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【2025年版】グレートデカップリングを加味したSEO戦略とは?クリックされない時代の勝ち筋を解説

公開日:2025年10月20日

最終更新日:2025年10月21日

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【2025年版】グレートデカップリングを加味したSEO戦略とは?クリックされない時代の勝ち筋を解説

この記事を読むと理解できること

当記事ではグレートデカップリングが存在する2025年版のSEO戦略として、AI時代に通用する“SEOの勝ち筋”を解説します。クリックされない、それでもインプレッションは増え続けている──それが「グレートデカップリング」と呼ばれる現象です。ゼロクリック検索が当たり前になった今、私たちが考えるべきは、「どう戦うか」ではなく「どう最適化するか」。変わりゆく検索結果UIに対して、どのような思考を働かせ、どのように向き合えば良いのかをまとめます。

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目次

グレートデカップリングとは何か?定義と前提理解

グレートデカップリングとは「検索結果のインプレッション数とクリック数の乖離現象」を意味する

グレートデカップリングとは「検索結果のインプレッション数とクリック数の乖離現象」を意味する

グレートデカップリングとは、検索結果に表示された回数(インプレッション数)は増えているのに、実際にクリックされる回数が減っているというインプレッションとクリックの乖離現象を指します。従来は両者に正の相関があり、「よく表示されるページほど、よくクリックされる」という構図が成り立っていました。

しかし、2024年8月以降、GoogleがAIオーバービュー(自動要約)を本格導入したことで状況が一変。検索クエリに対する答えがAIにより即座に提示されるため、ユーザーが検索結果をクリックせずに満足するケースが増加しました。その結果、CTR(クリック率)という指標だけでは、SEOの成果を正しく測れなくなりつつあります。

グレートデカップリングはAIオーバービューが原因で発生している

グレートデカップリングはAIオーバービューが原因で発生している

前述の通り、グレートデカップリングの主な原因は「Googleが検索結果に導入したAIオーバービュー機能」です。AIオーバービューは、検索クエリに対する要点を自動でまとめ、ページ最上部に表示する仕組みであり、本来ならユーザーがクリックして得ていた情報を、その場で完結できるようにしています。

AIオーバービューが検索結果に導入された結果、検索結果としては多く表示される(インプレッションは増える)のに、ユーザーはコンテンツをクリックしないまま満足してしまい、クリック数だけが減少するという状況が生まれています。これこそが、現在のSEO領域で議論されているグレートデカップリングの本質です。

グレートデカップリングの存在をMartin Splitt氏(Google)も示唆

グレートデカップリングによる検索体験の変化とクリックの乖離については、Google社員のMartin Splitt氏も2025年のイベント「Search Central Live」で言及しています。彼は「AIオーバービューが表示されるとクリック数は減少する傾向がある」と認めた上で、「一方でインプレッション数やコンバージョンの質は向上する可能性がある」とも述べています。検索結果におけるユーザー行動や評価指標が大きく変化しており「従来のSEO戦略思考では通用しない新局面に突入している」と理解できます。

グレートデカップリングが発生しやすいクエリは?(ファネル階層別の発生傾向)

ここで重要なのは「どのようなクエリでグレートデカップリングが発生しやすいのか?」という視点です。つまり、クリックが減りやすいクエリと、そうでないクエリをどう見極めるかが、これからは問われます。検索結果にAIオーバービューが表示されるかどうかはクエリごとに異なるため、クエリ単位でのAIオーバービュー表示傾向を把握し、検索結果のUI構成をこれまで以上に高い解像度で読み取る必要があります。

グレートデカップリングは検索ファネル上部(Knowクエリ)で顕著に発生

グレートデカップリングは検索ファネル上部(Knowクエリ)で顕著に発生-グレートデカップリングが発生しやすいクエリは?(ファネル階層別の発生傾向)

結論、グレートデカップリングは検索ファネルの最上層、つまり「Knowクエリ」で特に顕著に発生しています。対して、検索ファネルの下部、つまり「BUYクエリ」に進むほどグレートデカップリングは発生しなくなる傾向が得られています。AIオーバービューは一般的・抽象的な質問に強く、浅い検索意図になりやすいKnowクエリに対して表示されやすいことを覚えておくと良いです。具体的にどんなクエリでグレートデカップリングが発生しやすく、どんなクエリで表示しづらいか以下に示します。

グレートデカップリングが発生しやすいキーワード(=Knowクエリ、潜在層向け)

グレートデカップリングが発生しやすいキーワード(=Knowクエリ、潜在層向け)

