公開日:2021年12月13日
最終更新日:2022年01月27日
目次
突然ですが、「リスティング広告」という広告手法を集客の施策として活用されたことはございますか。 サイト運営者の皆様も一度は耳にしたことがあると思います。
では、その「リスティング広告」に対してのイメージや印象はどうでしょうか。 おそらく千差万別かと思います。 メインの集客方法が「リスティング広告」の企業もいらっしゃれば、費用対効果が悪そうと思う企業様もいらっしゃるかと思います。
本記事は、「リスティング広告」について詳しくない方、広告戦略に悩んでいてリスティング広告を検討している方、リスティング広告の施策を見直したいと考えている方向けにお送り致します。 「リスティング広告」とは何かから費用やメリット、デメリット、戦略など、詳しくご説明しまして、ご自身のサイトは「リスティング広告」と相性がいいのか考えて頂き、出稿するか検討する際にお役立ちできれば幸いです。
まず、事前に伝えなくてはいけないのが、「リスティング広告」は明確な定義がなく、ほかの記事では「リスティング広告=検索連動型広告+ディスプレイ広告」と解説される記事もありますが、本記事においては、「リスティング広告=検索連動型広告」と定義してご説明します。
リスティング広告とは、検索連動型広告やPPC広告(Pay Per Click)とも呼ばれ、検索エンジンで検索したキーワードに連動して、検索結果に表示される広告のことです。
特徴としては検索結果上の左上に「広告」と記載があります。 キーワードによって、検索結果に表示される広告が異なるため、キーワードの選び方が非常に重要になってきます。 リスティング広告のキーワードの選び方のコツ
リスティング広告はディスプレイ広告やアドネットワーク広告、SNS広告など様々なWeb広告の中の1つです。 リスティング広告の目的は広告主様によって様々です。
など沢山の目的があります。
その中、リスティング広告の最大の目的は「自社の商品やサービス、店舗の顧客になりえる顕在層をなるべく多く自社のサイトに集客し成約・顧客を増やす」ことです。
リスティング広告はGoogleやYahoo!などの検索エンジンに掲載することができます。 そのため、Google 広告(旧称:Google AdWords)やYahoo!広告(旧称:Yahoo!プロモーション広告)とも呼ばれています。
そしてリスティング広告は検索結果の上部、下部に表示され、2ページ目以降の検索結果にも同様の部分に表示されます。このリスティング広告が表示されている枠を「リスティング広告枠」と言います。 また、キーワードによってはリスティング広告に出稿しているサイトがないため、リスティング広告枠がなく、オーガニック検索枠しか表示されないケースもあります。
※オーガニック検索枠:自然検索枠とも呼ばれる。検索結果上に表示されるリスティング広告以外の部分のことを指します。 検索結果 1ページ目上部のリスティング広告枠のことをプレミアムポジションと呼びます。 プレミアムポジションに表示されるリスティング広告の数はキーワードによって異なりますが、 最大4つまで表示されます。 特徴としては検索したユーザーの目に留まりやすいことです。
リスティング広告は、大きく分けて「表示URL」「見出し」「説明文」「広告表示オプション」の4つのセクションで構成されています。 詳しくはリスティング広告の文字数一覧!効果的な広告文を作成しよう
※リスティング広告の文字数一覧!効果的な広告文を作成しよう
リスティング広告は基本的には、1クリックごとに料金が発生するクリック単価制です。 例えば、クリック単価500円で1ヶ月に1000クリックされた場合、1ヶ月で500,000円の費用がかかります。
Google広告の場合、クリック単価は広告主が上限クリック単価を設定できます。 設定方法は2つあります。
「個別単価設定」は広告主自身が設定する方法です。 「自動入札機能」はGoogleが予算内でパフォーマンスを最大化させる方法です。
Yahoo!広告の場合、入札単価を1円~80,000円で設定することができます。
もし、代理店に依頼する場合、別途手数料がかかるケースが多いです。
