【連載】検索アルゴリズムの200要素を公開|SEOの基礎力講座 Vol.03
【連載】ペンギンに捕獲される不自然リンク|SEOの基礎力講座 Vol.06
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公開日:2016年10月19日
最終更新日:2024年06月03日
こんにちは。Growth Seed編集部です。
2012年4月にWebスパムを排除するために導入されたアルゴリズム、ペンギンアップデートが約2年ぶりに更新されました。
アップデート最大の特徴は、手動更新だったものがアルゴリズムに含まれたことで、リアルタイム更新に変わったことです。そして、順位を下げるなどのペナルティではなく、リンクの評価を下げたり評価を無効化するよう仕組みも変わりました。従来は、ペナルティーとしてマイナス評価をしていたものを、得点を下げたり、評価を0にするイメージです。
いずれにしても、Googleのガイドラインに反する行為を行っているサイトは、検知されたタイミングで順位変動が起こる可能性があります。
被リンクを集めるために良かれと思っていた対策が、実はガイドラインに反する行為なのでは?そんな不安を抱いている方もいらっしゃると思います。
今回は、そんな不安を払拭するために、Googleガイドラインに反する、ペンギンに捕獲される可能性が高い不自然リンクの例を紹介します。
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目次
相互リンク
リンクを集める手法として、多くの方に知れ渡っている対策だと思います。私も一昔前、個人サイトを運営していた時は多くのサイトから相互リンクの依頼がきたものです。
良かれとやっていた方もいたと思いますが、ガイドラインに反します。
Googleのガイドラインにも以下の記述があります。
過剰なリンク交換、または相互リンクのみを目的としてパートナー ページを作成すること。
引用:Search Console ヘルプ
相互リンクで何が問題かというと、第三者からの評価ではなく相互協力によるリンク収集が目的になっていることです。それと、関連性です。例えば、北欧の雑貨を販売しているサイトに” 薬剤師 求人 “などでリンクがあったらユーザーは不自然に感じますよね。リンク先との関連性が全くなく、ユーザーが必要とする情報ではありません。
関連企業同士で相互リンクをする場合があると思います。いわゆるクロスリンクです。この場合、正当な理由があり過剰でなければマイナスになりません。わざわざ「rel=”nofollow”」を付ける必要もありません。ただし、露骨にキーワードを含むアンカーテキストにして、多くのサイトとクロスリンクすることは避けましょう。
ディレクトリリンク
ディレクトリサイトは、Googleなどのロボット型検索エンジンが誕生する前に主流だったものです。ジャンルごとにフォルダ分けした中からサイトを探せるスタイルです。代表的なディレクトリ型検索エンジンだったのがYahoo!JAPANです。今では想像もつかないかもしれませんが、TOPページにはジャンルごとに分けたフォルダ階層があり、その中から掲載されているサイトを探し出すアナログ的な仕組みだったのです。
この仕組みを応用すれば、あらゆるサイトからリンクが得られる!と、登場したのが、Yomi-search(ヨミサーチ:ディレクトリ型の自動登録型サイトを作れるシステムのこと)系のディレクトリサービスです。審査もなしにどんなサイトでも無料登録できる仕組みです。
ユーザーを対象にしたサイトではなく、リンクの効果を得ることだけを目的としている低品質のディレクトリサイトは、Googleのガイドラインに反するサイトと判断されます。
2013年にGoogleが不自然リンクとして認定したことを機に、リンクの効果が疑問視されディレクトリサービスは衰退しました。今では評価が下がる、あるいはリンクの価値が無効化されます。
Googleのガイドラインにも以下の記述があります。
質の低いディレクトリやブックマーク サイトのリンク。
引用:Search Console ヘルプ
前任の担当者が役立つ行為と思い登録したものの、登録時のPASSが分からないために削除が行えず放置されているサイトも多く見かけます。そんな時は迷わず否認対象にしましょう。
ウィジェットリンク
Webサイトで使われるウィジェットは、サイト内に埋め込みができるサイトパーツを指します。アクセスカウンターや株価情報が一目でわかるパーツなどです。
最近ではスマートフォンのアプリでよく目にすると思います。アプリを開かなくても、ホームで表示される天気情報などが分かりやすい例です。
パーツを配布すること自体が悪いわけではありません。有益なウィジェットは多くあります。ウィジェットに強制的に設置されているリンクが問題になります。例えば、ウィジェットの下に「Powered by○○」で配布先のリンクが設置されていたとします。これは、設置サイトがユーザーに対してお薦めしたリンクではなく、配布先が強制的に設置したもので自然に発生したリンクではありません。当然、不自然リンクと判断されます。
2016年9月8日に、Googleウェブマスター向け公式ブログでガイドラインに反するウィジェットの例が紹介されています。
有料レビュー記事
代表的なものは”Advertorial(アドバトリアル)”と呼ばれる、PR記事や記事広告で悪用されるケースです。
Advertorial広告記事自体は決して悪いプロモーションではありません。記事広告は一般的な手法ですよね。第5回の「コンテンツで被リンクを増やす方法」で紹介したタイアップ系コンテンツです。
では、どのようなケースがGoogleのガイドライン違反に該当するのでしょうか。
・文中の文字列に意図的に多くのリンクを設置する行為
・対価を支払って多くのサイトにリンク付きの記事を書いてもらう行為
・商品を無料配布し対価としてレビュー記事を書いてもらう行為
・プレスリリースで人工的にリンクを設置する行為
など、これらはすべて不自然リンクとして処理されます。
リンクネットワーク
