公開日:2020年09月08日
最終更新日:2022年01月24日
YouTubeは世界で20億人以上のユーザーが利用しており、1日当たりの視聴時間は10億時間以上、視聴回数は数十億回にものぼります。日本国内にも6,200万人(2018年12月時点)ものユーザーがいると言われており、YouTubeを活用することでこれまでリーチできなかったユーザーにも自社のことを知ってもらえるきっかけとなります。
YouTubeが多く視聴されるようになった昨今、チャンネルを開設しマーケティングに活用する企業も増えてきました。しかし、長期間更新されていなかったり、企業のイメージ動画を投稿しているだけだったりと、有効活用できていないチャンネルも多く見られます。
YouTubeチャンネルを開設する際に、どんな方向性で運用したらよいか分からない、と悩んでいる担当者の方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、企業がYouTubeチャンネルを開設したらまず設定すべきKPIについて徹底的に解説します。
企業チャンネルの開設方法についてはこちらをご覧ください。
~最新のYouTube利用状況について知りたい方はこちらをご確認ください~
目次
具体的なKPIを設定する前に、まずはチャンネル全体の方向性を決定しておきましょう。持続的に効果が得られるチャンネルにするためにも、最初の設計が非常に重要です。
まず、チャンネルを誰に見てほしいかを明確にします。YouTubeには幅広い年代のユーザーがいるため、コンテンツを工夫することで狙ったターゲットに動画を視聴してもらうことが可能です。アプローチしたいターゲットによって起用する音楽や出演者、動画の長さや表現方法を決定しましょう。
次に、何のために伝えるか、どのように伝えるかという目的とコンセプトも明確にします。「認知拡大」「比較・検討」「行動」「ブランディング」といった目的を決定し、ハウツー、企画もの、インタビュー、ニュースなどコンセプトを統一しましょう。ブランドイメージを保ち、一貫性のあるコンテンツを配信することができるので、ユーザーからの信頼が高まり、チャンネルが定着しやすくなります。
1つの動画を作成するために、企画から撮影、編集と多くの時間がかかり、多くの人たちが関わります。チャンネルを計画的・継続的に運用していくためにも、動画の投稿予定日から逆算してできるだけ長期的な投稿スケジュールを作成しましょう。
マーケティングを行う際には、KPIを設定して目標達成度を可視化することが必要です。KPIを設定すれば、客観的に評価ができるとともに、組織内で目標を共有し行動指針を明確化できます。
KPI設定は、チャンネル運用時はもちろん、YouTube広告を配信する際にも非常に重要です。まずはYouTube広告の基礎知識を知りたい、という方はこちらの記事をご確認ください。
YouTube運用において設定すべきKPIには以下のような指標があり、すべてYouTubeアナリティクスで測定可能です。
これらの指標について、ここから詳しくご説明していきます。
動画のサムネイルがユーザーに表示された回数を示し、サムネイルの50%以上が1秒以上表示された場合にカウントされます。 また、インプレッションがカウントされるのは、サムネイルが以下の場所に表示された時のみです。 ・検索結果 ・YouTube トップページ ・YouTube フィード(登録チャンネル、急上昇、履歴、後で見る) ・動画プレーヤーの右側にある [次の動画](自動再生を含む) ・再生リストに含まれている動画
例えば、YouTube以外のサイトやアプリ、YouTube モバイルサイト上などで表示された時はカウントされません。
サムネイルが表示された後、どのぐらいの割合のユーザーが動画を視聴したかを示します。 動画をアップロードした直後はチャンネル登録者によって頻繁に視聴されるため、クリック率は高くなる傾向があります。その後、時間の経過に伴いクリック率は低くなっていくのが一般的です。
動画が視聴された回数を示します。独自のシステムによって正当な視聴だと判断された上で視聴回数として反映されるので、正当な視聴回数すべてが表示されるまでには時間がかかる場合があるようです。
また、複数のデバイスで同じ動画を視聴したり、複数のウィンドウやタブで同じ動画を視聴したりすると、無効な再生と見なされます。
指定した期間中に動画を視聴したユーザーの推定数がわかります。複数デバイスからの視聴や複数回の視聴をしていても、 1 人のユニーク視聴者としてカウントされます。 また、視聴者のプライバシー保護のため、データは推定値となっています。
ユニーク視聴者数とチャンネル登録者数と比較することで、チャンネル登録者以外の多くの視聴者にアプローチするのにどのような動画が有効だったかを知ることができます。
動画を再生すると、ページの右側(スマートフォンアプリだと下部)に関連する動画が自動的に選定・表示されます。この機能により、チャンネル登録者だけでなく幅広いユーザーに動画を視聴してもらうことが可能です。
この「関連動画」欄には、動画の再生時間が長くなるほど表示されやすくなります。そのため関連動画からの流入は、動画が投稿された直後ではなく数日後から増える傾向にあります。
動画が視聴された時間の合計を示します。視聴者が興味を持って長時間視聴しているのはどのコンテンツなのかを把握することができます。時間が長いほど視聴者の関心が高く、購入意欲の向上にも影響していると考えられます。
特定の期間における、動画1回の視聴あたりの推定平均再生時間を示します。 総再生時間と同じく、時間が長いほど視聴者の購入意向を高めているということが考えられます。 視聴者が動画をどのくらい見続けたのか、どこで視聴を停止したのかを
