Webサイトの目的とは? 目的別の施策も解説
コーポレートサイトとサービスサイトの違いとは? 分ける理由も解説
公開日:2020年10月02日
最終更新日:2024年06月03日
令和元年通信利用動向調査報告書によると、「自社のホームページを開設している企業」の割合は89.7%であり、約9割もの企業が何らかのホームページ(当記事では「Webサイト」と呼びます)を持っていることが分かります。
しかしその種類はさまざまで、同じWebサイト内で企業情報、製品やサービス内容を併せて紹介している企業もあれば、企業情報中心のサイト(コーポレートサイト)と、製品やサービス内容の発信が中心のサイト(サービスサイト)を分けている企業もあります。
ここでは、コーポレートサイトとサービスサイトについて、それぞれの役割や目的の違い、あえて分けるべき理由はあるのかなどを解説していきます。
※ECサイトやブランドサイト、採用サイトといった種類のWebサイトもありますが、今回はコーポレートサイトとサービスサイトに絞って考えてみたいと思います。
↓【無料DL】「SEO内部対策チェックシート」を無料ダウンロードする
目次
コーポレートサイトの目的と役割
コーポレートサイトとは、企業が自社の情報を広く他者に向けて発信することを目的として運営するWebサイトです。コーポレートサイトは企業の自己紹介の場ともいえます。自社について知りたい相手に向けて、求められる情報を提供して「私たちはこのような会社です」と伝えて理解してもらい、相手の信頼感を得るという役割があるのです。
コーポレートサイトのコンテンツ
コーポレートサイトの主なコンテンツは次の通りです。
事業内容(取り扱っている商品やサービスなど)
自社がどのような事業に注力しているか、どのような商品やサービスを取り扱っているのかを伝えます。このコンテンツの主なターゲットは、顧客や取引先です。
企業概要やIR情報
投資家や株主を主なターゲットとするコンテンツですが、その企業の従業員とその家族、その企業への就職を希望する就活生や求職者にとっても気になる情報といえます。代表者のメッセージやCSR(社会貢献活動)などのアピールを掲載するケースも多いです。
採用情報
就職活動中の学生や、中途採用を希望する求職者に向けた採用情報を発信するコンテンツです。採用情報を掲載することが求める人材の獲得のために重要なのはもちろんですが、企業と求職者両者の問い合わせの手間を軽減することにもつながります。募集要項を簡潔にまとめているだけの企業もあれば、福利厚生や社内レクリエーションの紹介や各部署の社員のインタビューなども掲載し充実させている企業もあります。
そのほかのコンテンツ
新製品や自社の取り組みを伝えるプレスリリース、インシデントが発生した際の報告などの重要な告知も、コーポレートサイトのトップページなど分かりやすい場所に掲示されます。お問い合わせページやプライバシーポリシーも、企業のWebサイトとしては必須といえるでしょう。
サービスサイトの目的と役割
サービスサイトとは、企業が提供する特定の製品やサービスの情報提供に特化したWebサイトです。企業が製品・サービスを紹介するのですから、最終的な目的はもちろん、商品を購入してもらったり、サービスを利用してもらったりすることといえるでしょう。そのためのサービスサイトの役割は、まず商品を広く知ってもらう、興味・関心を持ってもらう、そして購入・利用することで得られるベネフィットを示すことなどが挙げられます。ターゲットは、商品やサービスを購入もしくは利用する可能性のある、すべての見込み客であるといえます。そこにはリピーターになってもらいたい既存顧客も含まれるでしょう。
サービスサイトのコンテンツ
サービスサイトの主なコンテンツは次の通りです。
商品・サービスの概要
自社が提供する特定の商品・サービスに焦点を当てて紹介するコンテンツです。
サービスサイトではスペック(諸元表)をそのまま掲載するような見せ方は望ましくありません。ターゲットが同等以上の知識を持っているような商材である場合を除いて、専門用語を羅列するような説明は避け、より分かりやすい平易な言葉に置き換えて紹介します。
お客さまの声や導入事例
商品の購入者やサービス利用者の言葉は、今、購入や利用の検討をしている人にとって判断材料となる重要な情報となります。インタビューや課題解決事例として掲載すると効果的です。企業目線で「この商品は〇〇です」と説明するよりも、より自分に近い立場にある購入者からの「この商品を使ってみたら〇〇でした」という言葉の方が、検討中の人にとっては親近感がわき説得力も感じられるでしょう。
