2016年9月末に一般ユーザーも利用可能になったTwitterの新機能「モーメント」。リリース当時は賛否両論だったこの機能も、1年が経ちすっかり受け入れられました。個人の情報収集 / 発信としても企業のプロモーション方法としても使える、汎用性の高いこの機能の概要と使い方を今のうちにしっかり把握しませんか?
結局のところ、「モーメント」とは何なのか?
2016年9月に全ユーザーに向けてリリースされたモーメントとは、簡潔にまとめると”指定のツイートをまとめる機能”のことです。この「指定のツイート」は、自身のツイートだけでなく他人のツイートも使用することができます。今この瞬間(moment)に起きていることを…という由来でこの名前が付けられたようです。
Twitterは様々なアルゴリズムの変更があったものの、基本は最新のものがタイムラインの上部に表示されるようになっており、即時性が強い傾向にあります。さらにおすすめトレンドもユーザーの興味関心に合わせてカスタマイズされるため、”本当に今話題になっているもの”が若干捉えづらい傾向がありました。
その現状をカバーするために登場したのが、最新トピックをジャンル別に見られるモーメントです。
モーメントの閲覧方法
モーメントは直近の注目まとめ全般を見るか、ジャンル別で好きなものを見るか選ぶことができます。
- ニュース…政治、経済、事件などの時事ニュース
- スポーツ…日本のスポーツチーム・選手を中心とした話題
- テレビ、音楽、ファッション、食べ物、ゲーム、小説や漫画など
- 思わず笑ってしまうネタや共感を呼んだ話題などを厳選
またモーメントはパソコン上でブラウザを通して閲覧する場合と、スマートフォン用アプリで見る場合では場所が少し違います。
PCブラウザで閲覧する場合
こちらの画面左上から公開されているモーメントの一覧に飛ぶことができます。
赤枠の部分がジャンルのカテゴリとなっています。
気に入ったモーメントは「いいね」することが可能です。「いいね」された件数が多いと一覧の上部に表示されやすくなります。
またモーメントを自身のツイートで引用することもできます。
モバイルアプリで閲覧する場合
トップ画面からこちらに入ると、トレンドのハッシュタグ、興味のあるジャンルの人気ツイート、モーメント一覧が表示できます。
ハッシュタグのおすすめトレンドの次に「今日のモーメント」が表示され、直近で話題のトレンドが表示されます。
一番下までスクロールすると、PCブラウザと同じようにモーメントのジャンルの選択画面が出てきます。
モーメントの詳細画面。PCブラウザとモバイルアプリで大きく違うのは、前者が下にスクロールしてツイートを読むのに対し、後者は左にスクロールしていくところ。モバイルアプリでのモーメントの閲覧は、本のページをめくる感覚に近いといえます。
モーメントを作るには
モーメントはユーザーを問わず、誰でも作ることが可能です。
そして作成の第一段階としてまずツイートの収集が必要になってきますが、目的によって収集方法が違ってきます。
ツイートの収集方法
自分がいいね!したツイート
ジャンルを問わず、自分の好みや覚えておきたいと思ったことをまとめ、共有するときに使われることが多いようです。また特定のジャンルの投稿のみいいね!をしているのであれば備忘録からいちどきに収集するという役割を果たします。ただしいいね!したものの中から特定のキーワードを検索して表示することは出来ないため、過去にさかのぼる手間がかかるというデメリットがあります。
特定アカウントのツイート
指定したアカウントのツイートのみを表示し、その中から選択することが出来ます。芸能人などの特定の人物の発言や、イベント用の特設アカウントから発信されるお知らせをまとめる際に便利です。ただしこちらも時系列順で表示されるため、過去に遡るのに多少の手間がかかります。また自分のアカウントを表示し、自身の作品や連続して投稿したツイートをまとめることもあります。
特定のキーワード、タグが含まれているツイート
指定のキーワードやハッシュタグが含まれているツイートを表示します。ニュースに関連する語句や、テレビ番組名、Twitter上でトレンドになっているハッシュタグの内容など、速報性の高い事象をまとめて紹介するときに使われることが多いようです。
特定のツイートのリンクを入力して検索 (PCブラウザでのみ可能)
予めモーメントに載せたいツイートのリンクをまとめておき、一気に追加するときに使われます。その都度リンクを書き留めておけば作成時に時間をかけずに済みます。
※ただしこれらの検索方法は併用することができます。
※モーメントを投稿するアカウントにカギがかかっていると公開できませんのでご注意ください。
以上の4つを踏まえた上で、実際にモーメントを作ってみましょう。
モーメントを作る手順
PCブラウザを使って作成する場合
右上のアイコンボタンからメニューボックスを開き、「モーメント」をクリックします。
モーメントの作成や過去のモーメントの管理はここから行えます。
青い四角の中にはモーメントのタイトルや説明などを記入し、赤い四角ではツイートの検索方法が選べます。表示されたツイートの右上のチェックマークをクリックすると、モーメントに追加したことになります。
1つの検索方法で一通りツイートを選び終えたあと、別の検索方法に移ることも可能です。
スマートフォンアプリを使って作成する場合
左上のアイコンからメニューバーを出し、「モーメント」を選択します。
ここに過去に作成したモーメント一覧を見ることが出来ます。新規作成をするときは右下のマークを押してください。
新規作成ボタンを押すと、まずタイトル画面の設定ページが出ます。下の「ツイートを追加」を選択し、任意の方法のツイートを検索して追加しましょう。
選択したあとに完了ボタンを押すと、タイトル画面の右に選択したツイートが蓄積されます。全て設定し終わったら「モーメント公開」で全ユーザーに公開されます。
企業の活用事例
事例1:セブンイレブン
モーメントURL:https://twitter.com/i/moments/864787060653047808
プライベートブランドである「セブンプレミアム」の10周年企画として、Twitterで人気であった、”当たり前のことをポエム調”にして投稿するハッシュタグ「#あたりまえポエム」とコラボレーション。それを作品集としてモーメントにまとめました。作品の1つ1つを単発のツイートで紹介したのちにモーメントとして改めて紹介することで、企画自体の話題性を持続させました。
事例2:タカラトミー
モーメントURL:https://twitter.com/i/moments/917607394959486976
自社商品「うまれて!ウーモ」卵から生まれる人形であることから、イセ食品の「森のたまご」と共同で開催された料理企画。もともとは一般ユーザー対象でしたが、結果として他の企業の公式アカウントの担当者も参戦した大規模な企画となりました。舞台裏に加え、各企業の料理写真、一般ユーザーの声などもまとめたボリュームのあるモーメントとなっており、1つのブログ記事のような読みごたえがあります。
事例3:BuzzFeed Japan
モーメントURL:https://twitter.com/i/moments/923115980347207680
BuzzFeedの日本公式Twitterアカウントは常にユニークな情報を発信し続けており、モーメントを最も積極的に活用しています。基本形としては、同一テーマで投稿した内容をまとめる、いわば”ネタ帳”。モーメントは1つ1つのツイートそれぞれを「いいね!」することも出来るため、最後にまとめて発信することでそれぞれのツイートのエンゲージメント率を高める効果もあります。
まとめ
モーメントは情報収集としても情報発信としても使えるキュレーションメディアのような側面だけでなく、Twitterの特性である速報性の高さも併せ持つ、非常にポテンシャルの高い機能といえます。大手企業アカウントでも取り組んでいないところもあり、競争率が未だ低い分、現時点ではマーケティングツールとしても非常に強い武器となりえますで、ぜひ使いこなしてみてください!