2016年06月15日
以前掲載したコラムGoogle検索「だけ」で居酒屋を探す、3つの便利なテクニックでは、Google検索だけで居酒屋を探すテクニックをご紹介しました。今回はその続編として「駅名 + 居酒屋」とよく組み合わせて検索されるキーワードから、山手線29駅それぞれでどんなことがよく検索されているのかを追ってみます。
今回の調査では、「駅名 + 居酒屋」とそれに付随する検索キーワードの傾向を、Google Adwordsキーワードプランナーの月間平均検索ボリュームで比較しています。 ただし、この手法では下の表のように、それぞれの駅ごとに「駅名 + 居酒屋」と検索されるボリュームに差があります。
そこで、このコラムでは2つの指標を使って考察することにしています。
この指標をもとに、以下のキーワード群による検索ボリュームの比較を行っています。
目次
まずは「駅名 + 居酒屋」の検索キーワードから、居酒屋を探している人が多い街、少ない街を見てみましょう。こちらでは月間平均検索ボリュームのみを比較しています。
おおよそ予想どおりですね(笑) やはり大きな繁華街のある街がランキングに入っていますが、新宿の検索数は抜きん出て多くなっています。なお「個室」の複合キーワードでは「上野」と「品川」が同じ検索ボリュームと割合のため、同率として掲載しました。 それでは、ワースト5はどうでしょうか?こちらの図をご覧ください。
意外にも「目白」が最も検索数が少ない結果になりました。住宅地や学校が多い土地柄が影響しているのかもしれません。 ですが、飲食店の多い新大久保も少ない方に分類されるのは意外ですね。 この辺りにお勤めの方は「せっかく飲むならいろんなお店のある新宿や池袋に行って飲もう!」といった気持ちになりやすいのでしょうか……。この後に紹介する複合キーワードでの比較結果にも通じますが、検索ボリュームとグルメ紹介サイトの掲載店舗数などのデータもかけ合わせてみると、さらに面白いことになりそうです。
賑やかな雰囲気でお酒を飲むのもいいものですが、静かな個室でプライベート空間の中お酒を愉しみたいという人も多いのではないでしょうか。 「個室」の複合キーワードは、どのエリアでも人気です。
「居酒屋を検索されやすい駅のベスト5」には入っていない、有楽町が4位にランクインしています。 検索ボリュームの割合で見ると新宿と同じ程度となっており、有楽町では個室の居酒屋は探している人が多い傾向にあるようです。有楽町は銀座エリアも近いので、銀座に遊びに行って有楽町で一杯……といった過ごし方をされる人もいるのかもしれませんね。 では、ワースト5の方はどうでしょうか。
「居酒屋を検索されやすい駅のワースト5」とほぼ同じですが、「大崎」が「大塚」の代わりにランクインしています。「大崎」は「五反田」と「品川」に挟まれる形ですが、「大塚」は隣の駅が「池袋」という繁華街。人の出入りが激しい駅の隣は、複合キーワードでも検索ボリュームが流れやすいのかもしれません。
次に、これまた定番の複合キーワード「駅名 + 居酒屋 + 安い」の検索を見てみましょう。 実は、ここから少し変わった傾向が見えてきます。
「安い」の複合キーワードは、新宿や渋谷などをおさえて「原宿」が堂々の第1位。 もともと原宿あたりで居酒屋を探している人の絶対数は多くないとはいえ、このエリアで居酒屋を探している人は「安さ」を求めている人も多そうです。このあたりは「原宿 = 若者や学生の街」というイメージを裏付けるようなデータとも言えそうです(筆者がオッサンだからかもしれませんが、原宿や渋谷はそのイメージが強いのです…)。「御徒町」が5位に入っているのも興味深いですね。
ですが、学生が多い(だろうと言われる)「高田馬場」は上位に入っていないのが面白いところです。高田馬場は元々「安さ」を売りにしたお店が多いのかもしれず、検索で指定するまでもなく安い居酒屋にたどり着きやすいと想像してみると、地域の特徴が見えてきそうですね。それでは、ワースト5はどうでしょうか。
常連と化してしまった駅名がズラリと並ぶランキングです。 先に述べたように「目白」などは極端に「駅名+居酒屋」の検索ボリュームが少なく、割合を指標としても少ない数になりやすいのかもしれません。ただし「居酒屋」ではなく、「カフェ」や「レストラン」など別の検索対象で比較してみると、ランキングが一気に変わりそうな気もします。
「”おしゃれ”な居酒屋ってなんじゃ!」というツッコミは無しとして、これはたぶん、デートとか女子会で使うような、居心地のいい内装やメニューのお店を探しているのではないかと思われます。そのため「居酒屋」というよりは「ダイニングレストラン」や「カジュアルなバー」を求めている人たちの検索キーワードともいえるでしょう。 筆者の予想としては、“おしゃれなお店でお酒を愉しみたいけど、駅名の次に何を入れたらいいのか分からず、とりあえず「居酒屋」で検索してみた。”みたいなイメージです。これも一種のあいまいな検索ニーズと言えそうですが、このフレーズでのベスト5を見てみましょう。
