2020年11月20日
Facebook広告を利用すると、日本に2,600万人のユーザーを持つFacebookだけでなく、3,300万人のユーザーを持つInstagram上などにも広告を配信することができます。(参照:【2020年最新版】SNS利用者数と各媒体の特徴まとめ)
しかし、広告で効果を出すためには、ただ多くの人に配信するのではなく、適切なターゲティングを設定し、広告の目的達成への確率を上げることが重要です。そこで本記事では、Facebook広告のターゲティングの種類と使い方、効果を高めるための設定のポイントなどについてご紹介します。
Facebook広告の種類についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 【初心者向け】Facebook広告の種類を目的別に徹底解説!
※本記事の情報は2020年11月時点のものです。今後のFacebookのアップデートにより、内容が変更される可能性があります。
目次
Facebook広告では、以下の4つの配信面に広告を掲載することができます。
Audience Networkとは、Facebookのコミュニティ規定に従っており、パートナーとして提携しているサイトやアプリのことです。Audience Networkを配信面として設定することで、FacebookやInstagram以外のインターネットサービス上にも広告を掲載でき、ユーザーと接触する機会が広がります。日本国内では、グノシー、食べログ、東洋経済ONLINEなどがAudience Networkの一つとなっているようです。
どの配置に広告を掲載するかは広告セット単位で選択できますが、Facebookでは、配置を指定しない「自動配置」をおすすめしています。自動配置を利用すると、Facebook、Instagram、Messenger、Audience Networkの全ての配置に広告が掲載されて幅広いターゲットにリーチできる上、自動で効率的に予算を消化することができます。 Facebookの調査によると、Facebookのみで配信された広告よりもプラットフォーム全体で配信された広告の方が、ユーザーの行動を促しやすいということも分かっています。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『広告マネージャの配置について』 参照:Facebook for Business『Audience Networkを利用して、Facebook広告をモバイルアプリに掲載しましょう。』
Facebook広告は、「キャンペーン」「広告セット」「広告」の大きく3階層から成り立っています。それぞれの階層で設定できる項目が異なります。
今回説明するターゲティングは、「広告セット」にて設定します。1つの広告セットに対して、広告のターゲットとなる「オーディエンス」は1つしか設定できないので、いくつかのターゲットで効果を比較したい場合などは複数の広告セットを作成しましょう。
オーディエンスは広告セットの編集画面からも作成できますが、キャンペーンや広告セットを作る前にあらかじめ作成・保存しておくと効率的です。Facebookビジネスマネージャ内の「ビジネスツール」から「オーディエンス」タブに入ると作成できます。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『Facebook広告の構造について』
インターネット広告には、Googleのリスティング広告やディスプレイ広告、SNSであるTwitter広告やLINE広告などさまざまな媒体がありますが、中でも特にFacebook広告はターゲティング精度が高いと言われています。Facebook広告のターゲティングにおいて、他媒体の広告と異なる点をご紹介します。
TwitterやLINEなどのSNSは匿名でアカウントを開設できるのに対して、Facebookは実名登録のみとなっています。そのため、登録されているプロフィール情報は信頼性が高いと言えます。
Facebookユーザーは、誕生日、性別、連絡先などの基本情報に加え、出身地や現在・過去の居住地域、学歴、職歴、交際ステータス(独身/交際中/既婚など)、趣味といった詳細な情報をプロフィールに登録することができます。
さらに、ユーザーがいいね!やフォロー、シェアをしたページ、興味を示したイベント、参加しているグループ、チェックインした場所などもデータとして保存されています。Facebookはこうした質の高い情報をもとにターゲティングし、広告を配信しています。
Facebook以外のサービスやサイト、アプリでも、Facebookログインを実装している場合はFacebookのID・パスワードを使用してログインすることができます。ユーザーがサービスごとに新しいID・パスワードを覚える手間を省くことができるので、Facebookログインを取り入れているサービスは多いです。
