2020年11月06日
GoogleやYahoo!など検索エンジンからの流入を増やすためにサイトを最適化させるSEO(Search Engine Optimization)に加え、最近では「MEO」という言葉もよく耳にするようになりました。企業や実店舗を持つ事業者の方であれば、Googleマイビジネスの登録・運用とともにMEOを行うことで効果的に集客することができます。
この記事では、MEOとは何なのか、さらにMEO対策を行うメリットや実際の対策方法までを徹底的に解説します。
Googleマイビジネスの登録・編集方法についてはこちらの記事をご確認ください。 Googleマイビジネス編集方法を徹底解説!登録方法から管理画面の使い方まで
※本記事の情報は2020年11月時点のものです。今後のGoogleのアップデートにより、内容が変更される可能性があります。
目次
MEOとは、マップエンジン最適化(Map Engine Optimization)のことを指します。日本だけで使用されている造語のため、言葉の定義はあいまいですが、Google検索やGoogleマップ上で場所について検索するローカル検索を行ったときに、自社のビジネス情報を上位表示させるための施策を意味することが多いです。海外では、Google Maps Marketing や Local SEO 等の言葉が近い意味で使用されています。
表示されるビジネス情報は、Googleマイビジネスへの登録情報をもとに作成されます。SEOはWebサイトを持っていなければ行えないのに対し、MEOはWebサイトがなくてもGoogleマイビジネスに登録していれば行うことができます。
MEO対策では「カフェに行きたい」「整体を受けたい」など目的が明確なユーザーに対して施策を行います。「地域名+サービス名」で検索されることが多く、「どこで何をしたいか」がはっきりした上で検索しているので、実際に来店する確率は高いと言えます。検索結果に表示されるビジネス情報の枠内からは、電話をかけたりメッセージを送ったりルートを調べたりできるためスピーディーにアクションに繋げることができます。
Google検索で「地域名+サービス名」など場所に関して検索した時に、地図情報をもとに上位3店舗のビジネス情報が表示される機能を「ローカルパック」と呼びます。検索を行う場所やデバイス、キーワード、ログイン状態か否かなどにもよりますが、ローカルパックがウェブサイトやリスティング広告よりも上部に表示される場合も多いです。そのため、場所に関するキーワードを対策する際はSEOよりもMEOが効果的な場合があります。
店舗名、住所、営業時間、電話番号、クチコミなどの情報が検索結果上部の目立つ位置に表示され、多くのユーザーの目に触れることで、企業・店舗のことをまだ知らない潜在ユーザーへも認知を広げることができます。
SEOはポータルサイトや大手企業が強いため、検索エンジンの検索結果にWebサイトを上位表示させることは難易度が高いです。一方MEO対策は、ユーザー自身が地域名で検索したり、Google側が地図情報に基づいて結果を表示させたりするので、ターゲット地域の企業・店舗のみが競合となります。そのため、SEOと比較すると競合性は低くなる傾向があり、上位表示を目指しやすいです。
スマートフォンは、今や私たちの生活に欠かせないものとなっています。2019年に発表された総務省の調査によると、個人でのスマートフォンの利用率は年々増加し、現在は67.6%となっています。
出典:総務省『令和元年通信利用動向調査』
スマートフォンを使うと、インターネット環境下であればいつでもどこでも気軽に検索することができます。ユーザーは外出先でもスマートフォンを使用して、行き先を決めるために検索したり、目的地へのルートをマップで検索したりするようになりました。 Googleによると、モバイルで検索しているユーザーのうち30%がローカル検索を行っています。
出典:Think with Google『How Mobile Search Connects Consumers to Stores』
このようにスマートフォンを利用した検索行動がより活発になっている今、MEO対策を行うことで店舗やサービスを探しているユーザーとの接触の可能性を高めることができます。
