Twitterにおけるインフルエンサーマーケティングの活用事例と可能性
Twitter版Clubhouse「Spaces(スペース)」の機能と利用方法、企業活用の可能性まで
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公開日:2021年07月07日
最終更新日:2024年12月20日
今年のはじめに、Clubhouse(クラブハウス)やりたさに、AndroidからiPhoneに変えた @baku_1983 です。(ちなみにいまはClubhouseをまったくやっていません。)
Twitterでは、Clubhouseによく似たリアルタイムの音声機能「Spaces(スペース)」が2021年2月に試験導入、5月に正式リリースされ、私のTwitterアカウントでも使えるようになったので、この機能についてまとめてみました。
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目次
Spacesとは
Spacesは日本では「スペース」と読みます。Twitter上で音声を使ってリアルタイムで会話をする新しい機能です。2021年1月にリリースされた音声SNSアプリ「Clubhouse」は、有名人がこぞってアカウントを開設し、Twitterのトレンドにも掲載されるほど話題になりましたが、そのClubhouseのTwitter版と言っても過言ではないでしょう。
Spaces導入の背景
Twitter社は今年の2月に2023年までに売上を倍増させる計画を発表しました。この計画の肝になっているのが、開発スピードの向上です。2020年末から2021年にかけてTwitter社は、Spacesのリリースだけではなく、Twitter版ストーリーズと言われる「Fleet(フリート)」機能の追加、公式マーク申請の再開、さらに投げ銭機能「Tip Jar」やサブスク機能「Super Follow」を今後実装予定など、機能の追加・更新を積極的に行っており、2021年はTwitter社にとって転機の年となりそうです。
Spacesの機能
それではSpacesの機能についてみていきましょう。
ユーザー区分
ユーザー区分は以下の3つで構成されています。
- ホスト:Spaces作成者のこと。
- スピーカー:ホストに招待または承認され、Spaces内で発言権を持っているユーザーのこと。
- リスナー: Spaces内で、発言はできないが、ホストやスピーカーの話を聞くことができるユーザーのこと。絵文字でのリアクションは可能。
特徴
- 最大10人のスピーカーを追加可能(ホストを含めると11人の参加が可能)
- Spaces開催中は、ホームタイムライン上部のFleetタイムラインのホストのプロフィール画像の枠が紫色で表示される
- 14日前からSpacesを予約設定しておくことも可能
- ホストはDMを送信したり、Spacesのリンクをツイートしたりすることで招待できる
- Spacesを開始・終了できる(ホストになれる)のは公開アカウントのみ
- Twitter上のどのアカウントでもリスナーとして参加することは可能
Clubhouseとの違い
Clubhouse | Spaeces | |
---|---|---|
参加条件 | 招待制 | 参加自体は全Twitterユーザー可 |
公開範囲 | ・ユーザーすべて ・フォローしているユーザーのみ ・指定したユーザーのみ のいずれかを選択 | 原則、ユーザーすべて |
録音 | 禁止 | 禁止されていない |
音声データ | ダウンロード出来ない | ダウンロードできる(30日間) |
ユーザーのリアクション | 出来ない | 絵文字を送信できる |
発言可能な人数 | 11人 | 不明 |
参加可能な人数 | 制限なし | 5000人 |
<参照>
Spacesの利用条件
当初、Spacesをホストとして作成できるのはフォロワー600人以上のアカウントのみと言われていましたが、私の周りではフォロワー600人を超えていてもSpacesを使えない人や、逆にフォロワー600人に達していなくてもSpacesを利用できる人もいました。結論、現時点ではベータ版のため、Twitter社が設定した優先順位に則って機能が付与されているようです。
実際に私のアカウントも、まだフォロワー数が少ないですが、最近Spacesを使えるようになりました。もしかしたら、全員に機能がリリースされる日が近いのかもしれませんね。
Spacesが利用できないアカウントは、以下の専用フォームから利用申請を行うことができます。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdoZyVLZHP25M0U-aepkmOXTlhtY_qIa1YFZv-vhNCYjtF7wQ/viewform
英語での表記ですが、入力する情報はシンプルなので、まだSpacesが使えない、早く使いたいという方は試してみてください。
Spaces利用の際の注意点
通信環境にもよるとは思いますが、弊社内でテストしたところ音声に数秒程度の遅延がありました。(2021年7月4日時点)
また、非公開アカウントではSpacesにリスナーとして参加できますが、ホストとして作成することはできません。
