リスティング広告におけるキーワードのマッチタイプ解説ガイド
初心者向け!リスティング広告のキーワードの選び方のコツ
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公開日:2021年11月10日
最終更新日:2024年06月03日
リスティング広告を配信することで、関連する情報を求めているユーザーに効率的にアプローチしWebサイトにアクセスしてもらうことができます。本記事では、リスティング広告の核とも言える「キーワード」について、効果的な選定方法を初心者向けにご紹介します。
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目次
リスティング広告のキーワードの重要性
リスティング広告において、キーワードはどのユーザーに広告を表示させるかを決定する役割を持ちます。広告主が商品やサービスと関連性の高いキーワードを予め設定することで、そのワードで検索された時に広告がオークションにかけられて実際に表示するかが決定されます。
ユーザーの検索ニーズを考慮してキーワードを選定することで、検索結果に広告が表示されやすくなるのはもちろん、興味を引いてクリックされ、さらにはWebサイト訪問後の商品購入などアクションにも繋がりやすくなります。
リスティング広告で広告主側が設定する単語・フレーズである「キーワード」はGoogle広告、Yahoo!広告で呼称が共通しています。一方、ユーザー側が検索する際に使用する単語・フレーズはGoogle広告では「検索語句」、Yahoo!広告では「検索クエリー」と呼びます。
キーワードの選定手順
リスティング広告のキーワード選定において「どのような属性・興味関心を持つユーザーがどのような情報を求めているか」を考えることが非常に重要です。ユーザー目線に立ってさまざまな可能性を考慮しながら、以下の手順に沿ってキーワードを選定しましょう。
ユーザーのニーズを把握する
キーワードを選定する前にヒアリングやアンケートを行い、よりユーザーへの理解を深めるとよいでしょう。例えば、既に商品・サービスを利用している顧客に以下のようなことを尋ねます。
- 商品・サービスを利用しようと思った理由
- 商品・サービスの魅力に感じる点
- 商品・サービスの改善してほしい点
実際の顧客の声を聞くことで、新たな商品の強みや改善点が見つかるかもしれません。どのようなターゲット層にどのような軸で訴求するかを明確化することができます。
ヒアリングを行うことが難しい場合は、SNS上で自社に関する投稿を収集したり、SNSアカウントで自社商品に対するフィードバックを募ったりすることでも簡単にユーザーの意見を知ることができます。また「教えて!goo」や「Yahoo!知恵袋」などのQ&Aコミュニティで会社名や商品名を検索し、どのような悩みや疑問が投稿されているかを調査するのも効果的です。
軸キーワードを決める
会社名やブランド名、商品名、サービス名、商品カテゴリなど、軸となる単体のキーワードを洗い出します。広告をクリックした後の遷移先となるLPや、事前にヒアリングしたユーザーのニーズからピックアップしていくとよいでしょう。どのような検索語句を使用するユーザーが自社商品とマッチするか、想像力を最大限に働かせてみてください。
例えば枕を販売している企業であれば「枕」「寝具」などの商品カテゴリ、企業名・商品名などの固有ワードが軸キーワードとなるでしょう。
掛け合わせるキーワードを集める
次に、軸キーワードに掛け合わせるキーワードを洗い出します。アプローチしたいターゲット層がどのような興味・関心を持っているか、商品を利用することでどのようなメリットがあるか、といった観点から考えてみましょう。
例えば、ビジネスマン向けに疲労回復に効果的な枕を販売する企業であれば、「枕」という軸キーワードに対して以下のような掛け合わせのキーワードが考えられます。
- 枕 20代
- 枕 睡眠改善
- 枕 オーダーメイド
- 枕 肩こり おすすめ
ただし、人力でキーワードを洗い出すのには限界があるため、一通り洗い出したらツールを使用して補足していきましょう。キーワードを見つけるのに便利なツールとして「キーワードプランナー」「ラッコキーワード」「Ubersuggest」などがあります。詳細は後述でご紹介します。
