公開日:2021年03月16日
最終更新日:2022年04月20日
世代を問わず幅広い属性のユーザーにアプローチできるLINEは、多くの企業のマーケティングにも活用されており、LINE公式アカウントの運用や、LINEのプラットフォームを利用した広告配信が行われています。
本記事では、これからLINE広告を始めようとしているマーケティング担当者様向けに、LINE広告のターゲティングの特徴と種類をご紹介します。
LINE広告を始める際の詳しい設定ガイドはこちらの記事をご確認ください。
目次
LINE広告は、LINEのトーク画面上部やタイムライン、LINEのファミリーサービスであるLINEマンガやLINE NEWSなどに広告を配信する運用型広告のプラットフォームです。
以前は「LINE Ads Platform」というサービス名でしたが、2020年1月から「LINE広告」というサービス名に変わりました。(参照:LINE for Businessお知らせ『一部サービス名称の廃止・変更について』)
LINEは日本国内でコミュニケーションツールとして普及しており、月間アクティブユーザー数は9,000万人(2022年4月時点)となっています。 関連記事:SNSの利用者数とユーザー属性や特徴まとめ
また、15~69歳のスマートフォンユーザーを対象にしたマクロミル社の調査によると、普段利用しているSNSとしてLINEを挙げたユーザーは83.4%、その中でも「LINEのみ」と答えたユーザーは41.6%にも上りました。LINE広告を利用することで、他のSNSではアプローチできないユーザーにも自社の情報を届けることが可能です。
画像引用:LINE for Business媒体資料『LINE Business Guide 2022年1月-6月期』 調査機関:マクロミル社・インターネット調査(2022年2月実施/全国15~69歳のスマートフォンユーザーを対象 サンプル数20,000)
LINE広告のターゲティングでは、年齢や性別、地域、興味関心、行動履歴など、さまざまな属性を指定することができます。また、ウェブトラフィックデータや電話番号などのユーザー情報をアップロードして配信することも可能です。商品やサービスを購入してくれる見込みの高いユーザーの属性や行動を想像してターゲットを絞り込むことで、ターゲティング精度が高まり、広告の費用対効果も高まります。
ターゲティングは、広告グループの作成時に「ターゲット設定」の項目で設定します。
参照:LINE for Businessコラム『【公式】LINE広告のアカウント開設から配信までの手順|オンラインでの設定方法』
LINE広告のターゲティングには、大きく「LINEターゲティング配信」「オーディエンス配信」の2つがあり、そのほかいくつかの配信機能もあります。
年齢、性別、地域、興味関心などのユーザーの基本属性を指定して配信します。ここで利用されるデータは、LINEファミリーサービス上でユーザーが登録した年齢や地域などの情報や、スタンプ購入履歴などの行動データをもとに分析・作成された「みなし属性」です。
参照:LINE Business Guide 2022年1月-6月期
都道府県・市区町村単位または半径レベルで地域の選択ができます。
<配信対象>
<指定方法>
参照:LINE for Businessコラム『「LINEデモグラフィックデータ配信」がアップデート|特定地域の半径レベルでターゲティングが可能に!』
すべて/男性/女性 から選択できます。
以下のように、14歳以下から65歳以上まで5歳ごとに切り分けたセグメントから選択できます。
以下の18種類のカテゴリから指定できます。また、自動車については車種も9種類から選択して指定配信することができます。
また、β版として以下のカテゴリも指定することができます。
以下の8つの項目を指定できます。
以下の6つの項目を指定できます。
参照:LINE for Businessマニュアル『オーディエンスセグメントを利用して配信する』
自社で保有しているカスタマーデータをアップロードし、対象のユーザーに広告を配信したり配信ターゲットから除外したりします。
広告配信の成果やサイト訪問数などを測定することのできる「LINE Tag」のトラッキング情報をもとに、特定のWebサイトにアクセスしたことのあるユーザーのオーディエンスを作成します。また、Webサイト内で購入などのイベントに基づいたオーディエンスを作成することも可能です。
ECサイトに一度アクセスしたにもかかわらず商品購入に至らなかったユーザーに対して、購入を促すために広告を配信する場合などに活用することができます。
アプリ内で特定のアクションを起こしたユーザーのオーディエンスを作成します。イベントは「オープン」「インストール」「ホーム閲覧」「カテゴリ閲覧」「商品閲覧」「検索」「カート追加」「購入」「レベル達成」「チュートリアル完了」「カスタム」の11種類から設定できます。
