公開日:2020年11月13日
最終更新日:2022年01月24日
Facebookは、世界では29億1,000万人、日本では2,600万人のユーザー(参照:【2021年12月最新版】SNSの利用者数とユーザー属性や特徴まとめ)に利用されている世界最大級のSNSプラットフォームです。
この記事では、初心者の方でも高い費用対効果でFacebook広告を運用できるよう、費用の相場や料金決定の仕組み、効果的な予算の決め方などを解説します。
Facebook広告の概要や設定方法は、以下の記事で詳しく解説しているのでご一読ください。
※本記事の情報は2021年12月時点のものです。今後のFacebookのアップデートにより、内容が変更される可能性があります。
目次
料金の決定方法を理解するために、まずはFacebook広告の配信の仕組みを把握しましょう。
Facebook広告では、どのユーザーにどの広告を表示するかがオークションによって決定されます。広告を表示するタイミングで必ずオークションが行われ、ユーザーと広告主の双方にとって価値の高い広告が選ばれます。
オークションでは、主に以下の要素をもとに表示する広告が決定します。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『広告オークションについて』
オークションに勝利して広告が配信されると料金が発生します。Facebook広告には主に「クリック課金」と「インプレッション課金」の2つの課金方式があり、キャンペーンの目的によって適用される課金方式は異なります。
※動画広告の場合は、広告が15秒以上(15秒未満の動画の場合は最後まで)再生されるごとに料金が発生する「ThruPlay」という課金方式もあります。
CPC(Cost Per Click)とも呼ばれます。広告がクリックされるごとに、オークション形式で決定した料金が課金される仕組みです。
メリット:どれだけ表示されても、クリックされない限り課金されない。
デメリット:関連性の低いユーザーからクリックされた場合や誤クリックの場合も課金されてしまう。
CPM(Cost Per Mille)とも呼ばれます。広告が1,000回表示されるごとに、オークション形式で決定した料金が課金される仕組みです。
メリット:認知拡大に効果的。「いいね」やWebサイトへのアクセスなどアクションが発生しても課金されない。
デメリット:クリックされなくても、表示回数によって料金が発生してしまう。コンバージョンには繋がりにくい。
~月刊SNSレポート~
どの課金方式が適用されるかは、広告主がキャンペーン作成時に設定した目的によって異なります。キャンペーンの目的は大きく「認知」「検討」「コンバージョン」の3つの段階があり、全部で11の項目の中から選択します。
目的によって設定できる広告フォーマットなども変わるので、ユーザーに行ってほしいアクションを明確にして、適切な目的を設定しましょう。
Facebook広告のフォーマットや規定サイズについてはこちらの記事をご確認ください。 Facebook広告の画像サイズとテキスト文字数一覧
参照:FACEBOOK for Business『広告のマーケティングの目標を選択しましょう』
Facebook広告を配信したあと最終的に支払う料金は、「合計消化金額」と「獲得した各結果の単価」によって決定されます。合計消化金額は予算、獲得した各結果の単価は入札戦略を設定することでコントロールします。
Facebook広告の費用の相場は、商材やターゲット層によっても異なるので一概には言えませんが、最初は月額3万円程度の少額でスタートし、成果が得られるようになったら月額10~30万円にアップするなど、ステップを設けることをおすすめします。
1日の予算は最小115円から設定できますが、予算が少なすぎると広告を表示する機会が少なくなってしまったり、多くてもオーディエンスが少ないと予算を使いきれなくなったりしてしまうため、バランスを考えて適切な金額を設定しましょう。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『Facebook広告の料金』
Facebook広告アカウントで掲載している全てのキャンペーンに使用できる上限金額を設定します。アカウントの予算を設定することで、意図していない高額の料金が発生するといったリスクを防ぐことができます。消化金額が上限に達すると広告の配信は停止します。
キャンペーンに使用できる消化金額の上限を設定します。消化金額が上限に達すると広告の配信は停止します。 1日あたりの平均予算、または広告掲載期間中の通算の予算を選択して設定できます。
広告セットでもキャンペーンと同様に、1日あたりの平均予算、または広告掲載期間中の通算の予算を選択して設定することができます。
入札戦略は、アクションに対して適正な価格で入札し、最大限の効果を獲得するために重要です。選択した入札戦略に応じて決定した入札価格が、広告オークション時の要素の一つとなります。2021年12月現在では、選択できる入札戦略は5つあります。
<参照> Facebookビジネスヘルプセンター『入札戦略について』 FACEBOOK for Business『Facebook入札戦略ガイド』
予算を最大限消化しつつ、低い単価でより多く広告を表示させられるようFacebookが自動で入札を管理します。初めてFacebook広告を利用するため単価が明確でない場合や、予算をできるだけ効率的に消化したい場合に適した入札戦略です。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『最小単価について』
オークションで消化できる最大入札価格を広告主が設定し、その価格の範囲内で広告の配信数を最大化します。最大入札価格を上回らないように入札されるため、全ての予算が消費されない場合があります。また、設定価格が低すぎるとオークションで勝利できなくなり、広告を表示する機会を失ってしまうので注意が必要です。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『入札価格上限について』
コンバージョン単価の上限を設定し、その単価上限の範囲内でコンバージョン数を最大化できるようFacebookが入札価格を決定します。コスト効率を最大限に高めたい場合に効果的です。
新しい広告セットを作成したときなどには、広告配信システムが広告パフォーマンスの最適化を学習する情報収集期間があります。この情報収集期間中は単価が上限を超える可能性が高く、単価が安定するまでには一定の時間を要する場合があります。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『平均目標達成単価上限について』