キーワードを精査し決定する
最後に、洗い出したキーワードを精査して最終的にどのキーワードを使用するかを決定します。最初に明確化したターゲット層や商品の強みとずれているもの、検索ボリュームが少なく成果が見込めないものなどは削除しましょう。
キーワードを精査する際も「キーワードプランナー」を利用すると便利です。キーワードプランナーを利用すると、キーワードに対する月間平均検索ボリュームや競合性、ページ上部に掲載された広告の入札単価などを調べることができます。
一般的に成果が見込めるキーワードは、競合性が高く単価も高い傾向にあります。そのようなキーワードばかり選んでしまうと、そもそもオークションに勝てず広告を表示できない可能性があるので、検索ボリューム、成果への繋がりやすさ、自社商品の独自性などを考慮しバランス良く選定しましょう。
キーワードのマッチタイプ
広告に使用するキーワードが決定したら、マッチタイプを設定します。マッチタイプとはユーザーの検索語句に対してキーワードがどの程度一致していたら広告を表示するかを指定するもので「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」の3種類があります。
参照:Google広告ヘルプ『キーワードのマッチタイプについて』
こちらの記事でマッチタイプの特徴や使い分け方法を詳しく解説しているので参考にしてみてください。
リスティング広告におけるキーワードのマッチタイプ解説ガイド
以下で3種類のマッチタイプについて簡単にご紹介します。
完全一致
完全一致は、キーワードと全く同じ意味や意図を持つ語句・フレーズで検索された際に広告を表示します。他のマッチタイプと比較すると表示回数が少なくなる傾向にありますが、関連性が高いユーザーを確実に絞り込んで広告を表示し、クリックに繋げることができます。
登録キーワード | 広告表示される検索クエリの例 | 広告表示されない検索クエリの例 |
---|---|---|
[女性用 バッグ] | 女性 バッグ バッグ 女性 女性 鞄 女性用のバッグ | 女性 バッグ おすすめ 女児用 バッグ |
フレーズ一致
フレーズ一致では、キーワードと多少異なる表現でも同じ意味だと解釈できる語句・フレーズで検索された際に広告を表示します。語順が異なる場合、語句の間に他の語句が含まれる場合も表示対象となります。完全一致よりも幅を広げつつ、かつ関連性の高いユーザーに広告を表示できます。
登録キーワード | 広告表示される検索クエリの例 | 広告表示されない検索クエリの例 |
---|---|---|
”女性用 バッグ” | レディースバッグ 女性 バッグ 赤 人気の女性用バッグ | 女性 ファッション 求人 |
部分一致
部分一致は、キーワードと同じ語句でなくても関連する内容で検索された際に広告を表示します。デフォルトのマッチタイプとなっています。関連性は低くなる傾向にありますが、幅広いユーザーに表示し認知拡大を期待できます。
登録キーワード | 広告表示される検索クエリの例 | 広告表示されない検索クエリの例 |
---|---|---|
通勤用 バッグ | バッグ ブランド ランキング オフィス ファッション ビジネス リュック | ※部分一致のアルゴリズムは随時アップデートされ変化する可能性があります。 |
キーワード選定・設定の4つのコツ
検索ボリュームや競合性、ニーズのバランスを考慮する
ユーザーからのニーズがあり検索ボリュームが大きいキーワードは、競合性も高い傾向があります。そのようなキーワードばかりを設定してしまうと、そもそも広告が表示されず、ユーザーにアプローチできなくなってしまいます。ユーザーへヒアリングしたり、「Google Search Console」で検索語句を調べたりして、ある程度の検索ボリュームを獲得しつつ競合性の低い自社独自のキーワードを探してみてください。
除外キーワードも設定する
除外キーワード(Yahoo!広告では対象外キーワード)を設定することで、特定の検索語句を広告の表示対象から除外することができます。キーワードの費用対効果を高めるために必ず設定してください。