リスティング広告の費用の相場は?料金の決定方法や予算の決め方、運用のコツまで
リスティング広告の費用は、業界や商品カテゴリ、自社で運用するか代理店に依頼するかなどによっても大きく変わるので、一概には言えませんが、一般的な相場は月額20~30万円と言われています。 少額からでも始められ、月額10万円でやっている企業様もいらっしゃいます。
リスティング広告の掲載される順番はGoogle広告の場合「広告ランク」、Yahoo!広告の場合「オークションランク」によって決まります。
Google広告の「広告ランク」は「入札単価」と「品質スコア」によって決まります。
「品質スコア」は以下の要素で決まります。
Yahoo!広告の「オークションランク」は「入札単価」と「広告の品質(品質インデックス)」によって決まります。
「広告の品質(品質インデックス)」は以下の要素で決まります。
参照:Google広告ヘルプ『広告の掲載順位とランクの仕組み』 参照:Yahoo!広告ヘルプ『掲載順位の決定方法』
自身のサイトがリスティング広告とうまくかみ合えば、多くのメリットを享受することができます。 しかし、どんなに熟練の広告運用者でも、そもそもリスティング広告と相性の悪いサイトや商品・サービスではなかなかいい結果は出せません。 自身のサイトがリスティング広告と相性がいいのかどうか判断するために、リスティング広告のメリット、デメリットについてご説明いたします。
メリットは以下の6つになります。
1つ目のメリットは「顕在層のユーザーに広告表示ができ、直接アプローチできる」ことです。 リスティング広告は検索したキーワードに連動して表示されます。 ユーザーは興味関心があるからこそ検索をするため、ニーズや目的があるユーザーが入ってくる可能性が高いです。 その結果、CVする見込みが他の広告よりも高いと言えます。
2つ目のメリットは「数値をもとに広告改善が行える」ことです。 リスティング広告だけでなく、運用型広告全般に当てはまるメリットですが、クリック数やコンバージョン数、インプレッション数など細かい数値を把握することができるため、修正・改善がしやすいです。
3つ目のメリットは「リアルタイムで臨機応変な運用が行える」ことです。 どんなに綿密に計画し設定をしていたとしても、上手くいかないケースはあります。 そんな時、リスティング広告であればすぐに修正することができます。
また、リアルタイムで設定変更が行えるため、PDCAサイクルを回すスピードが早くすることもできます。
4つ目のメリットは「即日配信スタートできる」ことです。 多少の設定は必要ですが、リスティング広告に出稿すること自体は2~3時間もあれば完了します。 例えば、セミナー参加者を増やすための集客を今すぐ始めないといけない事態が起きた時、 リスティング広告であれば、すぐに出稿できます。
5つ目のメリットは「少額からスタートできる」ことです。 そもそも広告は必ず成果が出るとは限らないです。 費用がかかる以上、一定のリスクがあります。 広告主、サイト運営者の皆様の中には売上規模が小さいのに、莫大な広告予算を用意できないと考える方も多いと思います。 そんな方でもリスティング広告であれば、少額から試すことができます。
6つ目のメリットは「ターゲット層を細かく絞ることができる」ことです。 広告配信する際、事前に特定の条件に当てはまるユーザーのみに広告を表示するように設定することで、特定のターゲット層のみを誘導でき、他の広告よりも費用対効果が良くなるケースがあります。
以下の条件でターゲット層を絞り込むことが可能です。
上記の条件絞り込みをすることで以下のことができます。
デメリットは以下の3つになります。
1つ目のデメリットは「広告慣れしているユーザーのクリック率が低い」ことです。 実は、リスティング広告で検索結果上部に表示されているからといって、アクセス数が沢山稼げるとは限らないです。 リスティング広告を知っているユーザーが意図的に広告を避けたり、リスティング広告と知らなくても潜在的に広告ページを避けたりするケースがあるからです。 一般的には、リスティング広告のクリック率は2~6%ぐらいと予測されています。 実際にアメリカのマーケティング会社の調査ではリスティング広告の平均クリック率は3.17%というデータもあります。