Spacesは10個のスケジュールが同時調整可能に(2022年8月9日追記)
WE HEARD YOU WANT TO SCHEDULE MORE THAN ONE SPACE AT A TIME SO WE JUST ROLLED IT OUT AND NOW EVERYONE CAN SCHEDULE 10 SPACES UP TO 30 DAYS IN ADVANCE pic.twitter.com/oghOu3FPT1
— Spaces (@TwitterSpaces) September 7, 2022
・最大30日以内のスペースの配信予定を10個作成可能になった
・10個スケジューリングできるため計画的にツイート告知しやすくなった
→スペースの利用が快適になった
↑これは2022年9月8日にTwitterのスペース公式アカウントで投稿された内容です。
このツイート内容を翻訳すると「一度に複数のスペースをスケジュールしたいという声がありましたので、ロールアウトしたところ、今では誰もが最大30日前までに10のスペースをスケジュールできるようになりました。」となります。
今回の機能改善によってこれまで以上にTwitterスペースが利用しやすくなったと言えるでしょう。
Spacesの使い方
そもそも、自分がSpacesを使えるか、使えないかをどのように確認すればいいのでしょうか。Spaces機能が付与されても通知が来るわけではないようなので、下記の手順に沿ってSpacesを作成できるか確認することが一番確実です。
Spacesの作成方法(ホスト)
現時点、Spacesはスマホからしか作成できません。
①まずはTwitterアプリを立ち上げます。
②右下にある投稿ボタンを長押しします。
③3つのアイコンが表示されるので、左下のダイヤモンド型のアイコンをクリックします。(このアイコンが表示されるアカウントがSpacesを使えるアカウントです。)
④Spacesの名前を入力して、マイクとキャプションを設定し、「スペースを開始」を選択します。
詳細の設定
発言できる参加者の範囲を以下から設定できます。
- 全員
- フォローしているアカウント
- スピーカーとして招待したアカウントのみ(デフォルト)
また、Spaces内の会話のキャプション(字幕)の表示・非表示を設定できます。現在は日本語にも対応しています。
さらに、 効果音のオン・オフを設定します。
詳細の設定が終了したら、スピーカーを招待しましょう。「スピーカーを追加」を選択し、アカウントを検索して追加したいユーザーを招待します。また、Spaces内のリスナーのプロフィール画像をタップしてスピーカーの招待を送ることもできます。ホストはスピーカーを削除することも可能です。
Spacesの参加方法(スピーカー・リスナー)
ホストからDMでSpacesへの招待を受け取ったユーザーは、参加を承認するかどうか、スピーカーもしくはリスナーのどちらで参加するかを選択できます。
招待されていないユーザーがリスナーとして参加するには、タイムライン上部のFleetのタイムラインから、ホストのプロフィール画像をタップするか、ホストのSpaces告知ツイートから参加します。Spacesが開催されている間、Fleetタイムライン上のホストのプロフィール画像の枠は紫色で表示されます。
リスナーは、左下の「リクエスト」ボタンをタップして、スピーカーへの変更をホストに依頼できます。ホストから承認されるとスピーカーとして発言できるようになります。
Spacesを使っている企業アカウントを調べてみた
結論、企業アカウントとしてSpacesを上手く活用できている事例はまだまだ少ないようですが、Twitterマーケティングの公式サイトではいくつかの海外での事例が紹介されています。
例えば、映画『ワイルド・スピード』最新作の予告が公開された際、シリーズの総称である「ファスト・サーガ」のアカウント(@TheFastSaga)は監督のジャスティン・リン(@justinlin)と出演者によるSpacesを開催しました。ファンからの質問にリアルタイムで答えるなど、直接繋がることでファンを楽しませ、作品への期待感をさらに高める結果となりました。
The new trailer is out and we know you have questions for @JustinLin and the cast including @VinDiesel, @MRodOfficial, @Ludacris, and @MissEmmanuel. Join them for a Twitter Spaces conversation at 9AM PT. Ask your questions here for a chance to get them answered when we go live! https://t.co/8w7VZ8rRQf
— #F9 (@TheFastSaga) April 14, 2021
また日本でも、Twitterニュース(@TwitterNewsJP)のアカウントでは、世界報道自由デーに合わせてSpacesでのイベントを開催しました。全国各地のメディアの記者を集め、地域のジャーナリズムについてトークセッションを行いました。