問い合わせや見積もり依頼のフォーム
商材に興味を持った人に次のアクションを起してもらうために必ず用意しておきたいのが、問い合わせや見積もり依頼のページです。スムーズに行動に移してもらうためにも、UI/UXの考え方なども取り入れて工夫するとよいでしょう。商材の性質によっては、問い合わせや見積もり依頼ではなく、直接、購買や利用申し込みに至ることになりますが、その場合もそのアクションが起こせるページを用意しておきましょう。
コラム・お役立ち情報など
サービスサイトでは商材の紹介のみではなく、その商材を利用する見込み客に役立つさまざまな情報、例えば、その分野の基礎知識やお困りごとの解決方法などを紹介する記事を掲載するのがおすすめです。
商材の紹介のみを掲載したWebサイトでは、商品名やサービス名で検索するユーザーからの流入しか見込めません。しかし、役立つ情報をサービスサイト内で併せて公開することで、自社の商材で解決できるお困りごとを抱えているユーザーや、今後自社の商材を必要とする可能性のあるユーザーに、Web検索からたどり着いてもらい、自社や商材の存在を認知してもらう機会をつくることができます。
そのほかのコンテンツ
商品カタログやホワイトペーパーのダウンロードページ、よくある質問などのコンテンツもあるとよいでしょう。またサービスサイトでも簡単な会社概要やプライバシーポリシーは掲載します。
コーポレートサイトとサービスサイトの違い
コーポレートサイトとサービスサイトそれぞれについて解説しましたが、両者を比較してどこに違いがあるのか整理してみましょう。
コーポレートサイト | サービスサイト | |
---|---|---|
目的 | 自社の情報を伝える | 自社商材の購入・利用を促す |
主なターゲット | 投資家、株主、求職者、顧客、取引先など | 潜在顧客や見込み顧客、既存顧客など |
主なコンテンツ | 事業内容、製品情報、会社概要、沿革、IR情報、採用情報、CSRなど | 商品・サービスの概要、導入事例、利用者インタビュー、問い合わせフォーム、お役立ち情報、コラムなど |
検索エンジンからの主な流入キーワード | 会社名、会社名の略称などが大半を占める | サービス名、商品名の正式名称や略称など。 お役立ち情報や業界コラムなどのコンテンツを展開している場合は、業界に関連したさまざまなキーワードからも流入する。 |
コーポレートサイトとサービスサイトを分ける理由
ひとつにまとめた方がコストや管理の手間が少なく済みそうにも思えますが、コーポレートサイトとサービスサイトを分ける理由があります。その理由について、コーポレートサイトとサービスサイトを分けた場合のメリットを挙げて解説していきます。
まず、ここまでに説明したとおりコーポレートサイトとサービスサイトでは目的もターゲットも異なります。つまりターゲットに最適化した情報を提供したいと考えた場合に、Webサイト全体のデザインや雰囲気も変わってきます。商品・サービスの紹介をコーポレートサイトのみに掲載する場合は、色使いやトンマナもコーポレートサイトのブランディングに準ずる必要がありますが、サイトを分けていれば、その商材そのもののイメージや、ターゲット層の好みに合わせたサイト構成を追求することができます。
また、さまざまな商材を取り扱っている企業の場合、コーポレートサイト内である部署のWeb施策を進めようとした際に、ほかの部署で行っているWeb施策と干渉しないか確認が必要になるケースもあるでしょう。場合によっては、互いの施策が相手の施策の阻害要因となる可能性も考えられます。さらに、コーポレートサイトを「会社の顔」と考え、厳格に管理している企業は珍しくありません。細部まで他部署や上層部など、手順を踏んで確認を取らなければ、コーポレートサイトの更新ができないというケースもあるようです。
Web施策の担当者は当然ですが、自分が考えた施策を進める中で、より効果の高い方法を模索し、それを実行して結果につなげたいと考えるでしょう。時間をかけて細部まで練り上げた企画やとっておきのアイデアが、さまざまな制約にしばられて、変更を余儀なくされたり実行できなくなったりという事態は避けたいものです。販売促進のためのWeb施策を制約の少ない環境で、速やかに進行できる場として、コーポレートサイトから独立したサービスサイトは好適といえます。それこそがコーポレートサイトとサービスサイトを分ける理由なのです。