アプリをインストールしたユーザーに対して、キャンペーンのお知らせを広告として配信する際などに活用することができます。
自社で保有しているIDFA/AAIDデータをもとにオーディエンスを作成します。IDFA/AAIDデータとは広告ID(広告識別子)のことで、OSがインストールされたデバイスごとに付与される固有のIDです。
Apple社のiOS端末に用いられるのが「IDFA(Identifier For Advertising)」、Google社のAndroidOS端末に用いられるのは「AAID(Google Advertising ID)」です。
自社で保有している顧客の電話番号をもとにオーディエンスを作成します。既存顧客のターゲティングとなるため、新商品情報の配信などに利用すると効果的です。
自社で保有している顧客のメールアドレスをもとにオーディエンスを作成します。こちらも既存顧客へ向けたプロモーションを行う際に有効です。
自社のLINE公式アカウントを追加している、またはブロックしているユーザーのオーディエンスを作成します。LINE広告だからこそ作成できる特徴的なオーディエンスです。
既に自社のことを知っているLINE公式アカウントの友だちに向けて配信することで、購入意欲をさらに高めたり、友だちの類似オーディエンスに配信することで潜在層への認知を広げたりすることが期待できます。
「オーディエンス配信」で作成した任意のソースオーディエンスに類似したユーザーをLINE内で探し、新たにオーディエンスを作成します。
オーディエンスサイズは、自動もしくは1~15%で選択できます。類似性が高いほどユーザーがアクションを起こす可能性は高まりますが、オーディエンスサイズは小さくなるので注意が必要です。
過去に配信した動画広告から特定の動画素材を選択し、その視聴ユーザーのオーディエンスを作成します。視聴3秒、25%、50%、75%、95%、視聴完了の中から再生率を指定できます。
動画広告はスキップされることも多いため、動画広告を長く視聴しているユーザーはその商品に対する関心が高いと考えられます。動画広告の視聴時間が長かったユーザーに対してさらに広告を配信するなどすると効果が高まるでしょう。
任意のキャンペーン内の画像をクリックしたユーザーのオーディエンスを作成します。1〜180日で有効期限を設定できます。
商品への興味関心が高く、もっと情報を知りたいと考えているユーザーだと仮定できるので、さらに詳しい情報を広告として配信してみるとよいでしょう。
参照:LINE for Businessマニュアル『オーディエンスを使って配信する』
LINE広告にはターゲティングの他にもさまざまな配信機能があり、目的に応じて適したターゲットに広告を配信することができます。
参照:LINE for Businessコラム『【公式】LINE広告とは丨ターゲティング、配信面、費用、事例のまとめ』
LINE公式アカウントの友だちを増やすための広告商品です。LINE VOOM、LINE NEWS、トークリストに掲載されます。ユーザーが広告をタップすると友だち追加を促すポップアップが表示され、スムーズに友だち追加をすることができます。
Webサイト上でのユーザーの商品閲覧履歴をもとに、関連性の高い商品を広告として表示します。1広告に最大20枚の画像を設定でき、それぞれに個別の遷移先を設定できます。
配信面は、LINE VOOM、LINE NEWS、LINEマンガ、LINE BLOG、LINEポイント、LINEショッピング、ウォレット、LINEチラシです。
アプリをインストールしたにも関わらず利用していない休眠ユーザーに対して広告を配信します。ユーザー個々の過去のアクションに応じてターゲティングができるのが特徴です。設定できるアクションは「オープン」「インストール」「ホーム閲覧」「カテゴリ閲覧」「商品閲覧」「検索」「カート追加」「購入」「レベル達成」「チュートリアル完了」「カスタム」の11種類です。
一度商品を購入したことのあるユーザーに新商品情報を配信したり、商品をカートに入れたまま購入しなかったユーザーにセール情報を配信したりすると効果的です。
機械学習により、広告入札のオークションを自動的に最適化します。目標値と配信結果をもとに自動で入札調整するので、工数をかけずにPDCAを回していくことができます。「ウェブサイトへのクリック」「コンバージョン」「アプリのインストール」「アプリのエンゲージメント」「友だち追加」「動画の再生」の6つのイベントから選択できます。
予約型広告は、配信面や期間などの出稿内容を事前に定めた広告で、配信後に変更することはできません。
フリークエンシー(表示回数)と配信期間を指定し、月に1回以上上LINE VOOM上の広告に接触している4,900万人のユーザーに優先的に配信する「リーチ&フリークエンシー」は、タイムライン上の広告と接触頻度の高いユーザーに絞って配信するので、短期間で多くのユーザーに、効率的にリーチできることが特徴です。
