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今さらだけど知りたい、読点の使い方
- ライティング
公開日:2014年09月02日
最終更新日:2024年08月08日
今回は読点の正しい使い方について考えてみたいと思います。
文章を書く上で、読点は必ず打たなければいけないものではありません。読点がなくてもすんなり読める文を心がけるのが理想です。昔は句読点が存在せず、文章をまだよく知らない人が理解できるよう、練習用のために句読点は生まれたとも言われます。しかし読点があった方が、より読みやすいものになることは確かです。
それでは、読点の数、読点の打ち方、そしてどうすれば上手く使えるようになるかの順で解説していきましょう。
目次
読点の数に基準はある?
読点を過剰に入れていないか、もしくは少ないのではないかと心配に思った経験はないでしょうか。
そこで実際のところどうなのかと、ライター5人を無作為に抽出し、それぞれ2記事(各1,200文字程度)、計10記事の句読点の数を数えてみました。結果は、1,200文字につき読点が平均34個、句点が23個。ライターごとの差はほとんどありませんでした。また、1,200を句点の数で割って一文当たりの文字数を出すと、一文当たりの読点の数も算出できます。
・1,200文字当たり読点の数=34個(2.83%)
・1,200文字当たり句点の数=23個(1.91%)
・一文当たり文字数=約52文字
・一文当たりの読点の数=約1.5個
この数字から、一文で使われる読点の数は1個から2個であることが多いことがわかります。この数を大きく外れた文章は、読者に違和感、抵抗感を与えてしまうかもしれません。
自分の書いた原稿には、句読点がどのような割合で含まれているのか、一度確認してみるのも面白いでしょう。例えばMicrosoft Wordの検索機能を使うと、「、」や「。」を打ち込むことで合計数を出すことが可能です。
読点の打ち方は?
それでは、どんな位置に読点を打つべきか、いくつか挙げてみましょう。
・意味が二重に解釈されてしまう場合に打つ
読点がないと意味が二通りに解釈されてしまう文には、読点が必要です。
「岡村さんはバンジージャンプしながら笑っている鈴木さんを睨んだ」
だと、岡村さんが嫌々バンジージャンプをしているのか、鈴木さんが楽しそうにバンジージャンプしているのかわかりません。
「岡村さんはバンジージャンプしながら、笑っている鈴木さんを睨んだ」
これであれば、鈴木さんでなく岡村さんがバンジージャンプしていることがわかります。
「岡村さんは、バンジージャンプしながら笑っている鈴木さんを睨んだ」
逆にこれだと、楽しそうにバンジージャンプする鈴木さんに対して岡村さんが睨んだことになります。
・長くなった主語の後に打つ
「高いところが苦手な岡村さんは、すぐに帰った」
主語の後に打つ読点については、長さに関係なく読点を打つとする説と、長い場合だけ読点を打つとする説があるようです。主語だからといって何でもかんでも読点を付けるのもよくないと思うので、長くなった主語の後に打つことだけをおすすめしたいと思います。
・文頭における「そして」「しかし」などの接続詞、「ときどき」「もっと」など副詞の後ろに打つ
「なぜなら、岡村さんは鈴木さんに騙されていたからです」
読点がなくても問題がないように思えますが、あった方がよりすんなりと頭に入ってきます。
・重文、複文のつなぎの部分に打つ
主語と述語が一文内に二つ以上含まれるものを、重文か複文といいます。文が二つも入っているわけですから、読点で分けないと読み取りづらくなります。
「重文」の場合
「岡村さんは川遊びを提案し、鈴木さんは山登りを提案した」
「複文」の場合
「鈴木さんが高所恐怖症を克服したことを、岡村さんは知った」
他にも、項目を連続して挙げる場合や、ひらがなが続く箇所を読みやすく区切るためなど、細かく言うともっと様々な使われ方があります。
読点を上手に打てるようになるには
実際には、主語や述語、接続詞や副詞、重文や複文などを意識しながら読点を打つ人はほとんどいません。これまでの経験を元に、無意識の内に打っています。では読点の使い方に自信がない人は、どのようにすれば上手に打てるようになるでしょうか。
声に出した時スムーズに読めるかどうかを一つの目安にしてみる
頭の中で声を出して読むようにしてみると、読点の打ち方が適切かそうでないか時間をかけずにチェックできます。自然な位置に読点が入っていれば、息継ぎもタイミングよく行え、気持ち良く読み進めることができるでしょう。
書き終わったら、誰かに語りかけるつもりで、原稿を頭の中で声に出して読んでみてください。
上手な人に修正指示を出してもらう
書くのが上手な人に、文章の良し悪し含め、修正の赤字をたっぷり入れてもらいましょう。読点の位置ではなく、文章そのものが問題ということが多いこともわかるはずです。
また、上手な人の文章をたくさん読んでみるのもいいでしょう。良い文章をそのままタイピングしてみるのも、どんなリズムで書かれ、どんなタイミングで読点が入るのが良いのか理解する手助けになります。
目指すところは、読んでいて気持ち良くさせられるくらいの、リズミカルで美しい文章です。基本が抑えられていて文章力も磨ければ、メロディーを付けて歌うように文章を書き、楽譜に休符を置くような感覚で読点を打つこともできるでしょう。
もちろん、掲載する媒体、閲覧されるデバイス、ターゲットとなる読者によっては、ただ美しいだけの文章ではダメな場合もあります。読点をできるだけ多く使った方が有効な場合もあるでしょう。それでも基本がわかっていなければ、ただの読みにくい文章になってしまうわけです。
以上、読点の使い方についてでした。
*記号の使い方についての記事もありますので、まだの方は合わせて読んでみてください。
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