公開日:2021年11月11日
最終更新日:2022年01月04日
目次
強調スニペットとは質問を意図するようなキーワードで検索をした際に、検索結果の最上部にベストアンサーを強調表示する仕組みのことです。 そもそもスニペット(snippet)とは英語で、小片、切れ端、断片、抜粋、切り抜きなどの意味を持つ言葉です。 下の図の赤枠の部分のことを言います。
強調スニペットがあることによって、検索ユーザーからしてみれば知りたい情報をすぐに知ることができます。 さらに、Google HomeやiPhone(Siri)、Amazon Echoなど音声アシスタント機能を持ったデバイスで音声検索をした際に、強調スニペットの内容が音声検索結果として読み上げられることが多いです。 そのため検索ユーザーからしてみれば強調スニペットは非常に便利な仕組みですね。
最上部に強調スニペットで自身のサイトがあると、一見沢山の方がサイトを見てくれるように思えるため、「すぐに強調スニペットとして表示される条件や方法を知りたい」と考えるサイト運営者の方も多いかと思います。 しかし強調スニペットにはメリットもありますが、デメリットもあります。 まずメリット、デメリットをきちんと把握しましょう。
サイト運営者視点での強調スニペットのメリットは大きく分けて3つあります。
まず1つ目のメリットは、強調スニペットとして表示されている情報は他のサイトの情報と比べて、信頼性されやすいです。 大前提として、Googleが簡潔な回答(ベストアンサー)と判断したサイトの一部が強調スニペットに表示されます。 検索ユーザーは強調スニペットに表示されている情報を見て、さらに詳しく知りたいと思いサイトにアクセスする場合もあるでしょう。
2つ目のメリットは検索結果での視認性が向上することです。 PCでもスマートフォンでも、強調スニペットは検索結果の最上部に表示されます。 スマートフォンの場合は下の図のように検索結果の大部分を強調スニペットが占めているケースが多いです。 そのため、検索ユーザーは強調スニペットで表示されているページに目が留まりやすくなります。
最後に3つ目のメリットは、無料で自身のサイトをブランディングできることです。 強調スニペットは無料で、検索結果1位よりも上位の目立つ部分に表示させることが可能です。 通常、検索結果の1位より上に表示させるには費用をかけてリスティング広告に出稿する必要があります。 しかし、強調スニペットに表示されればユーザーからも信頼されやすくなり、費用をかけずにブランディングすることができます。
ここまで読んで頂くと、「すぐに強調スニペットとして表示される条件や方法が知りたい」と皆さん思いますよね。 しかし、残念ながら強調スニペットにはデメリットもあります。 次に強調スニペットのデメリットも見ていきましょう。 サイト運営者視点での強調スニペットのデメリットは2つあります。
1つ目のデメリットは強調スニペットによりクリック率が下がる可能性があるということです。 「検索結果の最上部に表示されるのだから、クリック率は上がるはずでしょ!」 と皆様は思われるでしょう。 確かに強調スニペットに表示されることによって、ユーザーに信頼されやすくなり、視認性も向上します。
しかし、ユーザーは強調スニペットに表示された回答に満足し、結果的にクリックせずに違うサイトに行ったり、帰ってしまったりする可能性もあります。
2017年のAhrefsの調査データによると実際に強調スニペットで表示されているページはクリック率が8.6%で、強調スニペットの下にある通常の検索結果1位のページはクリック率が16.8%と強調スニペットよりも高いです。
※参照 https://ahrefs.com/blog/featured-snippets-study/ 原文: When there’s a featured snippet at the #1 position, it only gets ~8.6% of clicks (on average), while the page that ranks right below it will get ~19.6% of clicks (on average). How does it compare to a regular #1 ranking page with no featured snippet above it? That page will get ~26% of all clicks. 翻訳: 1位の位置に強調スニペットがある場合、クリックの最大8.6% (平均)しか得られませんが、そのすぐ下にランク付けされたページのクリック率は(平均) 最大19.6%になります。 抜粋のない通常の1位のランキングページと比較してどうですか? そのページは、すべてのクリックの最大26%を獲得します。
※参照 https://ahrefs.com/blog/featured-snippets-study/
原文: When there’s a featured snippet at the #1 position, it only gets ~8.6% of clicks (on average), while the page that ranks right below it will get ~19.6% of clicks (on average). How does it compare to a regular #1 ranking page with no featured snippet above it? That page will get ~26% of all clicks.