Facebookログインを使用していると、そのサービス上での行動はデバイスに関わらずFacebookのIDでトラッキングできるので、Facebook以外のサービスでユーザーがどのような行動をしているのか、何に興味を持っているのかなどをデータとして収集し、ターゲティングに使用することができます。
Facebook広告には、3種類のターゲティングがあります。「コアオーディエンス」「カスタムオーディエンス」「類似オーディエンス」です。
Facebookビジネスマネージャの「ビジネスツール」から「オーディエンス」タブに入り、「オーディエンスを作成」から作成したいオーディエンスの種類を選択するとそれぞれのオーディエンス編集画面が出てきます。
ここからは、それぞれのオーディエンスの詳細と設定方法をご説明します。
コアオーディエンスでは、ユーザーのFacebook登録情報やWeb上の行動履歴などをもとにFacebookが作成したセグメントを設定します。前述したように実名登録によるデータに基づいているので、精度の高いターゲティングが可能です。
コアオーディエンスは、「オーディエンス」タブの「オーディエンスを作成」から「保存済みのオーディエンス」を選択して作成します。
「地域」では、特定の地域を指定し「この地域に住んでいる人、または最近この地域にいた人」「この地域に住んでいる人」「最近この地域にいた人」「この地域を旅行中の人」を含めるまたは除外することができます。
「年齢」は、最小13歳から最大65歳以上まで1歳刻みで設定可能です。
「性別」は、すべてもしくは男性/女性を選択することができます。
「言語」は、指定した地域で一般的に利用されていない言語の利用者をターゲットとしたい場合に設定します。
条件を設定していくと、右側にオーディエンスの想定ボリュームが表示されるので、こちらを見ながら調整していきましょう。基本的な属性設定のみだとボリュームはかなり大きくなってしまうので、ここから紹介するターゲティングによってさらに絞り込んでいきます。
「詳細ターゲット設定」では、利用者層(学歴や職歴、ライフイベント、家族構成、交際ステータスなど)、興味・関心(スポーツ、ビジネス、音楽、ゲーム、ファッション、食品など)、行動(使用デバイス、旅行履歴など)を指定できます。これらの情報は、ユーザーのFacebook登録情報やいいね!したページ、Web上のアクセス履歴や購入履歴などに基づいています。
詳細ターゲット設定では、特定の条件に一致する人を含めるか除外することができ、複数の条件を設定した場合はOR条件となります。例えば、『興味・関心として「旅行」「料理」に一致する人を含める』という設定にした場合、旅行または料理のいずれかに興味があるユーザーがターゲットとなります。
AND条件にしてさらに絞り込みたい場合は、最初の条件を追加したあとに「オーディエンスの絞り込み」を選択し、条件を追加します。例えば、最初の条件で『「大学生・専門学校生」である』、絞り込みの条件で『「サッカー」に興味がある』という設定にした場合、大学生・専門学校生でかつサッカーに興味があるユーザーがターゲットとなります。
詳細ターゲットには非常に多くの項目が存在しており、組み合わせたり除外したりすることでさまざまなターゲティングが可能です。しかし、絞り込みすぎるとボリュームが減って配信自体が少なくなってしまうので注意が必要です。右側のシミュレーションで想定ボリュームを確認しつつ、効果的なターゲティングを見つけましょう。
また、「詳細ターゲット設定の拡大」という機能もあります。この機能をオンにすると、指定されたターゲット以外で、より少ないコストで効果を見込めるとFacebookが判断したオーディエンスに対しても広告を配信することができます。予算を効果的に消費できる便利な機能なので、活用してみましょう。
詳細ターゲット設定の拡大をオンにするには、広告マネージャから広告セットの編集画面に入り、「ターゲット」の編集項目から設定します。「詳細ターゲット設定の拡大」のチェックボックスをオンにすると設定完了です。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『詳細ターゲット設定を使用する』 参照:Facebookビジネスヘルプセンター『ターゲット設定の拡大について』
「つながり」では広告主のFacebookページ、アプリ、イベントにつながりを持った利用者をターゲットとして設定することができます。以下のオーディエンスを選択できます。
Facebookページ
アプリ
イベント
また「詳細設定」を選択すると、特定のページ、アプリ、イベントとつながっているユーザーやその友達を含めたり除外したりすることができます。
ビジネスをすでに認知していたり、利用したことがあったりするユーザーやその友達をターゲットにできるので、高い効果が期待できます。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『つながりを利用したターゲット設定について』