引用:すべての業界のGoogle広告の平均クリック率は3.17% Google Ads Benchmarks for YOUR Industry
2つ目のデメリットは「競合他社との入札競争が激しい」ことです。 広告主、サイト運営者の皆様からしてみれば、費用かけてリスティング広告をするなら一番目立つ検索結果 1ページ目上部の「プレミアムポジション」に表示させたいと思うでしょう。 しかし、リスティング広告の掲載順位を決める要素として入札単価があり、なるべく上部に表示させようとすると入札単価が高くなります。 入札単価が高くなれば、おのずと月間の広告費も高くなってしまいます。
3つ目のデメリットは「認知としての広告には活用が難しい」ことです。 まだ、世に出ていない商品サービスなど認知されていないものを検索することは、基本的にないと思います。 そのため、リーチ数の最大化を狙ったり、認知度を高めたりといった効果は見込めないです。
もし、目的が幅広く認知させたい場合はリスティング広告ではなく、SNS広告やディスプレイ広告、マス広告(TVやサイネージ、タクシー広告)の方が良いでしょう。
リスティング広告のメリット、デメリットをご理解頂いたところで、次にリスティング広告と相性のいい商品・サービスの特徴についてご説明いたします。
相性のいい商品・サービスの特徴について理解することで、ご自身の商品・サービス・サイトがリスティング広告と相性が良いか悪いか判断することができます。 もし、リスティング広告を運用するか迷っている際、検討ポイントの1つとしてなれば幸いです。 気をつけて頂きたいのは相性のいい商品・サービスの特徴に全て当てはまっていなくても、相性が良い可能性がありますので、気をつけましょう。
特徴は大きくわけて以下の6つになります。
特徴1つ目は「顕在層向けキーワードと検索ボリュームがある」ことです。 顕在層向けキーワードとは、顕在層のユーザーが検索するようなキーワードのことです。 例えば、パソコンを買うか考えている時、「パソコン おすすめ」「パソコン 比較」「パソコン 高スペック」と検索する可能性が高いです。 このように、成約、購入に繋がる「顕在層向けキーワード」があるかどうかはリスティング広告に出稿するには必要です。
また、「顕在層向けキーワード」があったとしても検索ボリューム数がなかったり、 そもそも認知されておらず商品・サービスのキーワードで検索すらなかったりする場合、リスティング広告との相性は良くない可能性があります。 そのため、顕在層向けキーワードと検索ボリュームがあるか確認した方がいいです。
また逆に検索ボリュームが大きすぎるキーワードは、競合性が高い傾向にあります。 そうなってくると、リスティング広告を表示させるのに、苦労する可能性もあります。
ちなみに、業界や商品、サービスによって左右されますが、リスティング広告を検討できる月間の検索ボリュームは少なくとも100以上は必要です。
検索ボリュームを調べられる無料ツール
特徴2つ目は「CVのハードルが高すぎない」ことです。 CVのハードルはリスティング広告をする上で、非常に重要になってきます。 どんなにユーザーを集めてきても、CVにならないのであれば広告費が無駄になってしまいます。 そのため、ある程度CVが見込めるサイト又は商品・サービスでないといけないです。 もし、ランディングページを用意してない場合は、CVのハードルが高すぎる商品・サービスではないかという予測で判断しましょう。
特徴3つ目は「関連するキーワードで競合他社が出稿している」ことです。 いくつかの検索キーワードで検索をかけ、サイトや商品、サービスの顧客層が重複している競合他社のリスティング広告の出稿状況を調べてください。 もし、競合他社が長期間にわたって出稿している場合、リスティング広告と相性が良く上手くいっている可能性が高いです。
逆に検索ボリュームは多いにも関わらず、リスティング広告に出稿している企業がいない又は1,2社程度の場合、 以下の理由が考えられます。