ベニスアップデート(ヴェニスアップデート/Venice Update)とは、ユーザーの位置情報を取得し、現在地に応じた検索結果を表示するGoogleのアルゴリズムのことです。レストラン・美容室・薬局など地域性に関わるキーワードで検索された時に、地域を明記しなくてもユーザーの現在地を反映して検索結果を表示します。このベニスアップデートによってローカル検索の精度は高まり、ユーザーの検索体験も向上しました。
Google検索ヘルプによると、検索時の現在地は、デバイスの位置情報・設定した自宅や職場の住所・ロケーション履歴・Googleサービスでの過去のアクティビティ・IPアドレスといった情報源を組み合わせて推定されるそうです。 参照:Google検索ヘルプ『Googleで検索する際の現在地情報とその管理方法について』
MEO対策を行えていれば、近くでサービスを検索をしているユーザーに自店舗のビジネス情報を表示して、来店に繋げることが可能です。
ニールセンデジタル株式会社が2018年に発表した調査によると、日本でのGoogeマップのスマートフォンアプリの平均月間利用者数は3,936万人となっています。日本国内でLINEに次いで第2位の利用者数で、ソーシャルメディアとして近年急速に普及しているYouTubeやTwitter、Facebookよりも多いことが分かります。
出典:株式会社フルスピード『これで完璧!MEOのキホンの「キ」』 (※ニールセンデジタル株式会社の「日本におけるスマートフォンアプリ利用者数TOP10」2016年~2017年のデータをもとに弊社株式会社フルスピード作成)
Googleマップを利用するユーザーは「場所」を知りたいという明確なニーズがあるので、検索後の来店確率はより高いと考えられます。いかにユーザーの目に触れる目立つ位置に掲載できるかが重要です。
デジタルマーケティングのノウハウが普及し、リスティング広告やSEOなどのマーケティング施策が一般的に取り入れられるようになりました。それにより、リスティング広告では掲載費用が高騰したり、SEOでは競合が増えたりと、これまでの施策でマーケティングを行うことが難しくなってきています。
そこで、新たなマーケティング施策の一つとしてMEO対策が注目されています。Googleマイビジネスに登録していればすぐに始めることができ、店舗への集客アップを期待できるMEO対策は、企業や店舗にとっては必ず行っておきたい施策です。
ローカル検索では、掲載順位についての具体的なロジックは公開されていません。Googleマイビジネスヘルプでは、「関連性」「距離」「知名度」の3つを『ローカル検索結果のランキングが決定される仕組み』として挙げています。
検索された語句とビジネス情報との関連性が高い場合、上位に掲載される可能性が高くなります。例えば「渋谷 カフェ」で上位表示させたいと考える場合、住所が渋谷であったとしても、説明や投稿、クチコミの返信などに「新宿」のキーワードが多様されていれば関連性が低いと判断されるでしょう。 Googleに関連性を的確に判断してもらえるよう、正確かつ充分な情報をGoogleマイビジネスに登録しておくことが必要です。
検索で指定された地域からの距離、もしくは地域が指定されていないときは検索が行われた地域からの距離に基づき、近くのビジネス情報が上位表示されやすくなります。地域が指定されていない場合、例えば東京で「映画館」と検索するのと大阪で「映画館」と検索するのでは検索結果は大きく異なります。
ビジネスがどれだけ知名度があるかということも掲載順位に影響します。オフライン上で企業名や店名が広く知られているかだけでなく、オンライン上での検索結果の掲載順位やGoogleマイビジネスのクチコミ数・スコアも重要です。 商品・サービスの質を高めて認知度・満足度を上げると共に、Googleマイビジネスの情報とWebサイトの店舗情報を一致させる、SEOを行ってGoogle検索結果の掲載順位を上げるといったことが効果的です。
参照:Googleマイビジネスヘルプ『Googleのローカル検索結果の掲載順位を改善する』
MEOを行うには、Googleマイビジネスに登録されていることが必要です。登録していなくてもGoogleや第三者により店舗情報が作成されている場合がありますが、その場合はオーナー確認をしてオーナー権限を取得しましょう。 Googleマイビジネスへの登録とオーナー権限の取得が完了すると、ビジネス情報を編集できるようになります。
