LINE広告とは?基礎知識から運用のコツまで徹底解説
LINE広告の費用の目安は?料金決定の仕組みから予算設定のコツまで
- LINE
- SNS広告
公開日:2021年03月22日
最終更新日:2024年06月02日
本記事では、少額からでも始められるLINE広告で最大限の効果が得られるよう、費用の決定方法や予算設定のポイントを詳しく解説します。
LINEの国内月間アクティブユーザー数は9,200万人(2022年8月時点)となっており、マーケティングに活用することで幅広い年代・属性のユーザーにリーチできます。中でも2016年から開始されたLINEの運用型広告は、企業のマーケティングを非常にサポートしてくれます。以前は「LINE Ads Platform」というサービス名でしたが、2020年1月に「LINE広告」という名称に変更されました。
LINE広告の基礎知識はこちらの記事で解説していますので、まずはLINE広告の概要を知りたい、という初心者の方はぜひご確認ください。
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目次
LINE広告のアカウント構造
LINE広告を配信するにはまずLINE公式アカウントを開設する必要があります。
LINE公式アカウントの機能や作成方法、運用のコツまで徹底解説!企業のマーケティングに活用しよう
LINE広告は「グループ」「広告アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」「広告」「メディア」の6つの要素で構成されています。グループは1ユーザーあたり100個まで、広告アカウントは1グループあたり1,000個まで紐づけが可能です。
参照:LINE for Businessマニュアル『アカウント構造』
- グループ:複数の広告アカウントを1か所にまとめて管理します。主な設定項目は請求先情報ですが、請求先をグループで設定せず、広告アカウントごとに設定することも可能です。
- 広告アカウント:広告を配信したい商材ごとに広告アカウントを作成します。主に請求先情報や広告主情報、商材情報を登録します。
- キャンペーン:目的、掲載期間、キャンペーン上限予算(任意・月単位または全期間)を設定します。
- 広告グループ:ターゲットや配信先、入札方法、1日の予算を設定します。複数のターゲティングで配信したい場合は、ターゲティングごとに広告グループを作成しましょう。
【2021年最新】LINE広告のターゲティングの種類と配信面一覧 - 広告:実際にユーザーの目に触れるクリエイティブ部分を作成します。広告フォーマットを選択し、画像、タイトル、説明文、遷移先となるURLなどを設定します。
- メディア:メディアとは、実際に配信する広告の画像・動画・アプリのことで、広告作成の前に登録しておく必要があります。
キャンペーンの目的の種類
LINE広告の構成要素の一つである「キャンペーン」では広告配信の目的に応じた「キャンペーンの目的」を設定します。どの「キャンペーンの目的」を選択するかによって入札方法や課金方法が変わるので、広告を通してユーザーに起こしてもらいたいアクションを明確にしてから選択しましょう。
キャンペーンの目的は以下の6種類があります。
目的 | 内容 |
---|---|
ウェブサイトへのアクセス | ウェブサイトやLPへのアクセスの増加を目指します。 |
ウェブサイトコンバージョン | ウェブサイト内で、商品購入や資料請求、会員登録などのコンバージョン数を最大化させることを目指します。 |
アプリのインストール | アプリのインストールの増加を目指します。 |
アプリのエンゲージメント | アプリをインストールしているユーザーへ向けて、アプリの起動回数を増やすことを促します。 |
動画の再生 | 動画の再生数を最大化させることを目指します。 |
友だち追加 | LINE公式アカウントの友だち数を増やすことを目指します。LINE公式アカウントが認証済みの場合のみ選択可能です。 |
参照:LINE for Businessマニュアル『キャンペーンを作成する』
予算に関する設定はどこで行うか
LINE広告では、広告配信にどの程度の金額を支払う意思があるかを「予算」として広告主自身が設定できます。自由に金額を設定できますが、低予算すぎるとそもそも広告が表示されず成果に繋がらないため、入札方法と組み合わせながら最適な予算を設定しましょう。
LINE広告の6つの要素のうち、キャンペーン全体の上限予算は「キャンペーン」、日予算は「広告グループ」で設定します。
- キャンペーン予算
キャンペーン全体の上限予算を、1か月ごとの「月単位」または設定した掲載期間全体の「全期間」で任意で設定できます。管理画面の仕様上、上限予算が設定金額を超える場合がありますが、 請求時に調整されるので実質超過することはありません。また、キャンペーン終了後に課金が発生して予算が超過する場合もありますが、一度課金されて後ほどマイナス調整されます。 - 日予算
1日ごとの目安となる予算を1円以上1円単位で設定します。ここで設定する日予算は上限予算ではないため、超過して課金対象となる可能性があるので注意してください。その日の配信金額が予算の200%を超えた場合、200%までの金額は課金対象、200%を上回った分の金額は課金対象外となります。キャンペーンの上限予算を設定していれば、日予算が超過する日があってもキャンペーン全体として予算を超過することはないので、予算を超えたくない場合はキャンペーンの上限予算をしっかり設定しておきましょう。
参照:LINE for Businessマニュアル『キャンペーン予算について』
参照:LINE for Businessマニュアル『日予算について』
LINE広告の費用の決定方法
LINE広告の費用はどうやって決まる?