視聴者が動画をどのくらい見続け、どこで視聴を停止したかを確認できる指標です。 視聴者の関心が高い部分と低い部分を知ることで、動画を改善したり、次回のコンテンツに活用したりすることができます。
動画最後の5~20秒に追加できる終了画面により、他の動画へ誘導したりチャンネル登録を促したりすることができます。 終了画面が多く表示されたりクリックされたりしていれば、視聴者は最後まで興味を持って動画を視聴しており、購入の検討段階に入っている可能性があると考えられます。
終了画面には以下の要素を表示させることができます。 ・動画または再生リスト:最新のアップロード動画、視聴者に適したチャンネル内の動画、チャンネル内の任意の動画や再生リストをのいずれかを選択できます。 ・チャンネル登録:チャンネル登録を促すボタンを表示します。 ・承認済みウェブサイト:関連するウェブサイトへのリンクを表示します。(YouTubeパートナープログラムメンバーのみ利用可能) ・チャンネル:メッセージとともに別のチャンネルを宣伝します。
動画視聴後にユーザーにしてもらいたい行動を考えて必ず設定しておきましょう。
カードはパソコンだと動画の右側、モバイルだと動画の下に表示され、チャンネル内の動画や再生リスト、他のチャンネル、関連するウェブサイトに誘導することができます。
カードのクリック数を確認することで、自社商品の比較・検討段階のユーザーがどれだけいるかを把握できます。
YouTubeチャンネルに登録しており、そのチャンネルをフォローしているユーザー数を示します。 チャンネルを継続的に応援したいと考えてくれているファンがどれだけいるかを知ることができる指標です。 しかし、企業チャンネルの場合はもともとの企業の知名度にも寄与するため、YouTube運用のみの効果として測定するのにはあまり適しません。
動画ごとにどれだけの人が動画を高く評価したか、低く評価したかを示します。どのような動画がユーザーに気に入られたか、心に響いたかを知ることができる指標です。
コメントにより、ユーザーと相互的なコミュニケーションを図ることができます。コメント数は、自ら企業に接触した意欲の高いユーザーがどれだけいるかを確認できる指標です。 ただし、最近では否定的な意見を寄せるユーザーも多いため、コメント全てが動画に対して好意的なものではないという点に注意しましょう。
ブラウジング機能とは、ホーム画面、登録チャンネルのフィード、後で見る、再生履歴、急上昇動画などからのトラフィックを示します。 ブラウジング機能ではチャンネルと関連性の高い既存ユーザーに動画が表示されるため、ブラウジング機能からの流入は動画投稿直後に増える傾向があります。
KPIは設定して終わりではなく、測定し効果検証・改善していくことが必要です。今回ご紹介したKPIはすべて、チャンネルの管理を行う「YouTubeStudio」内の「YouTubeアナリティクス」を使用して測定することが可能です。
しかし、YouTubeアナリティクスではユーザーの認知や購入意欲を正確に測定することはできず、Googleブランド効果測定やGoogleサーベイを使用することが必要です。
Googleブランド効果測定は、YouTubeのインストリーム広告やバンパー広告を配信した場合に利用可能です。広告を見たユーザーと見なかったユーザーに対してブランドリフト調査(アンケート)を行うことで、広告想起、ブランド認知度、比較検討に広告がどれだけ影響を与えたか測定することができます。 また、Googleサーベイは費用が発生しますが、オンライン上でアンケート調査を行うことができます。Googleアカウントがあればすぐに作成でき、Googleサーベイと提携したWebサイトへ配信して集計まで行うことができます。
チャンネルを開設して間もないうちは、データが少なく、そこから傾向を導き出せるだけの根拠がないため、数値を分析してもあまり意味がありません。視聴回数や再生回数が多く感じても、偏った属性のユーザーによる視聴だったり、タップミスだったりする可能性もあります。 データがたまるまでは、ユーザーがどんな情報を求めているかを考えて、クオリティの高いコンテンツを継続して投稿していくことが大切です。
マーケティングを行う上で、競合やベンチマークの動き、成果を把握しておくことは非常に大切です。しかしYouTube運用においては、動画一つを取ってもコンテンツの内容、タイトル、サムネイル、出演者、動画の長さなどさまざまな要素が効果に起因してきます。また、企業によってYouTube運用を行う目的やターゲット、予算、そしてKPIが異なります。 他社の動きに左右されず、自社のKPIをもとに効果検証と改善を繰り返していきましょう。
業界別!企業のYouTubeチャンネル活用事例まとめ
目的に合ったKPIを設定することで、目指すべき目標が明確になり、効率よく運用を進めることができます。質の高いコンテンツ作成を重視しつつ、KPIをもとにした数値分析・改善も行いながらYouTube運用の効果を高めていきましょう。
YouTubeの最新動向からアルゴリズム、VSEO対策、YouTuber施策まで、YouTube運用の効果を高めるために知っておきたい知識とノウハウをこちらの資料にまとめました。企業のYouTube運用のヒントが詰まっていますのでぜひご覧ください。
松崎 明日香
マーケティング部
2020年に新卒入社後、オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティングを中心に、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務に幅広く携わる。お問い合わせ数・売上アップを目標に日々奮闘中。趣味は喫茶店・カレー屋巡り。
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