Googleマイビジネスの登録・編集方法について詳細はこちらの記事を参考にしてください。 Googleマイビジネス編集方法を徹底解説!登録方法から管理画面の使い方まで
ここからは、MEOの具体的な方法を6つご説明します。
Googleマイビジネス「管理画面」の「情報」タブを編集し、ビジネス情報を充実させましょう。記載できる情報は漏れなく記載することで、ターゲットとなるユーザーにビジネス情報を表示させやすくなります。「情報」タブの中でも特に重要な項目を以下に紹介します。
「カテゴリ」では、具体的な事業内容を示すカテゴリのみを一覧の中から設定します。 「属性」は事実に基づく属性と主観的な属性(地元の人に人気があるかなど)の2種類があり、その企業・店舗の他社とは違う魅力を伝えることができます。
カテゴリ・属性を設定することで、関連するサービスを探しているユーザーにビジネス情報を見つけてもらいやすくなり、来店の可能性も高まります。
参照:Googleマイビジネスヘルプ『ビジネスのカテゴリを選択する』 Googleマイビジネスヘルプ『属性の追加、編集』
住所を正しく設定していても、マップ上のピンの位置がずれてしまっている場合があります。住所の入力部分でピンを動かすことができるので、ずれている場合は正しい位置に設定しましょう。
マップ上ではピンの位置をもとにルートが示されます。特に新規のお客様であればマップを見て来店すると考えられるので、間違った場所を示さないようピンは正確に設置しておくことが大切です。
参照:Googleマイビジネスヘルプ『ビジネスの住所を追加、編集する』
最大750文字まで入力できる「説明文」を活用して、ビジネスの情報をできるだけ多く、分かりやすくまとめましょう。どのようなサービスを提供しているのか、メニューは何があるのか、特徴やこだわりは何かなど、ユーザーが「行ってみたい」と思えるような情報を掲載します。ビジネスに関連しており、かつユーザーが検索しそうなキーワードを含めると効果的です。
ただし、Googleマイビジネスヘルプ『ビジネスの説明のガイドライン』では、ビジネスと無関係な内容や不適切な内容など、以下のようなコンテンツは公開できないと述べているため注意が必要す。
参照:Googleマイビジネスヘルプ『Googleに掲載するローカルビジネス情報のガイドライン』
写真は視覚的に情報を伝えることができるので、ユーザーに店舗の外観や内観、商品・サービス、働いているスタッフなどのイメージを持ってもらいやすくなります。写真でビジネスをアピールし、それが多くのユーザーの目に留まれば、Googleからの評価も上がると考えられます。
Googleマイビジネスヘルプ『写真や動画をビジネスリスティングに追加する』によると、形式はJPG/PNG、サイズは10KB~5MB、解像度は縦720ピクセル/横720ピクセルが推奨されています。
また、Googleマイビジネスヘルプ『ビジネス用写真』には、追加すべき写真のタイプや撮影時のポイントがまとめられています。
参照:Googleマイビジネスヘルプ『ビジネス用写真』
Googleマイビジネスのインサイト機能では、写真の閲覧数や枚数について同業他社との差を確認することができます。まずは競合より多くの写真を追加し、閲覧数を増やすことを目指しましょう。
インサイトの見方や活用方法はこちらの記事をご確認ください。 Googleマイビジネスのインサイトでの分析方法を解説!改善方法まで
MEOでは、Googleマイビジネスの登録情報だけでなく、Web上のさまざまな情報をもとに掲載順位が決定されます。そのため、WebサイトやSNSでの情報発信も非常に大切です。Googleマイビジネスヘルプには、ローカル検索結果のランキング決定の仕組みについて以下のように記載されています。
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も知名度に影響します。(中略)ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、検索エンジン最適化(SEO)の手法も適用できます。
WebサイトやSNSでユーザーの求める情報を分かりやすく発信し、Google検索結果での上位表示を目指すことが、ローカル検索結果の上位表示に繋がる「知名度」にも影響を与えるのです。