翻訳: 1位の位置に強調スニペットがある場合、クリックの最大8.6% (平均)しか得られませんが、そのすぐ下にランク付けされたページのクリック率は(平均) 最大19.6%になります。 抜粋のない通常の1位のランキングページと比較してどうですか? そのページは、すべてのクリックの最大26%を獲得します。
SISTRIXの調査によると、強調スニペットが表示されていない時の検索結果の1位のクリック率は28.6%であり、強調スニペットが表示されている時の検索結果1位のクリック率は23.3%と、5.3%下回るというデータもありました。
▼検索結果のクリック率 ▼強調スニペットが表示されている時の検索結果のクリック率 ※参照 https://www.sistrix.com/blog/why-almost-everything-you-knew-about-google-ctr-is-no-longer-valid/#Featured_snippets_cost_53_percentage_points_CTR/
調査方法が異なるため、ahrefsのデータとは数値的に大きな違いがありますが、どちらも検索結果の1位のクリック率よりも強調スニペットのクリック率の方が低いという結果を示しています。
2つ目のデメリットは強調スニペットに表示されると通常の検索結果に表示されなくなることです。 以前は強調スニペットに表示されたページは、その下に表示される通常の検索結果にも表示されることが多かったです。 しかし2020年1月下旬ごろから強調スニペットに表示されたページは1ページ目の通常の検索結果には表示されなくなりました。
原因は強調スニペットに関してアップデート・仕様変更がなされたからです。 実際に2020年1月24日にGoogle SearchLiaisonから強調スニペットは1ページ目の検索結果の1つとして、カウントするという発表もありました
翻訳: Webページのリストが注目のスニペットの位置に昇格した場合、結果の最初のページでそれを繰り返すことはなくなりました。 これにより、結果が整理され、ユーザーが関連情報をより簡単に見つけることができます。 注目のスニペットは、表示する10のWebページリストの1つとしてカウントされます。
以上が強調スニペットのデメリットになります。 検索結果の最上部にあるからといって、必ずしもいいとは限らないということですね。
さて、強調スニペットに表示されることによって起きるメリット・デメリットはお分かり頂けましたか。 サイトを運営する上で強調スニペットに表示される方が良いか悪いかは、 実際にサイトの状況によって大きく異なります。 サイトの信頼性や視認性を優先しなくていけないケースもあります。 必ずしも強調スニペットに表示されているから、サイトのアクセス数が少なくなるわけでもありません。 是非、サイト運営者の皆さんは自分たちのサイトを分析して、ご判断して頂けたらと思います。 では次に強調スニペットに表示される方法をお伝えする前に、 強調スニペットにはいくつか種類があるので、ご説明しましょう。
強調スニペットには大きく分けて4つの種類があります。
それぞれの強調スニペットを1種類ずつ見ていきましょう。
まずは文章と画像が表示される強調スニペットです。もっとも多く見かけるタイプです。 傾向としてKnowクエリの検索結果に表示されることが多いです。
※Knowクエリ:「~とは」「って」など知りたいという意図がある際に検索されるキーワード。
次にリストや手順が表示される強調スニペットです。 傾向としてDoクエリの検索結果に表示されることが多いです。 他にも「○○ 種類」などリスト形式で回答するようなknowクエリでも表示されることが多いです。
※Doクエリ:「何かをしたい」「どうのようにやるのが知りたい」といった、方法や手順に関する疑問がある際に検索されるキーワード。
3つ目は表が表示される強調スニペットです。 順位やランキング、価格など表で表すのがわかりやすい場合に表示されることが多いです。
最後は動画表示される強調スニペットです。 動画や音楽を視聴したいと考えているユーザーに対してYoutube動画が表示されます。
他にもテキストなどでは正しく情報を伝えるのが難しい際にも表示されます。
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強調スニペットのメリット、デメリット、そして強調スニペットの種類についてご理解頂いたところで、サイト運営者の皆さんお待ちかねの強調スニペットとして表示される方法についてご説明いたします。
まず、強調スニペットとして表示される方法をお伝えする前に、お伝えしないといけないことがあります。 それは、強調スニペットとして表示される方法をすべて行ったからといって、必ず強調スニペットとして表示されるとは限らないということです。 理由に関しては後程、強調スニペットの注意点の際にご説明いたします。 しかしながら、強調スニペットに表示されやすくすることはできます。 その方法は以下の通りです。