既にリスティング広告を配信している場合は、まず「Google Search Console」を使用してどんな検索語句が使用されているかを把握します。以下のようなものを除外キーワードとして設定するとよいでしょう。
- クリックやその後のアクション(購入など)に繋がる見込みのないキーワード
- 狙いたいキーワードと一緒に検索されることが多いが、自社ビジネスとは関係のないキーワード
- ネガティブなイメージのあるキーワード
ただし、設定しすぎるとコンバージョン見込みのあるキーワードも除外してしまい、機会損失に繋がってしまう恐れがあるので慎重に選定しましょう。また、除外キーワードでは表記ゆれは考慮されないので、除外したいキーワードの表記の違いも全て設定する必要があります。
<参照>
・Google広告ヘルプ『除外キーワードについて』
・Google広告ヘルプ『対象外キーワードについて』
類似キーワードごとに広告グループにまとめる
類似するキーワードや検索ニーズが近いキーワードはまとめて、広告グループで出し分けると効果的です。同じ課題やニーズを持ったターゲット層にアプローチすることができるので、広告の費用対効果が高まります。
予算に合わせたキーワードにする
幅広い方向からユーザーにアプローチしたいからといって、キーワード数をむやみに多くしてはいけません。キーワードは予算に応じて決める必要があります。
例えば、月額予算が30万円以下の少額の場合、コンバージョンに近い完全一致のマッチタイプで軸キーワードのみを設定するのが効果的です。月額予算が50万円前後の場合は、すぐにはコンバージョンに繋がらないが関心が高いユーザーへ向けたキーワード、さらに月額予算100万円以上の高額の場合は、指名キーワード・関連キーワードを網羅しつつ類似カテゴリの商品などにも幅を広げ、潜在層も獲得していきましょう。
キーワード選定時に便利な無料ツール4選
既に述べたように、キーワードを全て人力で考えて洗い出すのには限界があります。そこで、キーワード選定を手助けしてくれる便利な無料ツールを4つご紹介します。
キーワードプランナー
キーワードプランナーを利用するには事前にGoogle広告のアカウントが必要です。
入力したキーワードに対して、その他の関連するキーワードの候補やそれぞれの検索ボリューム・競合性・ページ上部に掲載された時の入札単価などを確認できます。キーワードを洗い出したり精査したりする際に活用できます。
ラッコキーワード
ラッコキーワードはサジェストキーワード(検索窓に入力した際に下に表示される候補のワード)やYahoo!知恵袋、教えて!goo、Googleトレンドなどの情報を一括で調べられるツールです。軸キーワードに関連するキーワードや掛け合わせのキーワードを見つける際に便利です。
Ubersuggest
Ubersuggestは、入力した語句に対して関連するキーワードとその検索ボリューム・クリック単価・リスティング広告/SEOにおける難易度を調べることができます。無料版では上位30個のキーワードまで確認できます。
キーワードプランナーと類似するツールですが、より精度が高く、かつ広告アカウント作成の手順がいらないので気軽に利用できる点が強みです。
Google Search Console
Google Search ConsoleはSEO施策でよく利用されるツールですが、リスティング広告のキーワード選定にも活用することができます。Webサイトの検索語句や、過去にリスティング広告を配信したことがある場合はその検索語句を確認し、表示回数やクリックが多くコンバージョンが見込めそうなワードを見つけましょう。
適切なキーワード選定で費用対効果アップ
手順を踏んで効果的なキーワード選定ができれば、広告の成果も一気に高まります。第一にユーザー目線でニーズを把握しつつ、競合性や予算に応じて適切なキーワードを選びましょう。
松崎 明日香
マーケティング部
2020年に新卒入社後、オウンドメディア『GrowthSeed』の運営/ライティングを中心に、メルマガ運用、広告運用など自社のマーケティング業務に幅広く携わる。お問い合わせ数・売上アップを目標に日々奮闘中。趣味は喫茶店・カレー屋巡り。
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