分けた場合にデメリットはあるのか
コーポレートサイトとサービスサイトを分ける理由について、分けるメリットを挙げて説明しましたが、デメリットについても確認しておきましょう。
SEO観点からの話になりますが、コーポレートサイトを長く運営していて、コンテンツも充実し被リンクも多いという状態で、すでに検索エンジンから高い評価を得ているような場合、コーポレートサイト内にコンテンツを追加すれば、新しいコンテンツもすぐに評価がつきます。一方、新しいWebサイトを構築した場合、検索エンジンからの評価がついて安定した流入が見込めるようになるまでに、目安として3カ月~半年の時間がかかります。
新しく公開したコンテンツに一日も早く、多くの自然検索からの流入を獲得したいと考えるなら、これはデメリットといえるかもしれません。
しかし、そのような場合は新たに制作したサービスサイトに、コーポレートサイトのトップからリンクさせることで、コーポレートサイトの高い評価を渡すことができます。これによってサービスサイトの評価がつきやすくなり、デメリットをある程度抑えることができます。また、サービスサイトにかぎらず、コーポレートサイトから独立させてWebサイトを制作する場合、基本的にコーポレートサイトからのリンクすることをおすすめします。
分けなくても良い、もしくは分けない方が良い場合も
以下のようなケースでは、コーポレートサイトとサービスサイトを分けない方が良い可能性もあります。
- 会社や事業の規模がまだ小さく、複数のサイトを運営する費用や人的リソースの確保が大きな負担になる場合
- BtoB企業のWebサイトなどで、企業情報とサービス内容を併せて閲覧できた方が顧客にとって都合の良い場合
- 企業名と製品・サービス名が同じで、知名度がある場合
- 扱う製品、サービスが少なく、サービスサイトでの情報発信のネタが用意できそうにない場合
Webサイト運用の不安や、コーポレートサイトとサービスサイトを統合すべきか、分けるべきかの判断で困ったときは、コンテンツ制作の専門業者に相談してみるとよいでしょう。
こちらの記事を参考に、あなたの会社ではコーポレートサイトとサービスサイトをどのように分け、運営していくのが望ましいのか考えてみましょう。
株式会社フルスピードのSEOコンサルティングサービスのご紹介
↓株式会社フルスピードのSEOコンサルティングサービスのご紹介(資料DLページ)
株式会社フルスピードはSEOコンサルティングサービスをご提供しています。株式会社フルスピードは2001年の創業から5,500社以上ものSEOコンサルティング実績を積み上げてまいりました。
株式会社フルスピードは世界で60万人が導入する最高水準のSEO分析ツールAhrefsのオフィシャルパートナーでもあり、これまで培ってきたSEOノウハウとAhrefsのサイト分析力を活かしたSEOコンサルティングサービスをご提供することが可能です。SEOコンサルティングサービスの詳細に関しましては上記バナーをクリックしてご確認くださいませ。お気軽にご相談ください。
-
なぜNAVERまとめはサービス終了したのか!?SEO視点で調べてみた
- Ahrefs
-
サーチコンソールの権限付与の方法を画像解説┃2024年最新
- Google Search Console
-
GA4(アナリティクス4)とサーチコンソールの連携方法【2024年最新】
- Google Search Console
- Google アナリティクス
-
CLSとは? 低下要因と改善方法をわかりやすく解説
- Google検索アルゴリズム
- SEO内部対策
- SEO基礎
-
Googleサーチコンソールとは?設定~活用までの基礎を解説【2024年最新版】
- Google Search Console
- SEO 分析
-
Googleが「サイトの評判の悪用に関するポリシーの更新」を発表(悪質なドメイン貸しに対する対策資料)
-
SEOがマーケティングでなぜ重要なのか?検索エンジンにコンテンツを最適化させる価値について解説
-
クリニックのSEO対策をわかりやすく解説! 具体的な方法や成功例など
-
NofollowリンクやNoindexタグは品質シグナルではないとGoogle関係者が回答
- 最新ニュース
-
AVIF画像がGoogle検索でサポート可能対象に!AVIF画像とはどんなファイル形式か?
- 最新ニュース