5月3日は #世界報道自由デー。これにちなんで #Spaces にてトークセッションを開催します。明日2日は地域の課題に取り組む記者の皆さんをお呼びして、地域メディアや記者の役割について語り合います。5月2日午後8時からです。Twitterスペースでお会いしましょう!参加してくださるのは?の皆さんです。 pic.twitter.com/Lk9WchjN4F
— Twitter ニュース (@TwitterNewsJP) May 1, 2021
事例があまり見られない理由として、現時点ではSpacesにアーカイブ機能がないため探しにくいという点もありますが、企業アカウントでは運用者の素性を出さずに運用しているケースも多いため、音声でのコミュニケーションはハードルが高いのかもしれません。
一方、所属している企業名を掲げて実名で活躍されていたり、フリーランスでビジネスを行っていたりする個人のアカウントでは、Spacesを活用した座談会を行っているのをいくつか確認できました。
#飲食店ツイサポ
飲食業関係者集まれ〜?✨3/13(土)22:30〜
固定客がつく飲食店アカウント
今回はTwitterの新機能[space]利用‼️clubhouseで話したようなお話を
SNS運用のプロ集団がお届けします
spaceでの開催初だな?✨ pic.twitter.com/mADogtT8Uy— みねおか@ツイ廃を仕事にした人 (@mineoka) March 12, 2021
今後、フォロワー数に関わらずSpacesを利用できるアカウントがさらに増えていけば、企業とそのファンが気軽にコミュニケーションを取ることのできる場として、Spaces活用の場はさらに広がっていきそうです。
企業アカウントのSpaces活用の可能性
企業アカウントのSpaces活用は、今後さまざまな形で広がっていくと考えられます。考えられる活用方法をいくつかまとめてみました。
ラジオ風の企業公式発信
企業の音声版のプレスリリースという形で決算説明会や新商品・サービス説明会を行うことができます。企業の代表やプロモーションで起用している芸能人・インフルエンサーなど、その企業の「顔」となる人にスピーカーとなってもらうと良いでしょう。絵文字などリアルタイムでリスナーから反応を求めることができるため、ファンとのつながりをさらに強められます。
採用目的での会社説明会
SNSを活用して就職・転職の情報収集を行っている人は多く、特にTwitterでは就活専門アカウントを作成して積極的に情報収集・発信をする感度の高いユーザーも多く見られます。Spacesを利用して会社説明会を行うことで、音声のみというSpacesの特性から「会社説明会」特有の堅苦しさも緩和され、気軽に会社の情報を知ってもらえるでしょう。また、少人数で開催し就活生側にもスピーカーとして参加してもらうことで、その場で質疑応答するなど双方向でのコミュニケーションも可能です。
ファンとの座談会形式のイベント
Spacesでは、ホストと複数人のスピーカーがトークできるだけでなく、リスナーも絵文字で反応したり、ホストが共有したSpacesのツイートに返信する形やハッシュタグで投稿する形でコメントしたりすることが可能です。数万規模のフォロワーを抱える企業Twitterアカウントであれば、フォロワーからの多くの反応が期待できます。特に、新商品の発売や期間限定のキャンペーンなどに合わせてSpacesでのイベントを開催し、ユーザーを巻き込むことで、話題性を高めることにも繋がります。
Ticketed Spacesを活用した有料イベント
今後、Twitterが予定している新機能として「Ticketed Spaces」というものがあります。Ticketed Spacesでは、チケットを購入しなければSpacesに参加にすることができません。
この機能が公開されれば、Spacesを開催することで収益化を図ることもできますし、よりファン度の高いユーザーを囲いこむこともできます。また、アーティストや芸能人とのコラボレーションにより、限定空間のみで公開するインセンティブの高い企画を立てることもできます。
今後もし、Ticketed Spacesがお金だけではなく、購入した商品のバーコードなどの企業独自のチケットを設定できるようになると、マストバイキャンペーンとしても活用されるようになるのではないでしょうか。
Spacesの今後に期待
Spacesでは企業としてのリアルタイムの発信の場となるため、炎上に繋がるような不適切な発言をしないよう注意しつつ、ユーザーのロイヤリティ向上や企業のブランディングに繋げていきましょう。Spacesの今後に期待大です。
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大和田 雄大
ITコンサルタントとして100社以上のサーバ・ネットワーク構築、システム開発、サイト制作を経て、株式会社フルスピードにてソーシャルメディア専門部署の立ち上げに参画。現在はソーシャルメディアマーケティング事業部のコミュニケーションデザイン部、エンゲージメントマーケティング部の責任者を兼任。プライベートでは男児3人の子育てに奮闘中。
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