2016年06月02日
2015年5月からGoogleサーチコンソール(旧名:Googleウェブマスターツール)に導入された検索アナリティクスは、検索結果ページのSSL化に伴ってGoogle Analyticsなどで取得できなくなってしまったWebサイトへの流入キーワードを知ることができる唯一のツールです。
しかし、検索に使われているクエリを見るだけで、機能をあまり活用できていない、機能の活用方法が分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、検索アナリティクスのデータを分析する手法から、分析結果を具体的な施策に落とし込むまでの活用方法をご紹介します。
検索キーワードを分析!検索アナリティクスを使った分析方法では、ポジショニングマップの中から表示回数が少なく平均掲載順位も低いキーワードを抽出して改善する方法をご紹介しましたので、今回はそれ以外の領域に属するキーワードの改善方法もご紹介します。
目次
検索アナリティクスを活用するためには、表示回数と検索順位を軸としたポジショニングマップを作ると視覚的にも分かりやすくなるのでオススメです。
Googleサーチコンソールにログインして、検索アナリティクスの「クエリ」のデータをダウンロードします。モバイルのクエリデータでポジショニングマップを作る場合には、デバイスを開きモバイルでフィルタをかけます。
ダウンロードしたCSVデータをエクセルで開いて、X軸を表示回数、Y軸を平均掲載順位にした分布図を作成します。 データが集まっている周辺にフォーカスするように、軸の最大値を修正しておきます。サンプルでは、表示回数(Y軸)の最大値を80、掲載順位(X軸)の最大値を100に修正しています。
平均掲載順位と表示回数の中央値の部分に線を引き、グラフを4つの領域に分割します。 中央値はMEDIAN関数を使えば、簡単に求める事ができます。
MEDIAN関数の書式 MEDIAN(セルの範囲)
上図のように、ポジショニングマップ上に、4つの領域が出来上がります。
これからそれぞれの領域にあるキーワード群ごとに、考えられる状況と改善施策をご紹介しますので、作成したポジショニングマップを見ながら、実際にキーワードと対象ページを確認していきましょう。
この領域のキーワード群には問題が無いように見えますが、キーワードのクリック数、クリック率を確認してみてください。
もし、検索順位の平均的なクリック率よりも低い場合には、titleやdescriptionを見直す必要があります。
比較するクリック率として、少し古いですが2014年に英NetBooster社が発表したデータをご紹介します。
引用:http://www.slideshare.net/NetBooster_UK/one-click-curve-to-rule-them-all
ただ、クリック率は検索クエリや検索結果に表示される情報によっても変わります。同じ1位だとしても、ダイレクトアンサーや地図などの情報が表示されている場合とそうでない場合とでは、クリック率にも違いがあるはずです。
キーワードの検索ボリューム調査でコンテンツの成功率をあげる!でも、検索結果からのクリック率についてご紹介していますので、こちらもあわせてごらんください。
titleやdescriptionは、そのキーワードで検索したユーザーが、自分の知りたい情報が書かれているページだと思えるような内容になっているでしょうか。 検索ユーザーの気持ちになって考えてみましょう。
もう一つ、検索結果ページを確認する事も忘れてはいけません。
検索結果に表示されている他のページのtitle、descriptionも参考にしながら、クリックしたくなるような文章を考えてみましょう。
もし平均的なクリック率と同等か高い数値が出ていたとしても、まだ安心はできません。 該当のページの情報を、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールで確認して見てください。
直帰率が高い、滞在時間が短いといった問題はありませんか?