まずは1つ目は、サイトを上位させることです。 強調スニペットの表示が狙えるような検索キーワードに対して、Webサイトの品質を上げて、検索結果の1ページ目(1位~10位)に表示されるようにしましょう。 ahrefsが調査によると、検索結果の1ページ目(1位~10位)のサイトが強調スニペットに表示される割合は99.58%であると示しています。そのため、検索結果の1ページ以内に表示した方が強調スニペットに表示されやすいといえるでしょう。
※引用元 https://ahrefs.com/blog/featured-snippets-study/ 4. Is top10 ranking required to get “featured”? According to our data, it is 99.58% positive that Google only features pages that already rank in the top10. 翻訳: 4.「注目」を得るにはトップ10ランキングが必要ですか? 私たちのデータによると、Googleがすでにトップ10にランクされているページのみを取り上げていることは99.58%肯定的です。
※引用元 https://ahrefs.com/blog/featured-snippets-study/
4. Is top10 ranking required to get “featured”? According to our data, it is 99.58% positive that Google only features pages that already rank in the top10.
翻訳: 4.「注目」を得るにはトップ10ランキングが必要ですか? 私たちのデータによると、Googleがすでにトップ10にランクされているページのみを取り上げていることは99.58%肯定的です。
2つ目はWebサイトにキーワードに対する簡潔かつ明確な回答を記載することです。
そもそも強調スニペットは検索ユーザーの利便性を考えて、 検索ユーザーが質問や疑問に対して簡潔な回答を検索結果上に表示するものです。
そのため長すぎたり、回りくどい説明では強調スニペットとして表示されません。 ちなみに簡潔な回答として適切な文字数は100~200文字くらいであるといわれています。
3つ目はサイトのHTMLタグを正しくマークアップすることです。 具体的には、見出しなら「h1~h6タグ」、段落なら「pタグ」、リスト形式なら「ul/ol/liタグ」、表なら「tableタグ」を用いて、HTMLタグを正しく選定して各コンテンツをマークアップします。
そうするとGoogleのクローラーがWebページの情報(HTMLソースコード)をより認識しやすくなるので、Webページ上の検索クエリに対する回答を含む記載が「回答部分である」と認識されます。
逆に不適切なHTMLタグでマークアップしたり、マークアップを怠れると、検索クエリに対する回答を含む記載が「回答部分である」と認識されず、どんなに素晴らしい回答を書いても強調スニペットとして表示されません。
そのため、ユーザーにとっても、Googleにとっても構造がわかりやすいように、正しくマークアップしましょう。
4つ目は既存の傾向を分析することです。
Googleが評価しているのは、どのような回答なのか分析し、参考にすることで、 皆さんのサイトコンテンツの評価が上がる可能性があります。
他にもサイト運営者の皆さんは以下の視点で分析するといいでしょう。
例えば「クジラ 水族館 おすすめ」というキーワードで表示される強調スニペットの内容は、クジラが見られる日本の水族館をリスト形式で表示されます。
つまり、「クジラ 水族館 おすすめ」に類似する「パンダ 動物園 おすすめ」などのキーワードなら、パンダが見られる日本の動物園をリスト形式でサイトに記載すれば、強調スニペットとして表示されるのではないかという仮説が立てられます。
5つ目はポリシーに準拠することです。 Googleは強調スニペットに関するポリシーを公開しており、下記に該当するコンテンツは強調スニペットに表示されないようになっています。
引用元:強調スニペットに関するポリシー 露骨な性表現 差別的である 暴力的である 有害で危険である 公共性の高いトピックにおいて広く合意が得られていない
引用元:強調スニペットに関するポリシー
公共性の高いトピックにおいて広く合意が得られていない
強調スニペットとして表示させる方法はご理解頂けましたか。 もし、現状、サイト運営者の皆さんが信頼性や視認性に課題をお持ちであれば、 強調スニペットとして表示される施策をするのもいいかもしれませんね。
では、次に強調スニペットの非表示方法についてご説明します。 強調スニペットとしてではなく、通常の検索結果として表示したい場合、HTMLを用いた3つの方法があります。
