E-E-A-T(旧E-A-T)とは?SEOでも重視されるGoogleの検索品質評価基準と対応方法を解説
YMYLとは?対象となるジャンルやSEOにおける注意点など
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公開日:2021年12月14日
最終更新日:2024年10月03日
近年のSEO対策で重要な要素となっている「YMYL」。健康・医療系のコンテンツを展開しているなど、該当するWebサイトでは無視できない存在として、対策に力が入れられています。該当するジャンルにおける検索結果上位ページの多くで、このYMYLを意識した対策がすでにとられています。
まだよく理解できていない、対策が進んでいないという場合は、今からでも遅くはありません。この記事でYMYLの概要や生まれた背景、対象となるジャンル、YMYLを意識したSEO対策などについてお伝えしていきますので、参考にしてみてください。
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目次
YMYLとは
YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、お金、健康、幸福、安全など、人々の将来に大きく影響する可能性があるジャンルを示す言葉です。Googleは、このYMYLに関する検索結果の品質を重要視しています。
例えば、病気にかかったユーザーが現在の症状や治療方法を検索したとします。もし、検索結果の上位に表示されたページに、間違っている情報や信憑性に欠ける情報が書かれていた場合、検索したユーザーの病気が治るどころか、悪化してしまう可能性もあります。そのような事故が起きないよう、YMYLに該当するジャンルのコンテンツの評価基準は、YMYLに該当しないジャンルよりも厳しくなるわけです。YMYL領域では、「正確かつ最新の専門的な情報」が求められます。
Googleが公開している「検索品質評価ガイドライン」では、YMYLに該当するものとしないものについて詳しく書かれています。
例えば、津波発生時の避難経路に関する情報は、その情報に誤りがあれば明確に損害を与える可能性があるため「明らかなYMYLのトピック」です。一方、天気予報については、平常時ならもし天気予報が外れてもユーザーに重大な影響を与えることはないことから、「おそらくYMYLに該当しないトピック」と位置付けられ、「文学賞の受賞」などは「YMYLではない、またはYMYLの可能性が低いトピック」などとなり、YMYLの評価は段階的な幅があることが記されています。
YMYLが重要視されるようになった背景
YMYLのコンテンツは特に注意して扱わなくてはいけないという考え方が生まれた背景には、いわゆるWELQ問題があると言われています。
2016年末頃、DeNAの傘下にある健康・医療系キュレーション(まとめ)サイト「WELQ(ウェルク)」が、不正確な医療情報を掲載していたとして問題になりました。それがWELQ問題です。
当時「WELQ」では、医学的知識を持っていないライターが記事を加筆していたり、他のサイトを無断で引用したりして記事の制作をしていたそうです。結果、信憑性に欠ける記事や著作権侵害にあたる記事、その通りに実行するとユーザーの生活・健康に悪影響を与えかねない記事へのリンクが検索結果上に表示されてしまいました。
Googleの方針のひとつとして「信頼性の高い情報を提供すること」がありますが、当時はドメインの力もあって問題のある記事が上位表示されており、方針に反する状況に陥ってしまっていたのです。
そこで2017年12月に日本語検索のみで、医療や健康に関する検索結果の改善に関するアルゴリズムアップデートされました。その結果、質の悪いキュレーションサイトやアフィリエイトサイトは検索順位が落ち、閉鎖されるサイトも多く出てきました。
これ以降、徐々に健康・医療だけでなく他のジャンルでも、より信頼のおける情報やサイトの方が上位表示されるようになりました。
2019年以降、年に3、4回の頻度でコアアルゴリズムアップデートが起こっています。そのタイミングでもYMYLに関するコンテンツは大きく変動しているのが確認されています。Googleの検索品質評価ガイドラインもこれまで何回も更新されており、今後もYMYLは重要視され、コンテンツの質が問われてくると予想されます。
近年はGoogleコアアップデートによるYMYLの扱い強化が継続している
Googleコアアルゴリズムアップデートでは、YMYLジャンルの扱い強化が実施され続けています。毎回のごとくYMYLに該当するジャンルのページが検索順位の変動を大きく受けており、今後もYMYLは継続的に強化されていくことが予想されます。
加えて2022年にはhelpful content update(ヘルプフルコンテンツアップデート)と呼ばれる”Googleコアアルゴリズムアップデートとは別名称の新しいアップデート”も実施されました。helpful content updateは「ユーザーの役に立つコンテンツを評価」するためにGoogleが実施したアップデートです。
ヘルプフルコンテンツアップデートについて詳しくは「Google、helpful content update(ヘルプフルコンテンツアップデート)を順次展開!その内容とは?」の記事もご覧ください。
これらから理解できる通り、Googleは読者にとって本当に有益なコンテンツを真剣に評価するための環境を整えようとしています。