リンクファームやリンクプログラムと呼ばれることもある、組織的に構築された人工サイト群のことをいいます。
リンクネットワークは様々な形態があるのですが、よく見かける事例を紹介します。
脱毛サイトで順位を上げることを目的と仮定します。
脱毛に関わる美容系のサイトを大量に制作します。これらはユーザーの来訪を目的としたものではないものの、対検索エンジン用にある程度の品質を保ちます。検索エンジンはリンク元のサイト品質も判断材料にするからです。そして、すべてのサイトを相互リンクで結びます。すると、脱毛に関わる、関連性が一致したサイト群がリンクで結ばれた状態になり、かつ相互でリンクが得られるので、それぞれのサイトにリンクパワーもつきます。このようなサイト群を1つではなく大量に用意し、そこから被リンクを得る行為がリンクネットワークです。
ブラックハットの代表例ですね。
Google日本は、2014年4月と2016年2に日本語のいくつかのサイトネットワークに対して対策を施したと発表しました。2回だけではなく頻繁に取り締まりをしていることも当社で確認しています。当然ですが、Googleは不自然なリンクネットワークを検知できます。
ブラックすぎる外部対策
こんな怖い例もあります。いまでは怖すぎて見向きもされない対策です。
2007~2008年くらいに配布されたリンクパーツの例です。
疑似インラインフレームでリンク集が設置され、見た目は5つほどのリンクしか認識できません。しかしHTMLソースを確認すると、なんと!90~100のリンクが設置されています。” 審美歯科 ” ” ダイエット “など、分かりやすいキーワードでアンカーテキストが設置されているブラックな対策です。
極端な例になりますが、ユーザーや検索エンジンを欺く迷惑行為はスパムと認定されます。最近、リンクをラベル付するシステムがあることをGoogleのGary Illyes氏が明らかにしました。想定になりますが、悪質なスパムと認識された場合は通常よりも重い処罰を受ける可能性があります。
絶対ダメ!スパムリンク
検索エンジンスパムとは?何とか検索結果の上位に表示させることを目的に、検索エンジンを欺く行為全般をいいます。これまで紹介した内容もスパムに該当します。
検索エンジンは日々進化しているものの完成形ではありません。まだどこかに脆弱性が潜んでいるかもしれません。そのような検索エンジンの隙間をつく研究に没頭している方々もいます。スパマーと呼ばれる人たちです。
実際に遭遇したスパムの例を紹介します。相当昔になりますが、とあるサイトを調査していた際に発見したスパムです。
301リダイレクトの特性は以下です。
・リダイレクト先をインデックスする
・リンクを引き継ぐ
この特性を逆手に取ったスパム事例です。
上位表示を狙いたいサイトとは別に、同ジャンルのサイトを用意します。ここではクッションサイトと呼びます。このクッションサイトに対して多くの被リンクを設置します。リンクページの質は問いません。ただし、上位表示を狙いたいキーワードを含むアンカーテキストでリンクをします。クッションサイトに質を度外視した多くのリンクが集まるわけです。仕上げは、クッションサイトから上位表示したいサイトに対して301リダイレクトを設定します。そして、同様のやり方で多くのクッションサイトを用意し301リダイレクトをすれば完了です。
手の込んだ仕掛けですが、調査した当時はこのリンク効果で上位表示されていました。当然のことですが、今では全く効果はありません。他と同様にGoogleはこのような悪質なスパム行為を見逃しません。
ホワイトな対策をするには、逆にブラックな対策も知る必要があると思うのです。そうでないと、いざという時にブラックな対策に気づかず見落とす、あるいは気づいても対処法が分からないからです。という理由で、あえてブラックなスパム事例も紹介させていただきました。
困ったときの不自然リンクの探し方
不安に感じたかたは早速リンクをチェックしてみましょう。
最も正確な確認方法は、Google Search Consoleからダウンロードしたリストで精査することです。
01. ログイン
02. ダッシュボードの検索トラフィックをクリック
03. サイトへのリンクをクリック
04. 詳細をクリック
05. 最新のリンクをダウンロードする
さて、ここで問題なのがダウンロードしたリストの中身です。リンクが設置されているURLと検出日しか情報が得られません。アンカーテキストやalt、リンクが設置されているページタイトルなどが分からないのです。URLを見ながら勘を頼りに、あれこれと探すしかありません。
そこで、URLから不自然リンクのサンプルを抽出する簡単な方法を紹介します。
- 1.相互リンク
- ディレクトリ名称やページURLに”link”が含まれているケースが多いです。
フィルターで”link”が含まれるURLだけを抽出してみましょう。 - 2.ディレクトリリンク
- 同じく”dir””cate”が含まれているケースが多いです。
フィルターで”dir””cate”が含まれるURLだけを抽出してみましょう。 - 3.リンクネットワーク
- URLに特徴があるケースが多いです。
ページURLが”1.html”、パラメータ付になっている。日本以外の国コードトップレベルドメインから多くのリンクがある。など。
さっと全体を見て特徴があるサイトをピックアップしてみましょう。 - 4.その他
- 検出日が古いサイトを確認します。一昔前に横行したブラックハットのリンクが見つかる可能性があります。
この方法で確認すると、何かしらの不自然リンクが抽出できるかもしれません。その先は、専門的な知識が必要になります。
最後は広告になり恐縮ですが、当社ではリンクチェックサービスをご提供しています。ご自身で確認するには量が多い、時間がないなどでお困りの方はご一報ください。
第7回目の「その使い方大丈夫!?正しいマーケティング用語」は2016年10月26日(水)掲載です。
今しばらくお待ちください。
それでは、引き続き宜しくお願いします!
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