2019年10月24日
リライトとは、文章(原稿)を書き直すことを指し、推敲よりも大がかりな修正となることが多いようです。また、リライトに伴いタイトルや記事の構成なども変更されることがあります。
これは、リライトすることでSEOの観点からも効果があり、検索流入を増やすことが期待できるためです。 この記事では検索流入増加を目的としてブログをリライトするときの考え方と、具体的な手順について解説していきます。
目次
初めに、ブログをリライトするときの考え方について整理しましょう。最初から良いコンテンツを公開していれば、リライトする必要は無いと考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、実際には記事を公開したときと現在では求められる情報が違う場合がありますし、より新しい情報が求められる場合もあるでしょう。 また、記事を公開した当時と現在で検索エンジンのアルゴリズムが異なっており、現在では適切と言えない記事構成になっていることも考えられます。
そこで、まずは記事を作ってから後で検索流入の増加を目的としてリライトするという考え方は、理にかなっていると言えるでしょう。
過去の記事をリライトするときは、現在の検索ユーザーとGoogleなどの検索エンジンの両方を見直し、どちらにも評価される記事構成にすることが重要です。
では、どのようなリライトであればSEOとしても効果的と言えるのでしょうか。「リライトするタイミング」「リライトすべき記事の選び方」「どうリライトするか」の3つに分けて、具体的に進めてみましょう。
ブログをリライトするかどうかを決めるタイミングは、一旦、3か月、半年で見るとよいでしょう。
記事のジャンルや狙っているキーワードによるため一概に言えませんが、Googleに新しく公開した記事が評価され、検索順位が安定するには時間がかかり、どれくらいかかるかは明確に決まっているわけではありません。
そのため、自分で一定の期間を区切り(3ヶ月や半年など)、その間に記事の検索順位が何位になっているかを確認するようにしましょう。次の項目「ブログをリライトするために必要な7つのステップ」で解説しますが、公開後3ヶ月程度経ってから、狙っているキーワードでの順位が11位以下の記事がある場合、リライトするタイミングの目安となります。
ただし、記事数が少ない場合は、サイト全体の評価が低い状態であるため、まずは記事数を増やすことを優先しましょう。もちろん、質の高い記事を増やすことを前提としてください。
次に、ブログをリライトする手順について7つのステップに分けて解説していきます。 以下に沿って詳しく見ていきましょう。
リライトする記事を選ぶときは、狙っているキーワード(メインキーワード)の検索順位と、想定検索数を確認しましょう。
まず、メインキーワードでの検索順位は11位以下の記事を指定します。なぜなら、そのキーワードで上位表示しそうなのにできていない、「惜しい」 記事だからです。これをリライトすれば、検索エンジンに評価された場合検索結果の1ぺージ目に表示され、飛躍的な流入数アップが期待できます。
もし、メインキーワードを指定していない記事がある場合は、Googleサーチコンソール をチェックしてください。サーチコンソールの「検索パフォーマンス>平均掲載順位」からデータをエクスポートし、掲載順位の数値が11以上のページを抽出します。
< サーチコンソールに表示されるクリック数と平均掲載順位(赤枠参照)>
URLごとにどのようなキーワードで流入しているのかも、サーチコンソールで確認できます。 「検索パフォーマンス>新規ボタン>ページ…>フィルタタブに指定URLを入力>適用>クエリタブ」で、流入しているキーワードとクリック数、表示回数を確認できます。
< サーチコンソールで、URLごとに流入しているキーワードを確認できます。>
次に、想定検索数を確認します。先ほど抽出した平均掲載順位が11以上の数値を持つURLごとに、メインキーワードとするクエリの検索数を確認しましょう。検索数を調べる方法はいくつかありますが、Googleキーワードプランナーを使うほか、無料ツールなどで推定数を確認することもできます。
参考: Ahrefs日本語ブログ-8つの無料キーワード調査ツール(Googleキーワードプランナーにうんざりしている方へ )
メインキーワードでの検索順位と検索数を抽出したら、できるだけ多くの流入が見込める記事からリライトするように選定しましょう。たとえば、リライト候補となる記事が以下の2本あったとします。