また、ブランドリフトサーベイにより広告接触の有無でユーザーを抽出してブランドリフト調査を行うことができます。広告効果を可視化し、マーケティング施策への活用が可能です。
配信面は、広告グループの作成時に「広告の配信」の項目で設定します。「自動配置」または「配信先を編集」を選択し、配信先を編集する場合はLINE/LINE広告ネットワークのインフィード面/LINE広告ネットワークのリワード面から指定することができます。
以下で12種類の配信面を紹介します。ただし、これらの配信面を個々に指定することはできません。
LINEアプリのトークリスト最上部は、LINEアプリ上で最もユーザーのアクティブ率が高いことが特徴です。
2020年1月から、このトークリスト最上部に動画広告を配信できる「Talk Head View」というサービスが開始されました。1日1社限定で配信可能で、1日に5,000万以上のユニークユーザーにリーチできると言われています。
LINE NEWSはLINEアプリ内のニュースタブから利用できるニュースサービスで、 月間アクティブユーザー数7,500万人以上(2020年4月時点)、月間PV数175億(2020年7月末時点)を誇ります。LINE NEWSの記事一覧ページや340を超える提携メディアの記事一覧ページに広告を配信することができます。
LINE VOOM(旧タイムライン)の月間アクティブユーザー数は6,800万人以上(2019年8月時点)で、そのうち4,900万人以上が月に1回以上LINE VOOM上の広告に接触しています。幅広い世代のユーザーへのリーチが期待できます。 自社のLINE公式アカウントのブロック状況に関わらず、LINE VOOMを利用する全てのユーザーに広告を表示します。
ウォレットはLINEアプリ内のウォレットタブから利用できるサービスで、月間5,200万以上(2020年9月時点)のユーザーに利用されています。
キャッシュレス決済サービスの「LINE Pay」を中心に、ポイントカードを一括管理するマイカード、LINE上のポイントサービスであるLINEポイントなどの機能がまとまっており、LINE上でお金の管理を一元化できるサービスです。
LINEマンガは、スマートフォン向け電子コミックサービスです。2013年4月にサービスが開始し、日本国内におけるLINEマンガのアプリダウンロード数は累計3,000万(2020年8月時点)となりました。特に20代の若い世代に多く利用されています。
LINE BLOGでは、アーティスト、タレント、アイドル、スポーツなどさまざまなジャンルのがブログを開設し、ファンとのコミュニケーションの場として利用されています。2016年11月から一般のユーザーもブログを開設できるようになりました。2014年11月のサービス開始からこれまでに2,500組以上(2019年8月時点)のブログが開設されています 。
ユーザーは20代~40代以上までと幅広く、男女比率は3:7で女性の方が多いです。
LINEポイントは「動画視聴」「会員登録」「友だち追加」など指定されたアクションを完了させることでポイントが付与され、ゲームアイテムやLINEスタンプと交換できるサービスです。月間2.8億PV(2020年6月~8月平均値)と国内でも最大級のリーチ力を持っています。
ユーザーは約8割が女性で、年齢層は40代~50代が半数以上を占めています。そのため、他のSNSではリーチしにくい年齢層が高めのユーザーにも広告を見てもらえる可能性が高いです。
LINEショッピングは、LINEアプリ上から買い物ができるサービスで、約300社・3億点を超える商品が揃えられています。 20代後半~40代前半の女性ユーザーに多く利用されており、現在の会員登録数は3,500万人(2020年9月時点)です。
LINEチラシはLINEアプリ内のウォレットタブからアクセスできるデジタルチラシサービスです。40代以上の女性のユーザーが半数以上を占めています。
ユーザーごとに近隣店舗のチラシやレコメンド商品が掲載されるのが特徴です。チラシは商品の購入を検討している場合に閲覧されることが多いため、購買意欲の高いユーザーに広告を見てもらうことが可能です。
LINEクーポンは、飲食店やコンビニ、ドラッグストアなど全国約50,000店舗(2020年9月時点)のクーポンをLINEアプリ内のウォレットタブや「LINEクーポン」のLINE公式アカウントから閲覧・利用できるサービスです。
ユーザーは40代以上の女性が多く、普段からショッピングやセール情報に関心の高いユーザー層にアプローチできます。
LINEマイカードは、お店のポイントカードなどをLINEアプリで一括管理できるサービスで、「ウォレット」タブや「LINEマイカード」のLINE公式アカウントから利用できます。登録ユーザー層は女性が約6割、男性が約4割となっており、生活情報への感度が高いユーザーにリーチできます。