グレートデカップリングは「Knowクエリ」の検索時に発生しやすいとされています。もっと具体的に説明するならば、「〇〇とは」「△△の意味」「◇◇の定義」といったクエリでAIオーバービューが高頻度が表示されるため、グレートデカップリングが発生しやすい状態となる、ということです。

Knowクエリは検索ファネルの最上部に位置するクエリで、AIオーバービューが表示されやすいクエリと理解しておくとよいでしょう。実際に、Search Consoleのデータを見ても、Knowクエリではインプレッションが伸びているにもかかわらず、CTRが極端に低下する傾向が顕著です。つまり、これらのキーワードで上位表示されても、クリックに繋がりづらい構造であることを理解し、記事設計やKPI設計を見直す必要があります。

グレートデカップリングが発生しづらいキーワード(=BUYクエリ、顕在層向け)

グレートデカップリングが発生しづらいキーワード(=BUYクエリ、顕在層向け)

一方で、検索ファネルの下層に位置する「BUYクエリ」ではグレートデカップリングが起きにくい傾向があります。例えば、「商品名+口コミ」「20代+女性+プレゼント」「カメラ+5万円以下」「ホテル予約+サイト名」などのBUYクエリではAIオーバービューが発生しづらいということです。

要するに、「検索ファネルの深い位置に存在するクエリ」でコンテンツ制作すると、AIオーバービューが発生しづらく、結果的にグレートデカップリングの影響を受けづらいということが理解できるはずです。検索ファネルの中〜下部に位置する「顕在層」向けのキーワードは、検討ユーザーが「信頼性の確認や価格の精査を目的に複数サイトを閲覧する」ため、このフェーズでは従来のSEO戦略によるクリック獲得が依然として効果的だと言えます。

グレートデカップリングは本当に悪いのか? 〜戦略的ポジティブ転換〜

ここで「グレートデカップリングの是非」について改めて考え直してみましょう。グレートデカップリングは「ネガティブな現象」と捉えられがちですが、本当にそうでしょうか?今こそ発想を転換するべき時です。

AIオーバービューに表示されているというポジティブなシグナルである

AIオーバービューに表示されているというポジティブなシグナルである

実は、グレートデカップリングが発生しているということは、あなたのコンテンツがAIオーバービューに引用されている可能性が高いことを意味します。これは、GoogleのAIがあなたの情報を「信頼できるソース」として評価している証であり、ブランドやドメインにとって極めてポジティブなシグナルといえるのではないでしょうか。

たとえクリックが発生しなくても「検索結果の最上部に可視化されていること自体」が強力なブランディング効果をもたらします。つまり、検索体験の構造が変化しただけであり、評価や影響力が落ちたわけではないのです。

AIオーバービューへの情報提供者になることのSEOの資産性は高い

AIオーバービューへの情報提供者になることのSEOの資産性は高い

GoogleのAIは、無数の情報源から信頼性・網羅性・専門性を評価し、AIオーバービューを生成していると考えられます。そこに自社のコンテンツが引用されるということは、「AIに学ばれている状態」=検索エコシステムの中核に位置していることを意味します。これは、今後のSEO戦略において極めて重要なポジションです。たとえクリックが発生しなくても、「ブランド想起・指名検索・ナーチャリング効果」といった中長期的な成果につながる“見えにくい接点”を生み出せるのです。

従来のSEO評価ではクリック数の減少がネガティブに捉えられがちですが、「AIにどれだけ参照されているか」という新しい視点で成果を測ることで、むしろ長期的なSEO資産を築いていることに気づけるはずです。やはり検索における可視性の価値は「クリックの有無」だけでは測れない時代に入っていると感じます。

ゼロクリック検索時代のSEO戦略 〜不可逆な変化への対応〜

ゼロクリック検索の増加はもはや不可逆

グレートデカップリングの背景には「AIオーバービューによるゼロクリック検索の増加」があります。ユーザーが検索結果をクリックせず、AIが提示する要約情報だけで満足してしまうこの現象は、もはや一時的なものではなく、AIオーバービューが存在する限り不可逆的な構造変化といえるでしょう。

つまり、これからは「検索結果に表示されればクリックが得られる」という従来の前提は通用しません。今後のコンテンツ制作では、AIオーバービューに吸収されにくいクエリ、すなわち「比較検討・意思決定・具体的な情報」が求められる検索意図を狙って、戦略的に対策を講じていく必要があります。