LINE広告では、サービスが開始した当初は「最低出稿額100万円」という条件があったようですが、2017年から最低予算設定額が撤廃され、少額からでも始められるようになりました。入札方法によって単価が異なるため、現在は全体的な最低出稿金額は定められていません。
LINE広告では、どの広告が表示されるかがオークションによって競われて決定します。
参照:LINE for Business『LINE広告運用ガイド』
ユーザーが広告枠に訪れると、同一広告グループ内で最もeCPM(1,000インプレッションあたりの⾦額)の高い広告が選ばれてオークションに進みます。オークションにて最も高いeCPMを提示した広告が勝者となり、ユーザーに表示されるという仕組みです。
このオークション時の入札方法や入札単価、課金方法などによって広告の費用が決まります。
ちなみに、LINE広告では「セカンドプライスオークション」というオークション方式が採用されています。オークションでは入札額の最も高い広告主が広告枠を勝ち取りますが、このとき、2番目に高かった入札額プラス1円の金額で広告を表示できるというものです。(参照:LINE for Business『運用型広告についての基本知識』)
課金方法について
LINE広告には主に「クリック課金タイプ(CPC)」と「インプレッション課金タイプ(CPM)」の2つの課金方法があります。キャンペーン作成時に設定したキャンペーンの目的ごとに、利用できる課金方法は異なります。
- クリック課金タイプ(CPC:Cost Per Click)
ユーザーが広告をクリックし、LPに遷移するなどアクションに繋がった場合に課金されます。広告が表示されただけでは課金されず、クリックしてくれるような関心の高いユーザーにアプローチできた場合のみ料金が発生することになります。ただしLINE広告では、CPCの場合は動画が配信できないので注意してください。 - インプレッション課金タイプ(CPM:Cost Per Mille)
ユーザーの画面上に広告枠が100%完全に表示された時に課金され、1,000回表示されるごとに料金が発生します。ただしLINE広告では、CPMの場合、動画のみで静止画は配信できません。インプレッション数が最大となるように調整されるため、効率良くリーチを拡大したい場合に効果的です。
また、LINE広告には「友だち追加広告」というLINEならではの広告も存在しますが、この場合の課金方式は「CPF」です。LINE公式アカウントが認証済みの場合のみ、キャンペーンの目的として「友だち追加」を選択でき、友だち追加広告を配信できます。
- CPF:Cost Per Friends
ユーザーがLINE公式アカウントの友だち追加、またはブロック解除を行った時に課金されます。LINE公式アカウント運用を通してファンを増やしたいと考えている場合などは、友だち獲得に特化して広告配信できるので効果的です。
参照:LINE for Businessコラム『【公式】LINE広告とは丨サービス概要・特長まとめ』
入札方法について
入札方法
入札方法には「自動入札」と「手動入札」があり、LINE広告では自動入札が推奨されています。
- 自動入札
設定した上限CPAもしくは上限CPCに基づいて、機械学習を使用してオークションごとに入札を最適化します。機械学習により自動調整されるので精度が高く、工数削減にも繋がるのがメリットです。機械学習の完了には配信期間よりもCV数が重視されており、1広告グループあたり⽉間40件以上のCV数を獲得する必要があります。
- 手動入札
設定したCPC単価またはCPM単価をもとに入札が行われます。配信状況や成果を確認しながら頻繁に調整する必要があり、知識・経験が必要です。配信量を確保しやすいため、初めて配信を開始する際などに効果的です。
入札戦略
自動入札で配信する場合、以下の3つの中から入札戦略を選択することができます。キャンペーンの目的、KPI数値、予算などに応じて最適な入札戦略を設定しましょう。
- イベント単価の上限を設定
目標のイベント単価内でイベント数を最大化させられるように入札単価が調整されます。目標のイベント単価が明確で、イベント単価と予算を守りイベント最大化を目指したい場合に効果的です。 - 入札額の上限を設定
設定した入札額の上限を超えないように入札単価が調整されます。「イベント単価の上限を設定」と比較すると、配信量が少ない一方イベント単価がより低くなる可能性があります。単価を抑えつつ効率的にイベント数を増やしたい場合に効果的です。 - 単価の上限なしで1日の予算の消化を最大化
設定した日予算の消化を最優先にイベント獲得するよう入札単価が調整されます。配信量の最大化が見込まれますが、他の2つの戦略と比較するとイベント単価が高くなる可能性があります。短期間で多額の予算を消費し、イベント数を最大化させたい場合に効果的です。
参照:LINE for Businessコラム『アップデートされた「入札戦略」を活用して、広告効果の最大化を目指す』
入札価格