最低限のROAS(広告費に対する売上)を維持しつつ、できるだけ多くの広告配信の機会を獲得できます。最小値を高くしすぎると、配信システムが制約を受けて配信数が少なくなる可能性があるため注意が必要です。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『最小ROASについて』
予算全額を消費しつつ、最大のROAS(広告費に対する売上)を達成できるようFacebookが自動で入札を管理します。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『最高値について』
Facebookで初めて広告を作成する際に、アカウントに支払い方法を設定します。広告アカウントの管理者であれば、Facebook広告マネージャの「支払い設定」から支払い方法を追加することができます。
日本では3つの支払い方法から選択します。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『Facebook広告で利用できる支払い方法』
また、主に2つの支払い設定があります。Facebook広告では、広告作成時にすぐに料金が請求されるのではなく、この支払い設定によって支払いのタイミングが変わります。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『Facebook広告の支払いのタイミング』
支払いが完了しなかった場合、未払い金が支払われるまで広告は停止してしまいます。支払いに失敗しないよう、事前に以下のことを確認しておくとよいでしょう。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『支払いの失敗を防ぐためのベストプラクティス』
ここまでで、Facebook広告の料金が決定する仕組みを解説してきました。予算や入札単価の意味は分かったけれど実際どのくらいの金額を設定すればよいのか、と疑問を持った方も多いのではないでしょうか。そこで、予算や入札単価を決める際の4つの方法をご紹介します。
広告を配信することで達成したい目的から予算を考えてみましょう。「ブランドや商品の認知度を高めたい」「Webサイトから商品を購入してもらいたい」「資料請求やお問い合わせの数を増やしたい」「店舗への来店数を増やしたい」など、広告によってユーザーに起こしてもらいたいアクションは異なります。どれだけのユーザーにアクションを起こしてもらいたいか、そのためにどれだけの金額を支払えるか、という観点から予算を決定します。
広告配信の目的が商品購入の場合、その商品の売上目標から逆算してFacebook広告の予算を決めることもできます。 例えば、単価10万円の商品を販売していて、1か月の売上目標が1000万円だとします。売上目標を達成するには100個を販売しなければなりません。仕入価格などを差し引いて、仮に1個あたり1万円の広告費が使えるとなった場合、1万円(1個あたりの広告費)×100個(販売目標数)で100万円の予算という計算になります。
「商品購入」「資料請求」「Webサイトへの訪問」など広告配信の目的となるユーザーのアクションを、どれだけの金額でいくつ達成したいかを考えます。例えば、広告経由で20人に資料請求してもらいたいとし、そのために支払える金額が1コンバージョンあたり2000円だとします。2000円(コンバージョン単価)×20人(コンバージョン数)で40万円の予算という計算になります。
Facebook広告では、設定した予算とターゲットでどれだけのユーザーに広告を配信できるか、コンバージョン数はどれくらいかを広告配信前にシミュレーションできる機能があります。 Facebook広告マネージャからキャンペーンを作成し、表示される項目を設定していくと、右側にリーチとコンバージョンの推定値が表示されます。
シミュレーションを確認しながらターゲットと予算を調整し、適切な予算を決定しましょう。
Facebookは実名登録制のためユーザー情報の信憑性が高く、Facebook広告のターゲティング精度は非常に高いです。狙いたいターゲット層に沿って的確なターゲティングを設定することで、効率的にユーザーへアプローチすることができます。Facebook広告では詳細なターゲティングができますが、細分化しすぎると配信ボリュームが少なくなってしまい、予算を効率的に消化できないので注意してください。
Facebook広告でどんなターゲティングができるか、詳しくはこちらの記事で解説しているのでご確認ください。 Facebook広告のターゲティングの種類と設定のポイント
Facebook広告には複数の入札戦略がありますが、そのうち、広告のパフォーマンスを最大化できるようFacebookが自動で入札を管理する「自動入札」と広告主自身が入札価格を管理する「手動入札」があります。
細かい調整はできませんが目的に対して効率的に広告を配信できるので、初心者であれば初期の段階では自動入札がおすすめです。
Facebookが無料で提供している機能『広告ライブラリ』では、FacebookやInstagramのアプリ・サービス上で掲載されているアクティブな広告を表示することができます。
Facebookのいいね数、Instagramのフォロワー数、掲載中の広告クリエイティブなどを確認できます。広告のターゲット層や予算、入札戦略は表示されませんが、他社がどの配信面にどのような広告をいつから配信しているか、ユーザーどんなアクションをしているかなどを把握できます。
競合他社のクリエイティブをヒントに、どのようなクリエイティブでメッセージを伝えたらエンゲージメントが高まるのか探り、改善していきましょう。
成果が上がるFacebook広告クリエイティブ作成の7つのポイント
Facebook広告は、予算と入札戦略によって料金が決定します。設定によっては少ない料金でも効果を獲得できる可能性があるので、最大限に活用してユーザーのアクションを促してみましょう。
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松崎 明日香
マーケティング部
2020年に新卒入社後、オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティングを中心に、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務に幅広く携わる。お問い合わせ数・売上アップを目標に日々奮闘中。趣味は喫茶店・カレー屋巡り。
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