やはり渋谷・新宿・池袋の3大エリアが強いですが、ここでは「東京」と「恵比寿」がランクインしています。 この結果を見て、筆者は”女性同士で買い物や遊びに行って、おしゃれなお店で女子会みたいな感じ”や”カップルで楽しみやすいスポットでデートをして、おしゃれなお店で語らう感じ”などを想像(妄想?)しています。 「おしゃれ」の定義は人によりそれぞれですが、だからこそ、いろいろな人たちの「一日の終わりに、いい感じの空間でお酒を愉しみたい」人が想起しやすい表現なのかもしれません。
実は、ワースト5のランキングは「目白」や「田端」など、これまでの常連地域では検索ボリュームそのものが出ませんでした。そのため、検索ボリュームの出た地域でランキングを作っています。
目白、田端、鶯谷、大崎、大塚、駒込、新大久保、巣鴨 また、サラリーマンの聖地こと「新橋」での検索ボリュームの割合は、ワースト5には入っていないものの0.97ですので、かなり低い地域になっています。個人的にも新橋で「おしゃれな居酒屋」をイメージしにくいのですが、検索ニーズで見ても母数が少ないと言えます。
個室、安い、おしゃれと続いて、最後はデート。 デートで居酒屋に行く人が検索するであろう「駅名 + 居酒屋 + デート」の複合キーワードで、ベスト5とワースト5を見ていきましょう。
やはりと言えばいいのか、何となくデートしている人たちの多そうな街がランクイン。
個人的には「上野」でデートというのが少し微笑ましくも思えてしまうのですが、それはたぶん筆者が常磐線沿線に生まれ育ったからだと思います(笑)。地元住まいだと、何となく上野ってデートとかそういうイメージじゃないんですよね……ですが、上野は上野公園や国立博物館、アメ横など特徴的なスポットが多いエリアですから、展覧会の鑑賞や食べ歩き、公園でデートしてみたい、というときに行きたくなる場所なのかもしれません。
今回は路線を「山手線」に絞っていますが、メトロや中央線などで見てみると、おそらく「六本木」や「吉祥寺」あたりが検索ボリュームやその割合のどちらかでトップランキングに入るのではないでしょうか。
さて、今度はワースト5のランキングです。 このキーワードも「おしゃれ」と同様、以下の駅では検索ボリュームが出なかったので、ランキングの対象外としています。
目白、田端、鶯谷、大崎、大塚、駒込、新大久保、巣鴨、代々木 神田や浜松町、御徒町などが挙がっていますが、これは「新宿が多くて新大久保が少ない」「池袋が多くて目白が少ない」傾向と同じように、「御徒町ならいっそ上野まで行ってしまおう!」という感じなのかもしれません。そうとらえると、神田も「東京まで」浜松町も「品川まで」行ってみようという傾向が見えてくるように思えます。
前回に続き、くだらないテーマの調査記事に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました! ですが、それぞれの地域によって複合キーワードによる検索ボリュームの割合、つまりそのような居酒屋を探している人の割合に、エリアならではのちょっとした違いがあることが見えてきたのではないでしょうか。 ちなみに、月間検索平均ボリュームでは上位の駅だった「新橋」と「秋葉原」ですが、今回の複合キーワードの割合順では上位ランキングの常連というわけではありません。このことからも、「駅ごとの特徴」が見えてくるように思います。
今回の「居酒屋」の複合キーワードの検索動向から「どのエリアに、どんなコンセプトの居酒屋をオープンするといいのか」までも見えてくるというのは、少し言い過ぎでしょうか。
例えば、新橋に居酒屋を出すなら「おしゃれな感じ」はよほどアプローチがうまくないと失敗しそうですとか、有楽町なら「個室」を全面的に押し出した方が駅を利用する人のニーズに合いそう、などです。
「個室」を全面的に押し出した方が良さそうというのは、飲食店をされている方であればそりゃそうですよねという「当たり前の結論」でもあると思います。が、ライバルの数が多ければ多いほど、ライバル店の動向ばかりに意識が向いてしまって差別化を図り続けた結果、肝心のお客様のニーズとのズレが起きてしまっているかもしれません。 どれほど珍しいお店だとしても、そこに来られるお客様や、これから来られるであろうエリア周辺の人たちのニーズとマッチしなければうまくいきにくいと考えています。
オンラインとオフラインの行動がこれだけ密接に連動する時代なのですから、リアルな商売のマーケティングこそ、オンラインで確認する必要があるのかもしれません。
※この記事は、フルスピードが運営する[探す]を楽しむメディア「サチラボ」にて公開した記事を加筆修正したものです。
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