ここからは、YMYLに該当するジャンル・YMYLと関係の深いE-E-A-Tに関しても紹介します。
YMYLに該当するジャンル
以前の検索品質評価ガイドラインでは、YMYLのジャンルとして以下が挙げられていました。現在のガイドラインからは明確なジャンルの記載がなくなりましたが、現在もこれらのジャンルはYMYLに該当すると考えられるため、参考に紹介します。
●ショッピング
●金融・財産
●健康・医療
●市民・政府・法律
●ニュース・時事問題・政治
●集団(宗教や人種民族・国籍、性別)
●その他
ショッピング
インターネットショッピングに関する内容で、ECサイト、銀行などのオンラインでの購入・送金・支払いページなども含まれます。これらの情報は、人の生活・お金など、人生に関する影響が大きいことから、YMYLに該当します。
金融・財産
株・為替などの投資や税、退職金運用・家の購入・学費支払・生命保険などの情報を指しています。これらの内容はショッピングと同様に、誤った情報による人々のお金や人生の影響度が高い物になります。
健康・医療
肉体・精神面の健康・薬品・病気・栄養学の他に緊急時の備えに関するものです。前述したWELQ問題についても紹介しましたが、医療・健康、安全に関する情報は、人の生命に関わる内容になることから、YMYLの中でも特に重要視されており、現在ではこれらのジャンルに該当するページは、監修者の情報があったり、Webサイト自体の信頼性が高かったりしないと、非常に上位表示が難しい状況になっています。
政府・法律
選挙や社会福祉、離婚・養育権・遺言書作成・市民権獲得などに関するものです。これらに関するコンテンツの内容が間違っている場合、生活が妨げられてしまう可能性があるほか、本来受けることができた行政サービスを受ける権利が損なわれないようために、YMYLに指定されています。
ニュース・時事問題・政治
国際問題や政治、災害に関する重要な内容、時事問題や、国民に対しての正式な公表などのページを指しています。上記の政府・法律に近しいものではありますが、より時事的な内容はこちらに該当するでしょう。これらの情報が不正確な場合、人の生活に大きく混乱を及ぼす可能性があることから、YMYLに該当します。また、人の生活や意思決定にはそこまで影響が少ない、芸能人のニュースやスポーツに関する内容の場合は、YMYLに該当しない場合もあります。
集団(宗教や人種民族・国籍、性別)
国籍や移民、人種、性別、、地位などに該当する物です。これらは、誤った情報、誤解する表現などによって、大きなトラブルに発展する可能性があることから、信ぴょう性が低い情報が上位表示されてしまうのを避けるためにYMYLとされています。
その他
上記のどれにも当てはまらない、フィットネス、サプリメント、車の安全性、進学、職業選択、防災、引っ越しなど、「金銭・生命に重大な影響を与えうる情報」のページを指しています。ただし、ほかのジャンルにもいえるように、これらの内容に触れた情報のすべてがYMYLに該当するというわけではありません。
上記に分類されない情報であっても、人の将来に大きく影響を与えてしまうなど、正確かつ最新の専門的な情報を求められるジャンルはYMYLに該当する可能性が高いです。世の中が変化していくと、ユーザーの将来に大きく影響し正確かつ最新の専門的な情報が求められるというジャンルも増えてくるかもしれません。
YMYLとE-E-A-T(旧E-A-T)の関連性
YMYLに関するコンテンツでは、特にE-E-A-Tが重要視される傾向にあります。E-E-A-Tとは、Googleが検索品質の評価基準としている指標です。E-E-A-Tには「経験(Experience)」「専門性(Expertise)」「権威性(Authoritativeness)」「Trust(信頼性)」の4つが含まれています。E-E-A-Tについて詳しくは「E-E-A-T(旧E-A-T)とは?SEOでも重視されるGoogleの検索品質評価基準と対応方法を解説」のページをご覧ください。
発表当時はE-A-Tのみでしたが、2022年12月16日に検索品質評価ガイドラインの更新に伴い、「経験(Experience)」が増えて、E-E-A-Tに変化しました。それぞれ下記のような意味があります。
経験(Experience)
コンテンツが、作成者の「経験」「体験」に基づいているかを評価するための指標です。コンテンツの中に、実際に作成者が経験や体験である、一次情報がどれだけ盛り込まれているかが評価のポイントになります。
専門性(Expertise)
コンテンツが特定のテーマにおいて専門的かどうか、専門性が高いコンテンツであるかどうかを評価する指標です。例えば、扱うジャンルが混在しているサイトより、一つの分野に特化しているサイトのほうが、そのジャンルにおけるGoogleの評価は高くなります。
権威性(Authoritativeness)
コンテンツを発信する人が、信頼できる人物、もしくはメディア・団体であるかどうかを評価する指標です。この分野について詳しいのはこのサイト、と人々に認知・評価されると権威性が高いサイトと評価されるため、複数のメディアから引用されているWebサイトなどは権威性が高いという評価を受けます。
信頼性(Trust)
信頼性の高い情報が掲載されているコンテンツであるかどうかを評価する指標です。掲載している情報に間違ったことが記載されていないかはもちろんのこと、誇張表現がされていないか、オリジナル性が高いかどうか、運営者情報・企業情報などが記載・開示されていないかどうかも重要なポイントです。