検索アナリティクスは「ページにアクセスするまで」のパフォーマンスを測定するツールですので、ページにアクセスした後にユーザーが満足したかどうかまでは分かりません。
改善施策は後述しますが、検索アナリティクスはアクセス解析ツールと組み合わせると、より深い分析をする事ができるようになります。
この領域のキーワード群は、検索順位を上げることが一番の対策になります。
特にクリック率が高いキーワードは、検索順位を上げることで集客力を一気に高めることができる「お宝キーワード」ですので、最優先で改善していきます。
ここでも後述する改善施策を参考に、記事の追加や既存ページのコンテンツ追加施策などの順位アップ施策を行いましょう。
表示回数が少ないキーワードは、施策を行っても結果に結びつきにくいキーワードか、簡単には結果が出ないビッグキーワードである場合がほとんどです。
特に表示回数が少なく平均検索順位も高いキーワード(領域3)は、そもそも検索ニーズが少ないキーワードなので何もする必要はありません。
逆に、平均検索順位が低いキーワードのうち、月間平均検索ボリュームが多いキーワードは、今後の施策によって集客力を高めることができる可能性がありますのでGoogle Adwordsのキーワードアドバイスツールで確認しておきましょう。
ただ、ビッグキーワードの場合は施策の効果はなかなか出ませんので、辛抱強く施策を続けていく必要があります。
検索アナリティクスは検索結果上でのパフォーマンス測定ツールですので、ユーザー満足度を調べるという意味では、検索アナリティクスだけでは分析できません。 Webサイト訪問後のユーザーが満足しているのかを調べるには、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを組み合わせます。
アクセス解析ツールで、直帰率が高い、閲覧時間が短いなどの問題があるページをリストアップして、検索アナリティクスでキーワードを調べてみましょう。
この時のチェック項目は、検索キーワードから想像できる検索ユーザーの意図と、ランディングページのコンテンツが一致しているかどうか。
「JR有楽町駅の出口の場所」を知りたいユーザーに、「地下鉄有楽町駅の出口の場所」を説明するコンテンツを見せていたりしませんか? また、ページのファーストビューに、検索ユーザーが知りたいコンテンツが、このページにある事が認識できるようになっていますか?
こういった事を、一つ一つのキーワードで丁寧に確認していくことが大切です。
検索ユーザーの意図と、提供しているコンテンツが一致している場合も直帰率が高い事があり、その場合「検索ユーザーは満足したから直帰している」という事も考えられます。
しかしそういったページでも、検索ユーザーが他に知りたい情報や、次の行動で調べる情報はないだろうか?と考えるとページの改善案が生まれてきます。
例えば、「有楽町駅の出口を知りたいユーザー」が、本当に知りたい事はなんだと考えられますか?
決して「出口の場所だけ」が知りたいわけではないはずです。有楽町駅の周辺に目的地があって駅の出口を調べているはずですので、その何かを想像してコンテンツにする事が大切です。
実は、この想像を助けてくれるヒントも、検索アナリティクスで見えてくる場合があります。
そのクエリのランディングページになっているURLでフィルタをかけた、別の検索クエリに検索ユーザーの「真の」目的が見える場合があります。
有楽町駅の出口を説明したURLが、「有楽町駅 待ち合わせ」というキーワードで検索結果に数回でも表示されているなら、「有楽町で知り合いと待ちあわせをするために出口の情報を知りたいのではないか?」などと想像することができます。
それなら、有楽町駅の出口の情報だけでなく、駅周辺で待ち合わせ場所として最適なスポットの情報も書いた方が、検索ユーザーの目的は1ページで達成できるはずです。
検索ユーザーの目的に合致したコンテンツは、そのページのテーマに強く関連付くコンテンツであるため、ユーザーの利便性が高まるだけでなく検索順位が上昇する可能性も高まります。
ただ、追加するコンテンツの内容によっては、別のページを作成して書いた方がいい場合もありますので、キーワードによって判断しましょう。
いかがでしたでしょうか。 ここでご紹介しきれていない検索アナリティクスの機能はまだまだありますが、ご紹介した方法を、PCやモバイルといったデバイス別で分析するだけでも多くの気づきや改善施策が生まれると思います。
この記事を読んで、少しでも検索アナリティクスからコンテンツ改善のきっかけを掴んで頂ければ望外の喜びです。
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