・記事1-メインキーワードA:検索順位11 検索数300 ・記事2-メインキーワードB:検索順位20 検索数2000
リライトを行うことで順位が上がったとしても、流入につながらなければ意味がありません。そのため、この場合は「記事2-メインキーワードB」を優先し、より多くの流入が見込んでリライトすることが望ましいと言えるでしょう。
対象となる記事を選んだら、効果検証をする準備として現在の状態を確認します。特に見ておきたいのが、リライト前の「順位」と「検索流入」、そして「クリック数」です。
以下の方法で確認し、Googleスプレッドシートなどにまとめるか、Googleアナリティクスのメモ欄を使うなどして、リライト後の振り返りができるようにしておきましょう。
Googleサーチコンソールで調べます。左のサイドバー>検索パフォーマンス>ページ タブ>エクスポートでその時期の平均掲載順位データを取得できます。Ahrefsなど外部ツールを利用している場合、そちらで把握できた順位の数値を記載してもかまいません。
Googleサーチコンソールで調べます。平均掲載順位をエクスポートすれば併せて取得できるため、20~11位のクリック数のみを調べましょう。
Googleアナリティクスで調べ ます。左のサイドバー>行動>サイトコンテンツ>ランディングページ>対象ページのURLを入力してフィルタの手順で、そのページの流入数を確認しましょう。指定期間は直近1ヶ月など、リライト前後を比較しやすい区切り方にしてください。
<Googleアナリティクスで、検索流入がどれぐらいあるかを確認。>
記事が上位表示できるかどうかは、「検索したユーザーの問題を解決しているかどうか」に集約されます。なぜ、ユーザーがそのキーワードで検索をしているのか、意図を考えることが重要です。
これは新規に記事を作成するときでも重要なことですが、リライトの場合は記事公開した当時求められていたことと、現在求められていることの間にギャップが無いか確認することを意識してください。
また、記事を公開した当時は理解しきれなかった検索意図や、盛り込めなかった内容の有無を振り返ることで、これまでよりも高い品質の記事に仕上げることが期待できます。
まずは、メインキーワードで現在の検索結果を確認しましょう。なるべく検索結果を中立にするため、パーソナライズド検索 は無効化してください。そこで現在上位表示している記事はどのようなものか、過去に公開した記事には何が足りないのかを調べます。
さまざまなタイプの記事で共通しやすい、振り返っておきたい項目をまとめました。これらの情報と共に、競合記事(次項で解説)を上回る内容を盛り込んでリライトしましょう。
また、リライトをするときはメインキーワードだけではなく、関連する検索キーワードも改めてチェックしてください。キーワードによっては、記事を作ったときと現在で違う組み合わせが発生することもあるためです。
たとえば「iPhone」と検索する場合、新しいモデルが発売されることによって組み合わせキーワードが変動します(iPhone “8”、iPhone “X “など)。記事を公開したときと現在で、関連検索はどう変化したのか知っておくことで、より網羅的な記事にアップデートすることが期待できます。
<例: サジェスト検索のイメージ。数年後は違う関連キーワードになるかもしれません。>
次に、現在上位表示している記事の中身を詳しくチェックしましょう。なぜ競合の記事が上位表示されるのか、ここでも詳しく調べます。
上位の競合記事は、「3.そのキーワードの検索意図を調べる」の項目で挙げた検索意図が盛り込まれているものが多いはずです。どのようにして、現在検索しているユーザーの課題を解決しているか、それを上回る内容にするには、どうすれば良いかを考えてください。
ここでは架空の記事を例に、リライトするときに比較するポイントを見てみましょう。 たとえば、「iPhone11が故障しているかも、と思ったときにやるべきこと」を記事にしたとします。この記事のメインキーワードは「iPhone11 故障」としてリライトをしてみましょう。
まず、自分が作成した記事の構成が以下だったとします。
・故障の原因(iPhone11を落とし、故障した場合について解説) ・故障の直し方(業者に依頼して直すと解説)
この記事では、iPhone11が故障する原因と、直し方について1つずつ解説する記事とします。