SEOにおけるYMYLへの対策ポイント
SEOで重要なE-E-A-Tを満たしたうえで、YMYL対策をするにはポイントがいくつかあります。今回はポイントを6つ紹介します。
●著者・サイト運営者・運営会社を明記する
●一つのジャンルに特化したサイトにする
●コンテンツの内容が正しい情報か確認し、監修者や裏付けも明示する
●定期的に情報を更新する
●サイトの常時SSL化を行う
●被リンクやサイテーションを増やす
著者・サイト運営者・運営会社を明記する
信頼性を高める際には下記のような情報を必ず明記するようにしましょう。
●著者情報
●サイト運営者または運営会社情報
著者情報
著者情報は著者の名前や資格、実績、ポートフォリオなど、専門家情報を記載すると良いでしょう。当メディアでは下記のように記載をしています。
サイト運営者または運営会社情報
サイト運営者または運営会社情報は「運営会社名」や「組織・会社の概要」といったメニューを作ると良いでしょう。
ユーザーが安心して情報を受け取るために、情報の発信元を明記しましょう。
一つのジャンルに特化したサイトにする
YMYLのジャンルでは、E-E-A-Tが重要視されるため、専門性(Expertise)が高いサイト作りを行うことが大切です。
いろいろなジャンルを扱うより、一つのジャンルに特化したコンテンツを展開した方が、検索エンジンからもユーザーからも「このサイトは〇〇について専門性が高い」という評価につながりやすいです。
コンテンツの内容が正しい情報か確認し、裏付けも明示する
コンテンツの信頼性を高めるために、掲載されている情報がなぜ正しいのか、なぜ安心なのか裏付けが必要です。そのため、以下のことをすると良いでしょう。
●その分野の専門家にライティング、添削や監修をしてもらう
●論文や公的機関の情報を確認する
専門家に監修をしてもらった場合には、監修者の名前も記載するようにしましょう。
定期的に情報を更新しましょう。YMYLに該当するジャンルの中には、法律や時事問題を取り扱うものも含まれ、定期的にコンテンツのリライトを行わないと、情報が古くなってしまう場合があります。そのため、サイト内のコンテンツを定期的に以下の視点で確認しましょう。
●記載している情報は古くないか
●誤解を与える表現や誇張表現含まれていないか
●専門的すぎたり、分かりづらかったりする用語がないか
YMYLに関するコンテンツは専門性の高い用語が使われることが多く、専門家に監修してもらった際、専門用語が多すぎる、内容が専門的すぎるといった事態も起こりやすく、ユーザーに伝わりにくいコンテンツになる可能性があります。YMYLに関するコンテンツに限らずユーザーにとってわかりやすい記事の作成を心がけることは重要になるので気を付けましょう。
サイトの常時SSL化を行う
サイトのURLを常時SSL化することも大事な要素の一つです。常時SSL化とは、運営するサイトの「すべてのページを暗号化」するセキュリティ手法の事で、SSL化を行うと、「http(安全でない接続)」から「https(安全性の高い暗号化通信)」に移行します。
もともとは、決済のページやお問い合わせフォームなど、個人情報など、重要な情報をやり取りするページで部分的にSSLが用いられてきましたが、最近では、検索結果で上位表示させるために必要な要素になっていることから、Webサイト全体に広げることをおすすめします。
被リンクやサイテーションを増やす
通常のサイトでも、被リンクやサイテーションはSEO対策を考える上で必要な要素になりますが、YMYLジャンルに関しても、信頼性の高いサイトからの被リンクや専門性の高いユーザーからの言及、サイテーションは、サイトへのプラスの評価につながります。
被リンクやサイテーションを増やすには良いコンテンツを作ることが必要不可欠になります。
ユーザーに信頼されるサイトを目指そう
今回お伝えした内容を上図でまとめました。YMYLに関するコンテンツに限らず、情報の信頼性や正確さを意識しながら制作していきましょう。
ユーザーの人生にどのような影響を与える可能性があるのか、どのような影響を与えたいのか、そのためにはどのような注意をしないといけないのかを意識すれば、自ずと対応すべき事柄も見えてくるかもしれません。
この記事で何回もお伝えしたように、YMYLに該当するジャンルを取り扱っているサイトは、特に慎重に評価されています。そのため、YMYL領域のSEO対策では、専門性の高い筆者や監修者を明記し、正確な情報を伝える必要があります。内容の根拠を提示し、情報が古くなってしまわないように、定期的に最新情報に刷新することも重要な要素です。
YMYLジャンルのSEO対策でお悩みの際にはぜひ、当社にご連絡ください。
伊藤 康貴
マーケティング部
2018年Web広告会社に入社、比較メディアやSEOのコンサルティング営業に従事。3年間で200社以上の企業様の集客に携わる。 より集客の見識を深めるために2021年フルスピード入社。 オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティング、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務を担当している。
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