掲載した動画がサイト訪問者のニーズを満たすものであれば、ユーザーの検索体験の向上にもつながり、間接的にGoogleの検索アルゴリズムから有益なページと判断される場合もあるでしょう。
また、最近ではGoogleの検索結果にYoutubeの動画が表示されることも多いため、自然検索経由での自社コンテンツの露出の増加、流入の増加を期待できるといった効果も見込めます。
チャンネルを開設するのは無料ですが、そこからどんなコンテンツを配信していくかが重要です。 質の高いコンテンツを制作するためには、カメラ・マイクなどの機材や編集ソフト、また企画や撮影・編集の作業を行う人員も必要です。動画に使う音楽や素材、出演者となるYouTuberなど、細部までこだわろうとすると多額の費用が発生します。
YouTubeは、効果が表れるまでにお金だけでなく時間もかかります。長い目で見るとコンテンツとして蓄積され資産となるので、すぐに効果が表れなくても粘り強く運用していくことが大切です。
YouTubeの企業アカウントは、基本的には個人アカウントと同じ手順で作成することができます。
YouTubeチャンネルを作るにはGoogleアカウントが必要です。 Google公式サイトのアカウント新規作成ページから個人情報を入力し、作成することができます。
アカウントにログインした状態で、YouTubeにアクセスします。
次にチャンネルを作成します。 右上のアイコンをクリックするとメニューが表示されるので、「チャンネルを作成」をクリックします。
複数人で管理する企業アカウントを作成するため「カスタム名を使う」を選択します。「自分の名前を使う」だとチャンネル名を個人名から変えられなかったり、複数人で管理する場合に個人情報が守られなかったりするので注意しましょう。
次にチャンネル名を入力します。チャンネル名は企業名や商品名を使うことが一般的で、消費者にも伝わりやすいです。
チャンネルの開設ができたら、チャンネルページの「概要」タブに記載する詳細情報を入力しましょう。 企業の紹介やYouTubeチャンネルでどのようなコンテンツを発信するかという情報、WebサイトやSNSへのリンクを記載することも可能です。
動画やコメントの横に表示されるプロフィール写真や、チャンネルページを開いた時にカバー画像として表示されるチャンネルアートを設定しましょう。 これらはYouTube上での企業の「顔」となります。ブランドイメージに合った画像、ユーザーが想起しやすい画像を設定すると効果的です。
右上のアイコンボタンもしくは左のメニューバーから「設定」をクリックし、「管理者を追加または削除する」を選択します。すると、現在のアカウントの状態が表示されます。
「権限を管理」から管理人となるユーザーを追加することができます。
ここまでで、一通りのアカウント設定は完了です。これで動画をアップロードすることができます。
動画で訴求できるのはテレビCMも同じですが、テレビCMとの最大の違いは動画の配信後に効果測定ができる点です。視聴回数や登録者数など、ユーザーからのエンゲージメントを数値として知ることができます。
マーケティングの成果を上げるためには、運用を始める前にKGI(重要目標達成指標)とその中間目標となるKPI(重要業績評価指標)を設定しておくことが重要です。 YouTube運用におけるKGIは「認知度の拡大」や「購買意欲の向上」などが主に考えられます。
こうした最終目標の達成のため、以下のKPIを設定すると効果的です。
合計でどれだけの時間再生されたかという「総再生時間」、1ユーザーがどれだけの時間滞在したかという「平均視聴時間」を把握しておきましょう。動画広告では最初の5秒が重要だと言われています。広告以外の場合でも、最初の数秒でユーザーを惹きつけ、最後までユーザーに興味を持ってもらえる、楽しんでもらえる動画を制作することが重要です。
YouTubeのアルゴリズムでは、視聴回数よりも総再生時間の方が重視されます。
動画が何回視聴されたか、という最も分かりやすい指標です。視聴回数は再生前の画面にもサムネイル・タイトルなどと共に表示されるので、ユーザーがどの動画を視聴するか選択するための要素にもなります。
チャンネル登録者は、継続的にそのチャンネルを応援したいと考えてくれているファンだと言えます。動画を通してコミュニケーションを図り、購買意欲の向上に繋げましょう。
視聴者に対して動画が表示された回数を示します。まずは表示されなければクリックもされないので、タイトルのキーワード等を工夫して、狙ったユーザーにしっかりとリーチできるようにしましょう。
ユーザーが動画を目にしてから、実際にクリックして視聴した割合を示します。ユーザーはクリックするかどうかをタイトルやサムネイル、視聴回数などの要素で判断します。まずはタイトルやサムネイルを「ニーズを満たせそう」「面白そう」と感じてもらえるよう工夫し、視聴回数を伸ばしていきましょう。
視聴者がどれくらい動画を見続けたかを確認する指標で、動画単位でのみ測定が可能です。(参考:YouTubeヘルプ)
視聴を停止した視聴者が多い部分、飛ばされた部分、共有された部分などを確認できるので、視聴者が興味のある内容・興味のない内容を知り、その後の動画制作に活用していくことができます。
