ファンを作ろう!ペルソナの上手な設定方法
ペルソナとは
- 用語解説
公開日:2016年06月08日
最終更新日:2024年06月03日
ペルソナとは、商品やサービスを利用するであろうユーザーの中で、もっとも象徴的だと考えられる顧客像のことです。
近年マーケティングの現場ではよく使われる言葉で、一度は耳にした事があるという方も多いと思います。
ペルソナのもっとも大きな特徴は、定量的なデータを中心にセグメントされていたプロファイリングに対して、ユーザーの期待やゴール、感情の変化などの定性データに重きをおく点です。
つまり、「この世代はこういう行動をとる人が多い」「こういう商品やサービスを利用する人が多い」といった統計データだけでなく、顧客の職業や家族構成などから、人生の目的、価値観といった定性的なデータも加味してターゲットを絞り込んでいくという考え方なのです。
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目次
従来のマーケティング手法との違い
商品やサービスのマーケティング活動において、それまでのマーケティング手法が通用しにくくなってきています。
これは、顧客の消費行動とその行動のきっかけがより個別になってきているからだと言えます。
ターゲットを分類する手法の変化
戦後間もない頃などの物資が不足していた時代は、生活をするための商品やサービスが主で、この時代のマーケティングは「早く作って市場に出す」という事でした。
その後は、少しでも安い商品・高機能化などの差別化をした商品が売れる時代に入ります。
そして、バブル時代のような「年齢別」「所得別」などで分類されるターゲットユーザーが、みんな同じものを購入していた時代を経て、現代に至ります。
いつの時代でも「その時代にマッチした商品やサービス」を作りさえすればものが売れた時代だと言えます。
しかし現代は「個人の価値観によって買うものを選ぶ時代」です。
このようにターゲットユーザーの思考や消費行動が変わってきていますので、マーケティング手法もそれに合わせて変えていく必要があるのです。
顧客セグメントとの違い
ターゲットユーザーを絞り込む方法としては、顧客セグメントを使って絞り込む方法が一般的に行われています。
顧客セグメントは、顧客の購買行動や商品を選ぶ思考の順番などを統計データを元にして細分化、絞り込んでいく方法です。
「F1層」という言葉を聞いた事があると思いますが、こういった細分化の方法がセグメントの典型的な例だと言えます。
F1層は、20歳から34歳までの女性を指しているセグメントで、この層には以下のような特徴があると言われています。
- 海外旅行やブランド品を好む傾向がある
- 自己投資は惜しまない人が多く、キャリアアップにも関心が高い
- 子供がいる人も多く、子供の教育にも熱心
- インターネットに関心が高く、クチコミサイトなどもよく利用している
いかがでしょうか。
ご自分の周りにいる「F1層」と呼ばれる人は、どのくらい当てはまっているでしょうか。
すべて当てはまっている人も少なくないと思いますが、ではこの人がどうしたら自社の商品やサービスを購入してくれるのか、なかなかセグメントから見える特徴だけでは分かりにくいと思います。
そこで注目を集めている手法が、ペルソナを使ったマーケティング手法なのです。
ペルソナを作ることの効果
企業のマーケティング担当にとってペルソナとは、いまやマーケティングに欠かせないものになっています。
ペルソナを作ることによって、具体的にどんな効果が企業にもたらされるのでしょうか。
関係者の顧客像の認識統一ができる
先ほどご紹介したF1層というセグメントを聞いただけでは、おそらくイメージする顧客像は人それぞれ異なるものになってしまうでしょう。
企業内には様々な部署の関係者がいます。
商品・サービスの開発者、マーケティング担当、広報、営業担当…数え上げればキリがないほど、一つの商品やサービスにたくさんの関係者がいます。
こういった関係者が思い描く顧客像がバラバラの状態では、ターゲットユーザーがぼんやりとしたものになってしまい、マーケティング戦略、広報戦略、営業戦略が統一できない状態になってしまうことも考えられます。
そこでペルソナを作ることで、ターゲット顧客像の統一ができれば、各部署の戦略や考え方などの認識も統一され、一貫性のある販売戦略を構築する事ができるようになります。
カスタマージャーニーの作成
カスタマージャーニーとは、時間の流れに沿って顧客となりうるユーザーがどんな経験をし、どんなことを考えて購入までいたるのかを図式化したものです。
ペルソナを作り顧客像が鮮明になっていれば、カスタマージャーニーを作りユーザーが商品・サービスの購入というゴールに向かってどんなプロセスを通るのかを定義する事ができます。
そしてカスタマージャーニーをみれば、どんなタイミングでどんなメッセージをユーザーに届ければいいのかが明確になりますので、マーケティングもより戦略的に行う事ができ、PDCAサイクルを効果的に運用する事ができるようになるはずです。
ブランドアイデンティティの確立
アップルをアップルたらしめているのは、リンゴのマークでしょうか?それともゴールドやローズピンクの本体でしょうか?
「アップル」というブランドアイデンティティを確立しているのは、商品の細かい部分ではなく、どんな商品やサービスでも統一されたメッセージ、一貫した企業としての考え方が基本になっています。
アップルストアを遠くから見るだけで、「アップル製品を販売している」という事が分かるのも、(お店に大きなリンゴマークがついていますが)店作りにも統一されたメッセージが込められているからではないでしょうか。
ペルソナを作ることで、各部署の関係者の認識が統一でき、それはブランドアイデンティティの確立にもつながっていくはずです。
「新入社員が入社してきました。これから一緒に働くあなたは、彼もしくは彼女の何を知りたいですか?」
きっと、住んでいる場所や好きな食べ物、趣味、兄弟の有無など、いろいろな事を聞くと思います。
しかし、住んでいる場所や好きな食べ物そのものを知りたいわけではないはずです。
そういった情報などを元に、彼もしくは彼女がどんな事を考えて、どんな目標に向かって頑張ろうとしているのか、その人の人となりを知りたいから聞いているはずです。
それと同じ事を顧客に対して行う事が、ペルソナを作るということです。
ペルソナの作り方は、ファンを作ろう!ペルソナの上手な設定方法をご覧ください。
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