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2024年3月からCore Web vitalsのFIDをINPに置き換える

公開日:2023年05月17日

最終更新日:2024年12月25日

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2024年3月からCore Web vitalsのFIDをINPに置き換える

Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」のFIDが2024年3月からINPという新しい指標に置き換えると、Googleから発表がありました。本記事では新しい指標のINPがどういうものなのか?なぜ、置き換えることになったのか?Web担当者はどのような対応を求められるのか解説します。

導入はまだ先ですが、事前に準備しておくことをおすすめします。

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そもそもFIDとは?

そもそもFID(First Input Delay)とは、「Webページがユーザーの操作に迅速に反応する処理能力」を測る指標のことです。
例えば、ページを開いたときに、すぐにボタンを押して次のページを開こうとします。しかし、トップページを開いたばかりでブラウザは読み込みのタスクを実行中のため、ボタンを押してもすぐにページを開く処理を開始できません。このように、ユーザーが最初に入力をしてから、ブラウザがその処理を開始するまでの遅延時間をFID(First Input Delay)と呼びます。

ブラウザが処理を開始する際に遅延が起きている場合、下の画像のような処理となっています。

①ユーザーがWebページを開くためにリンクをクリックする
②ブラウザが入力を受け取り、ネットワークリクエストが始まる
③ネットワークリクエストでは主に CSS や JavaScriptファイルなどのリソースがダウンロードされる
④ダウンロードできたリソースから、メインスレッド上で処理が開始される
⑤レンダリングの途中で、別ページに遷移する画面上のリンクをクリックする
⑥ブラウザは⑤のユーザー入力を受け取る
⑦しかし、メインスレッドでの処理を行っている間は一時的に処理待ち状態になり、ユーザーの操作に応答できず遅延を起こす
⑧メインスレッドの処理待ち期間後、ブラウザは⑤のユーザー入力に対して応答できる
⑨別ページの読み込みが開始される

この⑥から⑧の遅延時間がFID(初回入力遅延)です。

新しいINPという指標とは?

INP
INPとは「Interaction to Next Paint」の略で、ユーザーがWebページにアクセスする全期間を通じて発生する全てのクリック、タップ、キーボード入力に対するWebページ全体の応答性を評価する指標です。INPではアクセスする全期間で最も遅い応答性を計測します。
※ホバーリングやスクロールは INP には影響せず、キーボードによるスクロール (スペースバー、ページアップ、ページダウンなど) はINPに影響するなどアクションによって、トリガーが異なるのでご注意ください。
INP(Interaction to Next Paint)のイメージ図
INPの判定基準は、遅延時間が200ms(ミリ秒)未満だと「良好」、500ms以下であれば「改善が必要」、500msを超えた場合は「不良」とされています。
良好なINPと不良なINPのしきい値を示す図
引用:Interaction to Next Paint (INP)

なぜ、FIDという指標を他の指標に置き換えようとなったのか?

FIDが遅延すると、「Webページが応答していない」と感じやすいから導入されていた

GoogleはWeb検索体験のユーザーエクスペリエンス(利便性)を高めるためには、ユーザーの操作に迅速に反応するWebページが良いと考えています。そして、ユーザーの操作に迅速に反応しているか判断するための指標が必要になってきました。

ユーザーの操作に迅速に反応しているか判断する指標は、FID(初回入力遅延)以外にも、入力の応答性が妨げられることで発生する時間の合計を表すTBTという指標やページ読み込み開始時から有用なコンテンツが全て表示され、しっかりユーザー操作に応答できる状況までにかかる時間を表すTTIという指標があります。TBT(合計ブロック時間)やTTI(インタラクティブまでの時間)はたとえ遅くても、ユーザーは「読み込みは遅いが応答性はある」と認識されることは多いです。しかし、FID(初回入力遅延)が遅延すると、ユーザーは「Webページが応答していない」と感じることが多いです。そのため、ユーザー体験(UX)をより優れたものにするためのCore Web Vitalsの指標の1つとしてFID(初回入力遅延)が含まれていました。

初回だけではなく、全ての応答性を測るINPの方が良い!

