企業がYouTubeチャンネル登録者数を増やすために確認すべき7つのこと
YouTubeチャンネルをブランディングするための5つのステップと成功事例
- Youtube
公開日:2020年09月25日
最終更新日:2024年06月02日
動画を使って幅広い世代にアプローチできるYouTubeは、企業の認知度を高めるだけではなく、ブランディングにも効果的です。YouTubeチャンネルやYouTube広告を上手に運用することで、自社のイメージを確立しユーザーに価値や強みを知ってもらうことができます。
この記事では、YouTubeでどのようにブランディングを行い他社との差別化を図ることができるか、その方法や手順、テクニックを解説いたします。
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目次
ブランディングとは?
ブランディングの定義
曖昧に使われがちな「ブランディング」という言葉ですが、そもそもブランディングとは何なのでしょうか。
ブランディングとは、企業独自の「ブランド」を形作るための活動のことを意味しています。ブランドとは、企業や商品を競合と差別化するための要素のことです。「●●といえば○○」など、オリジナル性があり、かつ共通のイメージを持ってもらうことが重要です。例えば「ユニクロといえば安くて質が高い」「香川県といえばうどん」など、ブランディングが成功していればすぐにイメージを思い浮かべることができます。
ブランドは、商品の種類やデザイン、キャッチフレーズ、価格、消費者の年齢層、企業のロゴ、名称、広告などさまざまな要素が組み合わさって生成されます。つまりブランディングとは、企業や商品を形成する要素を戦略的に組み合わせ、企業が消費者に提供できる価値や、競合と比較した強みを明確にする作業だといえます。
しっかりとブランディングができていれば、消費者が比較検討をする時に自社の商品が選択肢として想起されやすくなります。YouTube上でも、コンテンツの内容や雰囲気、表現などを統一しブランディングすることによって、視聴者に自社のチャンネルを見つけてもらいやすくなります。ブランディングできているか否かが視聴回数やチャンネル登録者数に影響し、最終的には企業の認知度や売上にも繋がります。
YouTubeのブランディング機能
この記事ではYouTube運用における企業ブランディングの方法をお伝えしていきますが、YouTubeには「ブランディング機能」(画像・ロゴの透かし)というものがあるのもここで解説しておきます。
透かしは動画再生中、右下にロゴとして表示されます。ロゴにカーソルを合わせるとチャンネル登録ボタンが表示され、動画を再生しながらでもチャンネル登録ができる機能です。透かしは一度設定するとチャンネル内の全動画に反映されます。
設定するには、YouTubeStudioにログインし、左側のメニューから 「設定」 「チャンネル」「ブランディング」「画像を選択」の順番に選択し、画像・ロゴの透かしとして使用する画像を選びます。表示時間を選択し、設定完了です。
透かしを設定することで、盗用されることがない、チャンネル登録を促すことができるといったメリットがあります。また、動画再生中に長時間ロゴを表示させることができるので、企業名やロゴを覚えてもらったり、次回そのチャンネルの動画を見たときに「○○チャンネルの動画だ」とすぐに気づいてもらったりするのに効果的です。
YouTubeでブランディングをするメリット
1 動画はイメージの訴求に向いている
ブランディングをする際は「消費者にどんなイメージを持ってもらうか」「消費者の記憶に残せるか」が非常に重要です。
アメリカの国立訓練研究所が調査・発表した「ラーニングピラミッド」によると、動画は文章の約2倍の記憶定着率があることが述べられています。何かを説明してもらう時、文字だけで表現されるより映像や音声を使って視覚的・聴覚的に表現された方が分かりやすく、頭に残りやすいと感じた経験はないでしょうか。
動画を利用することで、企業や商品に対する消費者の認知度・理解度を高め、より魅力を感じてもらうことができます。
2 多くの人にリーチできる