設定したキャンペーンの目的や入札方法、入札戦略に応じて、最適な入札価格/上限単価/目標単価を設定します。
設定したキャンペーンの目的によって対応する最適化対象や課金タイプ、入札価格の最低設定価格は異なります。KPIを維持しつつ成果を最大限に高められるよう、設定項目の役割と特徴を理解した上で配信設定を行いましょう。
参照:LINE for Businessマニュアル『入札方法と入札価格について』
LINE広告の支払い方法と決済タイミング
支払い方法
LINE広告は基本的にクレジットカード支払いとなります。クレジットカードを登録する際は、登録したい請求先情報が紐づいているグループまたは広告アカウントの管理画面から登録します。
以下のクレジットカードが利用できます。
- VISA
- Mastercard
- アメリカン・エキスプレス
- JCB
- ダイナースクラブ
※デビットカード、プリペイドカード、海外のカード会社が発行するクレジットカードは利用できません。
また、LINE株式会社が期間限定で発行する広告クーポンを利用して支払うこともできます。(参照:LINE for Businessマニュアル『クーポンを利用する』)
支払方法としてクレジットカードやクーポンを利用するのはオンラインアカウントの場合です。LINE広告にはオンラインアカウントとオフラインアカウントの2種類があり、この種類によって利用できる機能が異なる場合があります。
- オンラインアカウント:LINE広告をオンラインで申し込み、クレジットカード決済を利用中のアカウントで、ほとんどのアカウントが当てはまります。
- オフラインアカウント:LINE広告をオンライン以外で申し込んだり、クレジットカード決済以外(請求書払いなど)を利用したりしているアカウントです。ただし、請求書払いは認証済みアカウントの場合のみ利用可能です。
参照:LINE for Businessマニュアル『お支払い方法について』
決済タイミング
広告の配信状況に応じて、最後の決済が行われてから20日以内にLINEが定めた金額に達しない場合、自動で決済が実行されます。利用状況によっては、1日複数回決済が行われる場合もあります。決済金額は、任意の「広告アカウント」管理画面の「設定」から「請求と支払い」を選択し、確認することができます。
決済タイミングを広告主自身で決めたい場合は、「請求と支払い」から手動決済を行うことも可能です。
参照:LINE for Businessマニュアル『決済タイミングについて』
LINE広告の費用に関する設定の2つのコツ
ここまでLINE広告の費用が決まる仕組みをご紹介しましたが、「結局予算をいくらに設定すればよいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
LINE for Businessでは、以下のように述べられています。
商材や業種で差異はありますが、月30万円での出稿を3カ月程度続けることで、適切な配信設計と成果を両立させることができます。
まずはこの数値を目安に配信してみてください。
また、LINE広告で費用に関する設定をする際は、以下の2つのポイントを意識しましょう。
予算を少額または高額にしすぎない
予算が少なすぎると、目標のイベント数に到達する前に予算を消化してしまったり、予算による抑制でそもそもイベントが獲得できなかったりする可能性があります。また、予算が大きすぎると、設定した分だけ予算が消費されて費用対効果が低くなってしまう可能性があります。
予算は、キャンペーンまたは1日あたりの「⽬標イベント単価×獲得したいイベント数」の⾦額を計算して設定するとよいでしょう。⼗分な予算の⽬安としては⽬標CPAに対して2倍以上の⾦額と言われています。
余裕を持った入札単価を設定する
入札単価が低いと、オークションに勝つことができず、そもそも広告を配信できなくなってしまう可能性があります。まずは入札単価を高めに設定することで獲得機会の最大化を図り、配信後にボリュームとイベントの獲得効率を確認しながら調整していくとよいでしょう。
LINE広告で費用対効果を高めよう
LINE広告は最低出稿金額が定められていないため少額からでも始めることができ、入札戦略等を有効活用することで成果を高めることが可能です。運用しながら予算や入札方法、入札単価を調整し、PDCAを繰り返すことで費用対効果を高めていきましょう。
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松崎 明日香
マーケティング部
2020年に新卒入社後、オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティングを中心に、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務に幅広く携わる。お問い合わせ数・売上アップを目標に日々奮闘中。趣味は喫茶店・カレー屋巡り。
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