LINE広告ネットワークは、LINEファミリーアプリや3rd party アプリへLINE広告を配信できるモバイルアドネットワークです。配信先アプリは料理、マンガ、ライフスタイル、ビジネスなどジャンルが幅広く、月間アクティブユーザー数は1.1億人(2020年9月時点)と大規模なリーチを獲得できます。
参照:LINE for Businessコラム『【公式】LINE広告とは丨ターゲティング、配信面、費用、事例のまとめ』 参照:LINE Business Guide 2022年1月-6月期 参照:LINE for Businessサービス一覧『LINEクーポン』 参照:LINE for Businessサービス一覧『LINEマイカード』
LINEでは現在、各プロダクトのデータをオンライン・オフライン関係なく横断して活用する「クロスプラットフォーム構想」というプロジェクトが進められています。その取り組みの一つとして、2020年1月から「クロスターゲティング」という機能が利用できるようになり、LINE公式アカウントやLINEポイントADなど各サービスのデータをLINE広告の配信に利用できるようになりました。
ここからはクロスターゲティングについて詳しくご紹介します。
クロスターゲティングとは、LINE公式アカウント、LINE広告、LINEで応募のそれぞれのデータを連携し、各プロダクトを横断して配信できる機能です。
参照:LINE for Businessコラム『データの横断的活用で、LINE広告のターゲティング精度を高める「クロスターゲティング」』
例えば、LINE公式アカウントでメッセージとして配信したキャンペーン情報を閲覧したユーザーからオーディエンスを作成した場合、リターゲティングして商品購入に繋げる、除外して未接触のユーザーへと認知を広げる、といった利用ができます。
これまではLINE公式アカウントのデータをLINE広告に利用することのみ可能でしたが、2021年1月からは、逆にLINE広告のデータをLINE公式アカウントで利用することも可能になりました。
LINE公式アカウントでは以下のタイプのオーディエンスを作成することができます。作成したオーディエンスはそのLINE公式アカウントに紐づくすべての広告アカウントで共有されます。
参照:LINE for Businessマニュアル『オーディエンス』
LINE公式アカウント、LINEポイントAD、Talk Head Viewで取得したデータをLINE広告に共有し、広告配信に利用できます。共有されたデータに基づく類似拡張、リターゲティング、除外配信が可能です。
<活用方法>
LINE広告、LINEポイントADで取得したデータをLINE公式アカウントに共有し、メッセージ配信に利用できます。共有されたデータを基にした指定配信と除外配信が可能です。
クロスターゲティングを設定するには、「LINE Official Account Manager」にログインし、LINE公式アカウントの管理画面でオーディエンスの共有設定をONにします。
この設定により、LINE公式アカウントの管理画面上で作成したオーディエンスをLINE広告でも利用できるようになります。
LINE広告の管理画面からオーディエンスを確認するには、「LINE Ad Manager」にログインし、「共有ライブラリ」から「オーディエンス」を選択します。ここに、共有されたオーディエンスデータや推定サイズ、データが無効になる日などが表示されます。
国内のSNSの中でも最もユーザー数が多いLINE広告は、他のSNS広告ではアプローチできないような属性のユーザーにもアプローチできる可能性が高いです。アカウントの「友だち」に基づくLINE広告独自のターゲティングもあるので、上手く活用して効率的にターゲットへ広告を配信しましょう。
LINEを活用したマーケティングでは、広告配信だけでなく公式アカウントの運用も重要です。初期設定方法や友だちを増やすための施策、メッセージ配信やリッチメニュー作成のコツまで、こちらで詳しくご紹介していますのでご確認ください。 ~これからのLINE公式アカウント運用のポイント~
松崎 明日香
マーケティング部
2020年に新卒入社後、オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティングを中心に、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務に幅広く携わる。お問い合わせ数・売上アップを目標に日々奮闘中。趣味は喫茶店・カレー屋巡り。
【業界別】企業のLINE公式アカウントの運用事例と活用方法まとめ
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