YouTubeは世界に20憶人(YouTube Aboutより)、日本国内には6,200万人(ニールセンデジタル株式会社より)のユーザーがいます。ユーザーの年齢層は幅広く、総務省の発表によると、10代・20代で90%以上、30代・40代で80%以上、50代でも70%以上の人々が利用しています。
出典:総務省「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2019年)
また、【2020年最新版】SNS利用者数と各媒体の特徴まとめを見ても、YouTubeが他のSNS媒体よりユーザーの規模が大きく、年齢層も広いことが分かります。多くのユーザーにリーチすることで、広くブランドイメージを定着させることができます。
3 他のSNSとの親和性が高い
ユーザーが面白いと感じたり共感したりする動画は、TwitterなどのSNSを通してインターネット上で拡散されやすいです。SNS上で話題となれば多くの人の目に触れることができ、ブランドを想起・定着させることにも繋がります。ます。また、YouTubeの動画はSNSやWebサイトに埋め込んで投稿するなど、Webマーケティング全体に活用することができます。
Webマーケティングでは、効果測定を行い施策を改善することも重要です。YouTubeでのパフォーマンスを確認する時には、YouTubeアナリティクスを利用することができます。
YouTubeでのブランディングの手順
YouTubeでブランディングを行うには、市場調査やターゲット設定といった通常のブランディングに必要な手順に加え、イメージに合ったチャンネルの設計や視聴者との交流も重要です。ここから、ブランディングを行うための5つのステップとそれぞれの施策を詳しく解説します。
1 競合の動向やトレンドを知る
ブランディングをするときは、自社がどのようなフィールドでマーケティングを行うのか、その現状を知らなければなりません。同じ分野の商品の市場規模や消費者の属性、競合他社がどんな動きをしているのか、今どんな商品が流行しているのかなどを把握する必要があります。その上で、他社と差別化できるような自社の強みや市場価値を考えてみましょう。
これらの分析に基づいて、現在のターゲット層が適切であるかも見直してみます。その商品をよく購入する属性にアプローチするより、まだ競合他社が取り込めていない層にアプローチした方が売上を見込めるかもしれません。ターゲットの設定により、その後の戦略と成果が大きく変わります。
2 チャンネルのコンセプトを決定する
市場調査によって決定した自社の狙うべきポジションやターゲット、最初に決めた運用の目的・KPIをもとに、チャンネル全体のコンセプトを決定します。
YouTubeチャンネル開設時に設定すべきKPIについてはこちらの記事をご確認ください。
YouTube運用のKPI設定ガイド!最適な目標に向かって運用するために
チャンネルのコンセプトは、視聴者に持ってもらいたいブランドイメージをそのまま示しています。他と差別化できる、オリジナリティのある特性をイメージに落とし込んでみましょう。イメージするのが難しい場合は、まず視聴者に伝えたいメッセージやチャンネルのキャッチコピーを考えてみてください。長期的な視点で、数年後も一貫性を保てるようなコンセプトを考えることが重要です。
3 チャンネルを設計する
チャンネルのコンセプトが決まったらそれに合わせてチャンネルを設計し、全体の雰囲気を統一させます。ブランドを確立するために、以下の7つの要素は特に留意して設定しましょう。
- チャンネル名
チャンネル名を決めるときは、YouTube内で検索し、類似した名前で強いチャンネルが他にないかをチェックしておきましょう。企業チャンネルでは「○○社公式」といった名前が多く見られます。企業チャンネルとしての信頼性を得やすいですが、よりキャッチーでインパクトのある名前にするのもブランディングの一つです。
- チャンネルアイコン
動画が再生された時やチャンネルのトップページ、コメント投稿時など多くの場所に表示され、チャンネルの顔となります。企業のロゴなど、「これはあのチャンネルのアイコンだ」とすぐに思い出してもらえるものにしましょう。
- チャンネルアート
チャンネルトップページの上部に表示されるバナーです。こちらも、企業ロゴや商品の写真など企業のイメージと結びつくようなものを設定すると効果的です。デバイスを問わず最適なサイズで表示されるためには、2,560×1,440ピクセル以上にすることが推奨されています。