FIDは「初回入力遅延」と記載があるように、Webページを開いた際、最初の入力操作からブラウザが次の処理に進むまでの遅延時間を表した指標です。Webページの印象を決める要素として、初回入力による遅延は重要です。しかし、ユーザーは初回だけではなく、Webページを開いている間、全てのユーザー操作において迅速に応答することの方が重要です。そのため、FID(初回入力遅延)よりもより包括的に応答性を測る指標のINPがCore Web Vitalsの指標の1つとして置き換える必要があるとGoogleは判断しました。

INPの測定と改善について

INPの測定はPageSpeed Insightsを使おう!

INPの測定方法はいくつかります。

  • Google Search Console
  • PageSpeed Insights
  • Chromeユーザーエクスペリエンスレポート (CrUX)
  • Chrome 用の Web Vitals 拡張機能

「2024年3月からINPという新しい指標に置き換える」と発表があった2023年5月中旬頃はまだサーチコンソールでINPを測定することはできませんでした。しかし、6月22日時点ではサーチコンソールでもINPを計測することが可能になっています。そのため、Webサイト全体で、INPに問題がないか確認したい場合は、サーチコンソールがオススメです。

サーチコンソールのINP測定部分

また、単一のWebページのINPを測定したい場合はPageSpeed Insightsがオススメです。PageSpeed InsightsはWebサイトのパフォーマンスを測定するツールです。Googleが提供しており、ユーザー体験(ユーザーがWebページに訪れる際に感じる利便性)を評価するための指標や表示速度を計測できます。PageSpeed Insightsの使い方は非常に簡単でPageSpeed Insightsを開いたら、調べたいページのURLを入力して分析することができます。
PageSpeed InsightsのINP測定部分

INPの改善はページ読み込み時とページ読み込み後の2つの側面で!

以前のFIDであれば、初回の読み込み時の応答性のみに注視すれば問題なかったです。しかし、INPになったら、アクセス中のユーザーの操作アクションに対する全ての応答性に対して、注視する必要があります。
ページ読み込み時とページ読み込み後それぞれで以下の対策をしましょう

ページ読み込み時のINPの改善方法

  • ChromeのDevToolsのカバレッジツールを使用して、未使用のコードを削除
  • ページ読み込み中に不要なJavaScriptを遅延読み込みできるように、コードを分割
  • 同時にロードしている可能性のある低速のサードパーティJavaScriptを特定
  • パフォーマンスプロファイラーを使用して、処理に時間がかかっているタスクを見つけて最適化
  • JavaScriptの実行後、ブラウザのレンダリングにあまり多くのこと(大きなコンポーネントツリーの再レンダリング、大きな画像のデコード、重いCSS効果など)を求めない

ページ読み込み後のINPの改善方法

  • postTask APIを使用して、タスクに適切な優先順位を付ける
  • requestIdleCallbackを使用して、即時実行が必須ではない処理をブラウザがアイドル状態の時に実行するようにスケジュールする
  • パフォーマンスプロファイラーを使用して、処理に時間がかかっているタスクを見つけて最適化
  • サードパーティのJavaScriptをチェックして、ページの応答性に影響しているかどうかを確認

対策する時間はたっぷりあります!まずは自社のサイトを計測しましょう!

INPが完全に置き換えられるのが2024年3月です。そのため準備、対策する時間はたっぷりあります。
まずはPageSpeed Insightsで自身のサイトのINPの指標がどうなっているのか確認すると良いでしょう。また、FIDとは別にINPの数値改善を行わなくてはいけないのかと憂鬱になる方もいらっしゃるかと思います。しかし安心してください。FIDもINPもアクションに対する応答性を示す指標のため、対策ポイントが似ています。これを機にCore Web Vitalsの数値全体を改善していきましょう!

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この記事を書いた人
伊藤 康貴

伊藤 康貴

マーケティング部

2018年Web広告会社に入社、比較メディアやSEOのコンサルティング営業に従事。3年間で200社以上の企業様の集客に携わる。 より集客の見識を深めるために2021年フルスピード入社。 オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティング、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務を担当している。

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