「どう戦うか」ではなく「新しい検索UIにどう最適化させるか」が重要

これからのSEOで問われるのは、「どうクリックを取り戻すか」ではなく、「変化した検索UIにどう適応するか」という視点です。AIオーバービューをはじめとしたゼロクリック構造が前提となった今、私たちは従来とはまったく異なる検索フィールドに立っていることを認識する必要があります。

重要なのは、ゼロクリック検索を受け入れたうえで露出の最大化とブランド認知、他チャネルへの導線強化を戦略に組み込むことです。Googleが重視する「ユーザー中心の情報提供」にいかに貢献できるかという観点から、SEO戦略を再構築することが「これからのSEOの勝ち筋」となるはずです。

グレートデカップリングありきのこれからのSEO戦略3選

ここでは、グレートデカップリングが前提となる今の検索環境において「これからどのようなSEO戦略を描くべきか」について、具体的に実践的なアプローチを3つご紹介します。

1.グレートデカップリングが発生する前に「刈り取る」SEO戦略

グレートデカップリングが発生する前に「刈り取る」SEO戦略

1つ目の手法は「グレートデカップリングが起きる前に検索流入を刈り取る」といった先手型のSEO戦略です。実は、新しく登場した概念やトピックは「AIが十分な情報を持っていない」ため、AIオーバービューが生成されにくい初期フェーズがあります(※KnowクエリでもAIオーバービューが表示されづらいというのがポイント)。この期間中に記事を公開し、上位表示を獲得すれば、ゼロクリック化する前に検索流入を刈り取ることができます。これは、いわば「グレートデカップリング発生前に勝負を決める」攻めのSEO戦略と言えます。

GoogleはXやTikTokやInstagramなどの競合媒体より魅力を高めるために、常に新しいクエリに対する高品質な情報を欲しており、ここに素早くコンテンツを供給することはSEO的にも、AI学習における信頼性確立という意味でも、非常に価値のある施策といえるでしょう。

2. 検索ファネル深部を狙った「コンバージョン直結型コンテンツ」のSEO強化

検索ファネル深部を狙った「コンバージョン直結型コンテンツ」のSEO強化

2つ目の手法は「従来型SEOの成果が最も発揮される領域」を見極めて、戦略的にコンテンツ強化していくSEOアプローチです。情報収集を目的とした「Knowクエリ」がゼロクリック化する今、SEO戦略の重点ポイントは「検索ファネルの中間〜下部」へと移行しています。特に、「比較」「選び方」「導入事例」「課題解決」といったクエリを狙ったコンテンツ情報は、ユーザーの購買意欲や検討意欲が高く、AIも一概に要約しきれない領域です。

このような深層クエリに対して、具体的かつ信頼性の高い情報を提供することで、検索からのクリックとコンバージョンの双方を獲得できる可能性が大きくなります。言い換えれば、「今クリックを狙うならファネルの深部こそ最大のチャンス」ということです。ゼロクリック時代の今だからこそ、「従来型SEOの成果が最も発揮される領域」を見極めて、戦略的に強化していく必要があります。

3. ゼロクリックを前提とした「ブランド認知・指名検索」への投資

ゼロクリックを前提とした「ブランド認知・指名検索」への投資

3つ目の手法は、ゼロクリックを前提とした「ブランド認知・指名検索」へのSEO投資です。今後のSEOは、「クリックされない前提」で考えるべき局面が増えていきます。そこで重要になるのが、検索を通じた「認知」の蓄積と、その後の「指名検索」や「SNS接触への誘導」です。

AIオーバービューに表示された際、ユーザーが目にするブランド名やURLの一瞬の露出が、後の指名検索やSNSフォロー、あるいは直接訪問に繋がることも少なくありません。つまり、検索における最終的なKPIを「クリック」から「想起・認知・再接触」に移すことで、ゼロクリックをも成果に変えるSEO戦略が可能になります。

【まとめ】「AIに再定義された検索ファネル」を理解しSEOに取り組みたい

2025年現在、検索体験はかつてないスピードで変化しています。グレートデカップリングのように「インプレッションとクリックの関係が乖離する現象」は、検索が「読むもの」から「答えを得るもの」に変化している証でもあると言えます。いつの時代もSEOにおいて重要なのは、検索環境の変化を嘆くことではなく、「どう適応するか」だと考えます。

ゼロクリック検索の時代においては、浅いファネルでAIに引用され、深いファネルで意図の強いユーザーを捉えるという二段構えの戦略が求められます。今後は「AIに学ばれるコンテンツ領域」と「AIに参照されづらいコンテンツ領域」の2領域を意識しながら、検索エコシステムにおける自社の存在感を確立することが、SEOの成功を左右する鍵になるでしょう。

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