NAPとは、Name(企業・店舗名)・Address(住所)・Phone(電話番号)のことです。Googleマイビジネスに登録されているNAPと、WebサイトやSNS、その他ポータルサイトなどに掲載されているNAPを統一させることで、情報の信頼性が高まります。
NAPの統一は、サイテーションを獲得するためにも非常に重要です。サイテーションとはWeb上で企業・店舗名、住所などのビジネス情報が言及されることで、順位決定基準の一つである「知名度」を高めることに繋がります。 他のサイトやSNS上で、正しい情報でサイテーションを獲得できるよう、まずはGoogleマイビジネスとWebサイトのNAPが揃っているかをチェックしましょう。
また、企業・店舗名にはキャッチフレーズや地域名、電話番号など名前以外の不要な情報を含めることはできないので注意してください。掲載結果に上位表示させるために、企業・店舗名に名前以外のキーワードを含めることは認められません。
Googleマップでは、ユーザーの来店意欲を促進するためにクチコミが大きな影響力を持ちます。弊社株式会社フルスピードによるGoogleマップの利用状況に関する調査では、40%近くの人が「口コミ評価点数が良いお店」「口コミコメントの内容が良いお店」に興味を引かれると回答しています。
出典:株式会社フルスピード『Google マップ利用者へのアンケート調査結果を公開~MEOサービスをリニューアルし提供開始したフルスピードが調査~』
ポジティブなクチコミが多く評価が高ければ、ユーザーからの信頼を得ることができます。さらにGoogleからの評価が上がり、掲載順位アップに繋がる可能性があります。
ただし、ポジティブなクチコミを増やすためにネガティブなクチコミを禁止したり、お金を払って依頼したりすることは決して行ってはいけません。ビジネスの質を高めてお客様に満足してもらい、「良いサービスだったからクチコミを書きたい」と自然に思ってもらえるようにしましょう。
参照:マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーヘルプ『各フォーマットに適用される要件』
また、ネガティブなクチコミに対しても放置せず誠実に対応することで、ユーザーとの信頼関係を構築することができます。
クチコミ対応のポイントについて、詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。 Googleマイビジネスのクチコミ対応方法!悪いクチコミを対策して良いクチコミを増やすには
定期的に投稿をすることで、お店のリアルタイムな情報を発信することができます。投稿機能では「最新情報」「イベント」「特典」「商品」「営業時間の更新」といった情報を掲載することができ、企業・店舗の認知度上昇や集客に繋がります。最新情報を気軽に知ってもらえるので、継続的に発信してユーザーとの関係性を強めていきましょう。
また、投稿内に含まれるキーワードで検索されたときに、検索結果に投稿内容が表示される可能性もあります。ビジネス情報と関連の高いキーワードを投稿内に含めることを意識してみましょう。
参照:Googleマイビジネスヘルプ『Googleへの投稿』
Googleマイビジネスの情報は、実際にお店に行きたいと検討しているユーザーが見るものなので、住所や営業時間などに間違いがないよう常に最新の情報に保つことが大切です。情報を更新する時には、ガイドラインに違反していないか、適切な発信ができているかをチェックしてみることも必要です。『Googleに掲載するローカルビジネス情報のガイドライン』は随時更新されるので定期的に確認し、正しくGoogleマイビジネスを活用しましょう。
ローカル検索結果で掲載順位を上げるための劇的な施策はありませんが、地道にビジネス情報を更新すること、そして根本的なビジネスの質を高めて満足度の高いサービスを提供することが何より大切です。MEOは、ユーザー目線に立ち、どんな情報を求められているか、どんな特徴があれば魅力的かを考えることから始めましょう。ユーザー目線での取り組みが、最終的に集客アップに繋がります。
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