カスタムオーディエンスでは、Facebookユーザーの中から、広告主のWebサイトへアクセスしたことのあるユーザーや既存顧客などを見つけ出し、すでにビジネスに接触したことのあるユーザーのオーディエンスを作成します。1つの広告アカウントにつき、最大で500種類のカスタムオーディエンスを作成することができます。
カスタムオーディエンスは、「オーディエンス」タブの「オーディエンスを作成」から「カスタムオーディエンス」を選択して作成します。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『カスタムオーディエンスについて』
Facebook広告経由でWebサイトに訪問したユーザーのサイト上での行動を把握できる「Facebookピクセル」を利用し、FacebookユーザーとWebサイトの訪問者を照合します。
この項目を利用するには、WebサイトにFacebookピクセルが設置されていることが前提条件となります。Facebookピクセルの設置方法についての詳細は Facebookビジネスヘルプセンター『Facebookピクセルを作成しインストールする』 をご確認ください。
Webサイト全体、または特定のページにアクセスしたユーザーを最長で過去180日までさかのぼってターゲティングできます。また、Webサイトの滞在時間が長い上位25%、10%、5%のユーザーを最長180日間さかのぼってターゲティングすることもできます。ウェブサイトカスタムオーディエンスはなるべく早めに作成し、データを蓄積しておくとよいでしょう。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『ウェブサイトカスタムオーディエンスについて』
特定の期間内にアプリのインストールや起動をしたユーザー、アプリ上で特定のアクションを起こしたユーザーなどを指定しターゲットとして設定できます。
この項目を利用するには、まずアプリを登録し、開発者向けFacebookサイトでFacebook SDK(アプリとFacebookを連携させる開発ツール)を設定します。ECアプリなら「カートに追加」、ゲームアプリなら「特定レベル到達」など、特定のアクション(アプリイベント)を設定しておくことで、そのアクションを実行した人を広告のターゲットとすることが可能です。
アプリをインストールしたのに利用していないユーザーにアプリ起動を促したり、ECアプリで商品をカートに入れたのに購入していないユーザーに購入を促したりするといった活用方法があります。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『アプリ広告のカスタムオーディエンスを作成する』
広告主が保有している顧客情報(メールアドレス、電話番号、住所など)をFacebookに提供し、オーディエンスを作成します。顧客情報リストのすべてのユーザーがオーディエンスとなるわけではなく、ユーザーがFacebookを利用しており、かつFacebook上のデータと紐づけができたユーザーのみオーディエンスとなります。
顧客リストには、メールアドレスや電話番号以外にもさまざまなデータを利用できますが、それぞれアップロードできるフォーマットが指定されているので注意してください。(参照:Facebookビジネスヘルプセンター『カスタマーリストをフォーマットする方法』)
カスタマーリストの編集画面からリストのテンプレートをダウンロードすることもできます。顧客リストの用意ができたら「次へ」をクリックし、アップロード画面が表示されるのでそこからアップロードします。
アップロードされたリスト情報はハッシュ処理(ランダムなコードへの変換)をされてからFacebookに送信されるので、セキュリティやプライバシーは担保されています。(参照:Facebookビジネスヘルプセンター『顧客情報のハッシュ処理について』)
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『カスタマーリストを使ってカスタムオーディエンスを作成する』
広告主のFacebookページやInstagramアカウント上で、特定のアクションを起こしたユーザーをターゲットとして設定します。Facebookページ・Instagramアカウントを活用して情報発信や商品販売ができていたり、フォロワー数やいいね数が多かったりする場合は、データを蓄積できているので設定すると効果的です。
以下のエンゲージメントタイプを選択することができます。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『エンゲージメントカスタムオーディエンスについて』
Facebook広告のヘルプページに記載はありませんが、カスタムオーディエンス編集画面では選択が可能となっている項目です。
店舗に来店したり、電話したりとオフラインで何らかのアクションを起こしたユーザーをターゲットとして指定します。