次に、現在「iPhone11 故障」で上位表示している記事が以下の構成だったとしましょう。赤字は上位記事が持つ要素です。
この場合、上位記事はiPhone11が故障した場合の直し方について、「業者に頼む」「自分で直す」と複数の選択肢があると説明しています。さらに、故障しにくくする方法についても触れることで、検索ユーザーの悩みを一連の流れでとらえて解決できる構成です。
このように、自分が作った記事と上位表示している記事を見比べ、何が足りていないのか、どうすれば自分の記事を検索意図に沿ったものにできるか、仮説を立てて考えてみましょう。
先ほどの「リライトをする際にチェックしたい項目」リストを参考にしつつ、自分の記事と上位表示している記事とで見出しや要素を書き出して見ると比較や整理がしやすいはずです。
検索意図が現在と過去でどう変わったか、競合記事と自分の記事はどう違うのかを整理したら、それを上回る品質の記事にリライトしましょう。外注する場合、リライトして欲しいポイントをまとめ、漏れが無いようにチェックリストを作るなどして共有してください。
例に挙げた「iPhone11 故障」記事の場合、以下のように構成や情報量を追加することが考えられます。赤字の部分がリライトで追加した箇所となります。
注意しなければならないのが、上位記事と同じような書き方や内容にしてはいけません。剽窃・盗用とならないよう、まだ上位記事に書かれていないような独自の追加情報を盛り込んで、リライトしてください。
このように要素を追加したり内容を変更したりすることで、上位記事を上回る形で検索ユーザーの検索意図になるべく近づけていくことが期待できます。この方法は別のテーマにも応用できますので、「その記事に何が足りないのか」を調べるクセをつけてみてください。
テーマによってどのような情報が求められるかは異なりますが、「最新であること」「検索意図に沿っていること」「検索ユーザーが読んで理解できる書き方」「他の記事にない独自性」の4点は、どのリライトでも意識すべきポイントです。
記事のリライトが完了したら、記述も確認しましょう。ブログやオウンドメディアを運用し始めたばかりの記事など、SEOの知識が薄い状態で制作した記事は適切な記述ではないこともあるためです。
記事の中身をリライトするのと同様に、記事の構造そのものを修正することも意識してください。 主に見直したいのは、以下の項目です。
新しく公開する記事も、これらをクリアしているか確認しながら公開しましょう。
関連記事: オウンドメディアのSEO対策ガイド~16のチェックリスト付き~
リライトし終えた記事は、結果の振り返りも重要です。特に企業でブログやオウンドメディアを運用している場合、結果を共有してこのままリライトを進めるかどうか決める必要があります。
参考にする指標は、「2.リライトする記事の現状をチェック」の項目で解説した順位、クリック数、検索流入数です。運営方針によっては滞在時間も、その記事がしっかり読まれているかを知るために必要な指標となるでしょう。
リライトしてから1ヶ月後、2ヶ月後…と、期間を区切ってレポーティングできるようにすると、実際に効果があったのか確認しやすくなります。
できれば振り返りをする前に行っていただきたいのが、「リライトした記事グループ」を作っておくこと。スプレッドシートなどでリストを作る、リライトしたページURLをまとめたGoogleアナリティクス用フィルタを作るなどしておくと、手間をかけずに結果を確認できます。
また、外部ツールでAhrefsのランクトラッカー という機能を使う方法もあります。こちらはサイトのドメインとメインキーワードを登録し、対象キーワードでどのページが上位表示されているかを確認できるものです。キーワード登録時にタグ付けができるため、「リライト対象のキーワード」とタグ付けをしておけば、リライトしたページが狙い通りのキーワードで上位表示しているかも確認できます。 <A hrefsのランクトラッカー機能のイメージ。>
ブログをリライトするときは、取り掛かる前の準備や調査が重要です。現在の状況を確認し、検索ユーザーの意図や競合記事の中身を把握しましょう。また、記事の中身だけでなくSEOとして適切な記述の確認、リライトした後の結果を追うことも、リライト作業の一環に含めて考えるようにしてください。
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