特徴4つ目は「文章で魅力を伝えられる」ことです。 リスティング広告の基本的な構成は「表示URL」「見出し」「説明文」「広告表示オプション」の4つです。 どれも文字や文章で成り立っているため、文章で魅力や価値を表現できないとユーザーにクリックしてもらえないからです。
もし、写真やビジュアルで魅力や価値を表現できるものであれば、ショッピング広告やバナー広告の方が良いでしょう。
特徴5つ目は「緊急性が高い商品やサービスである」ことです。 緊急性が高いと、CVR(成約率)が高くなり、1件のCVに必要なユーザー数は少なくて済みます。 その結果、費用対効果が良くなるケースが多いからです。 例えば、自宅の前で自宅の鍵を無くしていることに気づき、すぐに鍵を作りたい場合 「○○区 鍵屋」「鍵 なくした」など検索される方が多いです。 「鍵を無くした」などの緊急性の高い時、なるべく短時間で依頼先を探しますよね。 そのためCVRが高くなります。
特徴6つ目は「商品・サービスの単価や利益、LTVがCPAを超える可能性がある」ことです。 つまり、リスティング広告をすることによって成約・購入された商品・サービスの単価や利益が、CPA(1件成約・購入されるのにかかる広告費用)を超えているかどうかということです。
例えば、1個購入されると5,000円の利益が出る商品に対してCPAが3,000円の場合、費用対効果が良いので、その商品とリスティング広告は相性がいいと言えます。
一方、商品・サービスの単価や利益が低い場合、費用対効果が悪く相性が悪いと言えます。 しかし、商品・サービスの単価や利益が低いがCPAより低くても問題ないケースがあります。 それはLTVが高いケースです。LTVは1人当たりの顧客から生涯にわたって得られる利益のことです。 商品・サービスの単価や利益が低くくてもLTVがCPAを上回っていれば、費用対効果が良いと言えます。
リスティング広告について理解頂けましたか。 広告主やサイト運営者の皆様はご自身のサイトがリスティング広告との相性がいいかどうかご判断できれば幸いです。 しかし、結局のところ実際にリスティング広告に出稿してみないと、相性がいいのかどうかははっきりとわからないです。 リスティング広告との相性を見極めるポイントに当てはまっている数が少なかったとしても、上手くいくケースはあります。
逆にポイントに当てはまっていたとしても、不安は多いかと思います。 もし、不安であれば豊富な実績のある私たちにご相談して頂けたらと思います。
また、キーワードの選び方や運用の仕方1つでリスティング広告の効果は大きく変わります。 せっかく費用をかけて出稿するのであれば成功させたいですよね。 もし、ご自身でリスティング広告の運用を行うのであれば、下記記事を読んで頂いたうえで、少額から試して頂けたらと思います。
伊藤 康貴
マーケティング部
2018年Web広告会社に入社、比較メディアやSEOのコンサルティング営業に従事。3年間で200社以上の企業様の集客に携わる。 より集客の見識を深めるために2021年フルスピード入社。 オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティング、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務を担当している。
リスティング広告の文字数一覧!効果的な広告文を作成しよう
サジェストとは
自社の商標キーワードが出稿される…。違法性と停止方法を解説
検索エンジンとは
初心者向け!リスティング広告のキーワードの選び方のコツ
リスティング広告におけるキーワードのマッチタイプ解説ガイド
【運用型広告の担当者必見】CVR低下のおもな原因と改善のための3つのポイント
ディスプレイ広告とは?GDN・YDNの違いやフォーマット・成功事例まで
トリプルメディアとは?メディアごとの特徴とその活用方法
YouTube広告の種類と課金形態を解説!目的に合わせた選び方とは?
リスティング広告とは?相性良い悪い?出稿するか悩んでいる方にわかりやすく解説
Webマーケティングにお困りの際は お気軽にご相談ください