- チャンネル紹介動画
新規の視聴者にチャンネルを紹介するための動画で、チャンネル登録していない視聴者がチャンネルのトップページを開いた時に表示されます。最初の数秒で視聴者の関心を引き付けられるよう動画は簡潔にし、ブランドイメージを伝えましょう。
- 再生リスト
人気の動画や新着動画、任意のカテゴリの動画など、過去の動画を「再生リスト」として表示させることができます。どんな動画を投稿しているのか一目で分かり、企業の色を表すことができます。
- 概要欄
文章でのチャンネルの説明、メールアドレスやSNS・Webサイトへのリンクを設置することができます。どんな企業なのか、何の情報を発信しているチャンネルなのか、などを明確に記載しましょう。
- 透かし
冒頭でも述べたように、透かし(ブランディング機能)を設定すると、動画再生中にロゴを表示させてチャンネル登録を促すことができます。企業名やロゴを覚えてもらいやすくなります。
4 動画を作成する
動画を作成するときは、サムネイル・タイトル・動画全体の雰囲気をコンセプトに合わせて統一するようにしましょう。一貫性のあるコンテンツを発信し続けることで視聴者に覚えてもらいやすくなり、YouTubeからも認識されやすくなります。また、ハッシュタグに企業名やチャンネル名、独自のキーワードを設定することでブランディングに効果的です。
動画コンテンツには以下のような種類があります。チャンネルのコンセプトに合わせて動画のイメージは崩さないようにしながらも、視聴者に飽きずに楽しんでもらえるようさまざまな形式を選択、組み合わせてコンテンツを作成していきましょう。
- テレビCMやプロモーション動画
現在の企業チャンネルに多くみられる投稿方法ですが、このようなテレビCMを打ち出している企業は既にブランドイメージが定着している場合が多いです。CMやプロモーション動画など綺麗に作りこまれた動画は企業としての信頼感を生むことができますが、YouTubeでは親近感を持たれにくい場合もあります。
- 商品の使い方紹介
商品を購入した消費者の満足度を高め、購入を検討中の消費者には商品の魅力を伝えることができます。文章でマニュアルを説明するよりも、動画で映像や音声と共に説明した方が視聴者にとっては分かりやすいです。一般のユーザーが商品の使い方を解説する動画もありますが、企業自ら発信する情報は信頼性が高く、ニーズも大きいと考えられます。
- 知識・ハウツー
料理レシピ、メイク、株、ニュース、英会話などお役立ち情報はユーザーの関心が高く、ファンの増加に繋がるコンテンツです。専門的な内容であれば企業の信頼性も高まるでしょう。最近では、ウェビナーを配信する企業も増えてきています。
- YouTuberとのコラボ
知名度のあるYouTuberやタレントとコラボすることで、そのYouTuberのファンを始めとして多くの人に動画を視聴してもらうことができます。コラボするYouTuberの個性や価値観を活かすことができれば、より良い動画になるでしょう。
- 社内インフルエンサー
動画は人が出演していた方が目を引き、共感性も高くなりますが、芸能人やYouTuberに出演してもらうには多額の費用が必要です。社員がインフルエンサー、YouTuberとして出演することでコストを抑えられるのはもちろん、他のチャンネルにはない独自の色を出すことができます。
5 視聴者とコミュニケーションをとる
戦略を立ててブランディングを行うことができたら、次は視聴者と交流することでブランド力を強めていくことが大切です。YouTubeには、視聴者と直接コミュニケーションを取ることのできるさまざまな仕組みがあります。
コメントへのいいねや返信
動画に寄せられるコメントにいいねをしたり、返信をしたりすることで視聴者はチャンネルに愛着を持ち、ファンになってくれる可能性が高まります。コメントで出た意見を動画に反映して視聴者に応えることも大切です。
コミュニティ
チャンネル登録者数が1,000人以上いる場合、チャンネル内の「コミュニティ」タブでアンケートや画像、GIFなどを投稿することができます。動画を宣伝したり、今後どんな動画を投稿してほしいかアンケートを取ったりと、動画以外の部分でも視聴者とコミュニケーションをとることが可能です。