では1つずつ見ていきましょう。
1つ目は「nosnippetタグ」 をページに設定することです。 ページ全体を強調スニペットとして非表示したい場合は、 <head>タグ内に、次のメタタグを書き入れます。 <head>タグ内であればどこでも問題ないですが、 <head>直後の行、または閉じタグ</head>の直前の行に入れると見やすいでしょう。
<head>
</head>
<meta name=”robots” content=”nosnippet” />
注意点としては全てのスニペットを無効にするもので、強調スニペットだけでなく通常のスニペットも一切表示されなくなります。 もし、一部分だけを非表示したい場合は次の方法がいいです。
1つ目とは異なり、ページ全体ではなく、一部分だけを非表示にしたい場合、2つ目の方法「data-nosnippetタグ」で表示させたくないテキストを設定するのがおすすめです。
<body>タグ内に、次のタグで、スニペットに使われたくないテキストを指定します。
<body>
<span data-nosnippet>この部分はスニペットとして表示されなくなります</span>
<span>だけでなく<p><div>など数種類のタグでも使用できます。
<span>
<p>
<div>
最後に紹介する強調スニペットの非表示方法は <head>タグ内に強調スニペットで使われる文字数を指定文字数以下に制限するためのメタタグを書き入れる方法です。 例えば最大文字数を12字に制限すると、ご自身のコンテンツ内の回答が12文字以上の回答である場合、強調スニペットに表示されにくくなります。
<span meta name="”robots”" content="”max-snippet:12>
以上が強調スニペットの非表示方法です。 サイト運営者の皆さんは強調スニペットの表示、非表示の方法はご理解頂けたかと思います。 是非、ご自身のサイトを強調スニペットとして表示または非表示にされるようチャレンジしてみて、アクセス数がどう変わるのか、視認性はどうなるかなど分析してみましょう。
では次に強調スニペットの注意点についてご説明いたします。 強調スニペットとして表示される方法についてご説明する前に、強調スニペットとして表示される方法をすべて行ったからといって、必ず強調スニペットとして表示されるとは限らないと言及しました。 ではなぜ、表示されるとは限らないのか、次の強調スニペットの注意点をご理解頂ければ、自ずと分かって頂けるかと思います。
強調スニペットの注意点は大きく分けて3つあります。
1つ目の注意点は強調スニペットに向いていないキーワードがあることです。 そもそもキーワードが質問を意図するようなものでない場合、どんなに強調スニペットとして表示させる施策を行っていたとしても表示されるのは難しいと思います。
2つ目は強調スニペットは日々変化しており、頻繁に入れ替わりが行われていることです。 強調スニペットとして表示されても、次の日には表示されなくなる可能性もあります。
最後に3つ目は仕様がよく変わることがあることです。 Googleはより良い検索結果をユーザーに提供するため、日々検索結果の仕様を変えながらテストをしています。強調スニペットにおいても、今後のアップデートや仕様変更によっては視認性が変わってくる可能性もあります。強調スニペットとして表示されている内容に変化がないか定期的に確認しましょう。
強調スニペットについて、ご理解頂けましたか。 サイト運営者の皆さんからしてみれば、一概に強調スニペットが良いのか悪いのか判断しづらいと思います。 仮に、強調スニペットとして表示したいとなったとしても、確実に表示させる方法はありません。
是非、サイト運営者の皆さんは現状のサイトの課題を見直して、強調スニペットとして表示させたいとは関係なく、ユーザーが求めているコンテンツを提供して頂けたらと思います。
ユーザーが求めているものを提供するという本質にきちんと向き合えば、強調スニペットとして表示される可能性もありますし、上位の検索結果に表示され、たくさんの方がアクセスしてくれるかもしれません。
ご自身のサイトについて、ご相談したいのであれば、お気軽にお問い合わせください。
伊藤 康貴
マーケティング部
2018年Web広告会社に入社、比較メディアやSEOのコンサルティング営業に従事。3年間で200社以上の企業様の集客に携わる。 より集客の見識を深めるために2021年フルスピード入社。 オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティング、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務を担当している。
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