これらの指標はYouTubeアナリティクスを利用して測定することが可能です。 YouTube画面右上のアイコンボタンから「YouTubeStudio」に入り、左側のメニューから「アナリティクス」をクリックすると、YouTubeアナリティクスの画面が表示されます。
YouTubeアナリティクスについて、詳しくはYouTubeヘルプをご確認ください。
タイトルは検索結果に表示されるための重要な要素です。動画を見てほしいユーザーがどんなキーワードで検索するかを想像し、そのキーワードを含めたタイトルにしましょう。 また、サムネイルはクリックされるために重要です。ユーザーが一目見て分かりやすく、興味を持ってもらえるように工夫しましょう。
各動画の説明欄には、動画を補足する情報を掲載しましょう。自社サイトのURLやSNS、商品情報などを掲載することで、興味を持ってくれた視聴者を行動に繋げられるかもしれません。
また、動画内には動画、再生リスト、チャンネル、リンクをカードとして表示することができます。関連動画や関連する再生リストを表示し、もっと見たいと思ってくれた視聴者を誘導しましょう。
コメントを非表示にしているチャンネルもありますが、コメントを見て楽しむ視聴者がいたり、コメントを通して視聴者とコミュニケーションがとれたり企画のアイデアを得ることができたりと、コンテンツの重要な一部分です。
再生リストは、チャンネルのホームタブや再生リストタブにプレイリストとして表示することができます。カテゴリごとに再生リストを作っておくと、ユーザーにとっての利便性が高まると同時に、関連する複数の動画を続けて視聴してもらいやすくなります。
YouTube画面右上のアイコンボタンから「YouTubeStudio」に入り、左側のメニューから「再生リスト」をクリックすると、再生リストを管理できる画面に遷移します。「新しい再生リスト」を選択して作成しましょう。
チャンネル名の横に表示される「認証バッジ」は、企業やブランド、著名人、アーティスト等を対象にそのチャンネルの信頼性を保証します。
認証バッジの審査はチャンネル登録者数10万人以上の場合に申し込むことができ、「正真性」「完全性」の観点から審査されます。(10万人未満でも広く認知されているチャンネルであれば、認証される場合があるようです。) 詳しくはYouTubeヘルプをご確認ください。
YouTubeでは、動画内に広告を表示し収益を得ることができます。しかし、企業のチャンネルにとっては他社の広告が表示されることになるので、自社のブランディングについて考慮した上で収益の有無を決定しましょう。
収益を得たり、クリエイターサポートを受けたりするためには、YouTubeパートナープログラムに申し込む必要があります。パートナープログラムはチャンネルの過去1年間の動画再生時間が4000時間以上、チャンネル登録者数が1000人以上であることが条件です。YouTube画面右上のアイコンボタンから「YouTubeStudio」に入り、左側のメニューから「収益受け取り」をクリックし設定を行うことができます。
プロモーション動画を中心に投稿し、商品の紹介をしています。テレビCMだけでなく、お笑い芸人を起用したオリジナルのプロモーション動画、生産者に密着した動画、商品を使ったレシピ動画など、様々なバリエーションで商品を訴求しているのが特徴です。
企業のブランディングと商品の認知拡大に効果的な活用方法です。
自宅でもできるストレッチ・トレーニングの紹介動画を公開しています。トレーナーの動きと声に合わせて実際に体を動かしてトレーニングすることができたり、分かりにくい部分は一時停止したり繰り返し見れたりと、動画の強みを存分に活かしたコンテンツと言えます。
動画を通して視聴者に「ストレッチの効果があった」「もっとトレーニングをしてみたい」と感じさせることができれば、お問い合わせに繋がる可能性が高くなります。
芸能人・キャラクターを起用したプロモーション動画、自社商品を使用した「○○やってみた」などの企画動画、オリジナルアニメなどを投稿しています。子ども向けのおもちゃなので、サムネイルや動画本編はキャッチーで分かりやすいものが多く、ターゲットを的確にとらえたコンテンツ作成を行っていると言えます。
オリジナルアニメで企業に対するエンゲージメントを強め、さらに商品紹介動画ではその商品の使い方・楽しみ方をしっかり盛り込んでいるので購買意欲を高めることができます。
近年市場がさらに拡大して利用者層が広がっているYouTubeは、企業での活用事例も増えてきています。他のSNS施策とも連携させながら運用していくことでさらに効果が高まります。 企業のSNS運用のポイントや手順・事例を紹介!SNSで認知度を高めてファンを増やそう
ユーザーのニーズに応える動画コンテンツを継続的に配信し、企業やブランドの認知度を高めたり、ファン・リピーターを増やしたりしていきましょう。
松崎 明日香
マーケティング部
2020年に新卒入社後、オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティングを中心に、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務に幅広く携わる。お問い合わせ数・売上アップを目標に日々奮闘中。趣味は喫茶店・カレー屋巡り。
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