チャンネルメンバーシップ
チャンネル登録者数が3万人以上(ゲームチャンネルの場合は1,000人以上)で、かつYouTubeパートナープログラムに参加している場合、チャンネルメンバーシップを利用できます。この機能は、チャンネルに対して月額料金を支払った視聴者に、メンバー限定の特典を提供するというものです。満足してもらえる特典を提供することで、メンバーになってくれた視聴者とのより強い繋がりを構築することができます。
Super Chat・Super Stickers
チャンネル登録者数が1,000人以上で、かつYouTubeパートナープログラムに参加している場合、Super ChatやSuper Stickersを利用できます。これらはライブ配信やプレミア公開中に利用できるいわゆる「投げ銭」と呼ばれる機能です。視聴者は任意の金額を購入することで、メッセージをチャット上部に一定期間固定表示することができます。Super ChatやSuper Stickersを送ってもらえたら、感謝の気持ちを伝えたり、追跡してメッセージを送ったりして、視聴者と交流しましょう。
また、チャンネル登録者数を増やすための施策についてはこちらの記事をご覧ください。
企業がYouTubeチャンネル登録者数を増やすために確認すべき7つのこと
YouTubeを活用したブランディングの成功事例
YouTubeを活用して、ブランディングに成功した事例を2つ紹介します。
また、BtoB企業がYouTubeを活用して成功した事例を知りたい方は、株式会社pamxy様が運営している「マーケドリブン」の「BtoB企業がYouTubeを活用する方法!3つの成功事例も解説」にてBtoB企業がYouTubeを活用して成功した事例と活用方法を解説しています。併せて参考にしてみてください。【PR】
WEGO
WEGOゆーちゅー部 -WEGO公式-
10代に人気の原宿系アパレルショップのYouTubeチャンネルです。スタッフが出演し、ファッションだけでなくライフスタイルや最新のトレンドなどを発信しています。個性的なスタイルのファッションを販売しているということもあり、チャンネルアート、サムネイルやタイトル、動画の編集といったチャンネル全体の雰囲気が明るくキャッチーに統一されていることが特徴です。
北欧、暮らしの道具店
北欧、暮らしの道具店
洋服や雑貨を販売するECサイトのYouTubeチャンネルです。短編ドラマやさまざまな人のモーニングル―ティン、Vlog、ルームツアー、レシピなどを投稿しています。
「北欧、暮らしの道具店」という店名に合ったシンプルで素朴な暮らしを発信しています。サムネイルやチャンネルアートは色合いや雰囲気が統一されていて、このチャンネルの動画だとすぐに認識できます。ECサイトなので、動画に登場した商品を購入することもでき、視聴者を上手く商品購入へと繋げています。
YouTubeで効果的なブランディングを
戦略を立て、コンテンツを作成し、ユーザーと交流するまで、一連のステップをYouTube上で行うことで独自のブランドイメージを確立することができます。
YouTubeでのマーケティングを通して、効果的にブランディングを行っていきましょう。
最後に、YouTubeの最新動向からアルゴリズム、VSEO対策、YouTuber施策まで、YouTube運用の効果を高めるために知っておきたい知識とノウハウをまとめた資料を以下に掲載しました。企業のYouTube運用のヒントが詰まっていますのでぜひ利用ください。
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松崎 明日香
マーケティング部
2020年に新卒入社後、オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティングを中心に、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務に幅広く携わる。お問い合わせ数・売上アップを目標に日々奮闘中。趣味は喫茶店・カレー屋巡り。
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