迷ったらこうする[記号編] 三点リーダや中黒の使い方
迷ったらこうする[漢字/ひらがな編] -「出来る/できる」「事/こと」など
- ライティング
公開日:2015年05月29日
最終更新日:2023年07月27日
原稿を校正する上で、漢字で書いても間違いではないものの、ひらがなで書いた方がいいと判断し、ひらがなにすることを、「漢字を開く」「ひらがなに開く」、あるいは単に「開く」といいます。逆に、漢字で書く場合は「閉じる」といいます。
しかしこの判断がときに難しく、開いていいものか、閉じたままにした方がいいのか、迷ってしまうこともしばしばです。なぜなら、これが正解というルールが明確には存在せず、記事を掲載する媒体、発行元の企業によって判断が異なるからです。
ただし、「だいたいこっちを使うよね」という、ライター、編集者の共通認識のようなものはあり、また、記者ハンドブック(共同通信社のものが有名)がひとつの指標となることもあります。
今回は、記事を書く上で迷いがちな言葉を選び(Googleのキーワードプランナーを使って、検索ボリュームの多いものをできるだけ選んでいます)、開くのか開かないのか、迷ったらこうしたらいいかもねという指針を示してみたいと思います。
記事を書く際に改めて確認しておきたいライティングの基本的な知識について、こちらの記事もぜひご確認ください。
迷ったらこうする[記号編] 三点リーダや中黒の使い方
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目次
- 1 その1「出来る」「できる」は、ひらがなの「できる」を使う
- 2 その2「事」「こと」は、ひらがなの「こと」を使う
- 3 その3「色々」「いろいろ」は、ひらがなの「いろいろ」を使う
- 4 その4「秋刀魚」「さんま」「サンマ」は、カタカナの「サンマ」を使う
- 5 その5「尚」「なお」は、ひらがなの「なお」を使う
- 6 その6「及び」「および」は、ひらがなの「および」を使う
- 7 その7「等」「など」は、ひらがなの「など」を使う
- 8 その8「良い」「よい」は、ひらがなの「よい」を使う
- 9 その9「草なぎ剛」は、ひらがなの「なぎ」を使う
- 10 その10「一人一人」「一人ひとり」「ひとりひとり」は、漢字とひらがなの「一人ひとり」を使う
その1「出来る」「できる」は、ひらがなの「できる」を使う
「今日は洗濯出来る」「今日は洗濯できる」、どちらをお使いでしょうか。この場合、「今日は洗濯できる」を使いましょう。
可能であるという意味を表す「できる」ではなく、新しく作られるという意味の「できる」、例えば「水虫ができる」も同様です。「出来具合」など、名詞として使う場合に限っては、漢字を使います。
その2「事」「こと」は、ひらがなの「こと」を使う
「そんな事は知っています」「そんなことは知っています」、これは後者、ひらがなを使います。「~はもちろんのこと」といった使い方をする場合や、「物」「もの」も同様に後者のひらがなを使います。
その3「色々」「いろいろ」は、ひらがなの「いろいろ」を使う
「色々」「いろいろ」、もしくは、「様々」「さまざま」、これらは、ある程度歴の長いライターや編集者でも迷う人が多く、「色々」や「様々」など、漢字を使った方がいいと考えている人もいます。ですがこれも、ひらがなの「いろいろ」「さまざま」を使います。
その4「秋刀魚」「さんま」「サンマ」は、カタカナの「サンマ」を使う
カタカナも入ってきました。「秋刀魚」だと、読めないという人もいるので漢字はなし。「さんま」か「サンマ」であればいいと思いますが、迷ったら「サンマ」でいってみましょう。
「あなたはさんまを食べますか」「あなたはサンマを食べますか」だと、後者の方がわかりやすいですね。生物の名前は、標準和名(世界共通の学名の代わりに日本語で付けられた名前)上もカタカナ表記されています。例えば猫科の動物とはいわず、ネコ科の動物といいますよね。
その5「尚」「なお」は、ひらがなの「なお」を使う
副詞である「今も尚」「今もなお」、接続詞である「尚、現在のところは」「なお、現在のところは」、これらは、「なお」の方を使います。
その6「及び」「および」は、ひらがなの「および」を使う
「及び」「および」は、「および」を使いましょう。接続詞(「しかし」「さらに」など)はひらがなで書くようにします。
ただし公用文においては、接続詞は原則ひらがなを使うとなっているものの、名詞と名詞を接続するときに使う、「及び」「並びに」「又は」「若しくは」は例外として漢字を使うとされています。使う場面によっては、「及び」の方がいいかもしれません。
その7「等」「など」は、ひらがなの「など」を使う
「ミカンやリンゴ等」のように「等」が出てきた場合、あなたは「とう」と読んでいますか、それとも「など」と読んでいますか。中には、どちらで読んでいいのか、いつも迷っているという方もいるでしょう。では原稿を書くときは、ひらがなで「など」にしてしまいましょう。これなら読む方も迷わずに済みます。
その8「良い」「よい」は、ひらがなの「よい」を使う
「~した方が良いでしょう」「~した方がよいでしょう」は、「~した方がよいでしょう」にします。
「良い」「よい」ではなく「いい」というパターンが使われることもありますが、こちらは少しくだけた表現になり、どちらかに統一ということになると「よい」の方が無難です。
その9「草なぎ剛」は、ひらがなの「なぎ」を使う
芸能人の「草なぎ剛」の「なぎ」は常用漢字ではなく、特殊文字の扱いとなるため、特にWeb媒体においては機種依存文字で文字化けが発生してしまう恐れもあることから、ひらがなで書くのが普通です。紙媒体においてもひらがなで書く場合がありますが、媒体によってルールは異なります。
その10「一人一人」「一人ひとり」「ひとりひとり」は、漢字とひらがなの「一人ひとり」を使う
「一人」なのか「ひとり」なのかも迷いどころなのに、それが連続した場合、「一人一人」「一人ひとり」「ひとり一人」「ひとりひとり」という4パターンから選ぶ必要が出てきます。これは、「一人ひとり」を選びましょう。
同じ意味を表すものが続くのに、漢字とひらがな交互に使うのは妙であったりもしますが、バランスのよさで「一人ひとり」が選ばれる傾向にあるようです。
結局のところ、今回挙げたもののほとんどは「ひらがなに開く」となりました。どちらか迷うような言葉は、基本的にひらがなに開くのが正解ということが多いはずです。
こういった統一がしっかりしていると、文章全体がより美しくなります。参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングにおけるテクニックについてはこちらの記事でもご確認ください。
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