類似オーディエンスでは、作成したカスタムオーディエンスのリストに入っているユーザーの属性や興味・関心に類似したユーザーをFacebookが特定し、ターゲットとして設定します。既に企業と接触のあるカスタムオーディエンスの情報に基づいているので、顧客となる見込みが高い新規ユーザーにリーチを広げることが可能です。
類似オーディエンスは、「オーディエンス」タブの「オーディエンスを作成」から「類似オーディエンス」を選択して作成します。
ソースとなるカスタムオーディエンスとターゲット地域を指定し、1~10%の間でオーディエンスサイズを選択します。オーディエンスサイズは数字が小さいほど類似度は高くなりますが、オーディエンスのボリュームは小さくなります。
ソースオーディエンスは少なくとも100人のリストが必要で、推奨人数は1,000人~50,000人となっています。類似オーディエンスの効果を高めるためにはソースオーディエンスの量だけでなく質も重要です。例えば、ソースオーディエンスとして「カスタマーリストに基づくカスタムオーディエンス」を利用する場合、顧客全員ではなく「〇回以上購入している顧客」など条件をつけた顧客リストを利用すると、類似オーディエンスの精度も上がります。
また、類似オーディエンスの作成には6~24時間かかるので注意してください。作成後その類似オーディエンスをアクティブに設定している場合、ユーザー情報は3~7日ごとに更新されます。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『類似オーディエンスについて』 参照:Facebookビジネスヘルプセンター『類似オーディエンスを作成する』
これまで述べてきたように、Facebook広告では高い精度でさまざまなターゲティングを設定することが可能です。そのため、ついターゲティングを細かく設定しすぎて配信ボリュームが少なってしまう、ということにならないよう注意しましょう。
Facebookでは、広告に対する特定のアクションを起こす可能性の高いユーザーを、設定されたオーディエンス内で自動的に探して広告を配信します。そのため、ターゲットを絞り込みすぎなくても効果を期待できます。
Facebook広告マネージャからキャンペーンを作成し、広告セット編集画面でターゲット設定をすると、右側にオーディエンスボリュームのインジケーターが表示されます。
インジケーターの針が赤い部分にある場合はオーディエンスのボリュームが小さく、黄色い部分にある場合は大きいことを示しています。緑の部分にくれば高いパフォーマンスが期待できるので、こちらを見ながら調整しましょう。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『新規オーディエンスへリーチするためのベストプラクティス』
ターゲティングは広告セットごとに設定しますが、広告セット間でオーディエンスが重複していると配信数が少なくなる場合があるので注意が必要です。オーディエンスが重複すると、それらの広告セットは同じオークションに出されて競合関係となり、パフォーマンスが低い方の広告はオークションに負けて表示されなくなってしまいます。
オーディエンスの重複はFacebookビジネスマネージャの「ビジネスツール」から「オーディエンス」タブに入り、確認することができます。比較したいオーディエンスのチェックボックスにチェックを入れ、左上のアクションボタンから「オーディエンスの重複を表示」を選択します。
有効な情報を取得するためには、少なくとも1万人のユーザーを持つオーディエンスであることが必要です。
重複度が高い場合はターゲット設定を見直し、重複させたくないオーディエンスや重要度の低いオーディエンスを除外してみましょう。
参照:Facebookビジネスヘルプセンター『オーディエンスの重複について』
作成したオーディエンスはFacebookビジネスマネージャ「ビジネスツール」内の「オーディエンス」に保存され、一覧として表示されますが、多くなるほどどんなターゲティングなのか管理することが難しくなります。実際に広告配信時に使うオーディエンスなのか、オーディエンス作成時の素材として利用するオーディエンスなのかなどが一目で分かるようにルールを作って名前を付けるといいでしょう。
Facebook広告はターゲティングにより高い成果を期待できますが、広告の要素はターゲティングだけではないため、頼りすぎてはいけません。バナーやキャッチコピー・テキストといったクリエイティブ、広告の遷移先のLPなど、成果を高めるためにはさまざまな要素を考慮することが重要です。広告全体を見直し、PDCAを回していきましょう。
Facebook広告を使うと高精度でさまざまな種類のターゲティングを設定でき、かけ合わせたり除外したりすることでさらに高い効果を期待できます。それぞれのターゲティングの特徴を理解し、適切なターゲットに広告を配信していきましょう。
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