2020年09月23日
資料請求完了やお問い合わせ完了など、CV(コンバージョン)1件あたりのインパクトが大きいBtoB企業において、CVRの改善は非常に価値のあるものです。サイト上でCVRを改善するための施策はたくさんありますが、どこから始めるべきか決められないまま、後回しになってはいないでしょうか。 本記事では、あるBtoB企業のサービスサイト(商品やサービスを紹介し、問い合わせや購入までができるサイト)が、サイト全体におけるCVRの改善が求められているときに何を優先するといいかの順番を示すとともに、優先度の高い順にそれぞれの施策の概要も紹介していきたいと思います。
目次
まず、CVRの「CV」とはコンバージョン(資料請求完了やお問い合わせ完了、購入完了などの成果)、「CVR」とはコンバージョン率のことです。広告からの流入なら「CV数÷クリック数」、サイト全体から考えるなら「CV数÷サイト全体の訪問数(セッション数)」など、何を軸に置くかによってCVRの数字を導き出すための計算式は違ってきます。今回はサイト全体の訪問数から算出するCVRを元に、「サイト全体の訪問数に対してCV数を多くするにはどうすれば良いか」という点で考えていきます。 サイト全体のCVRが高まるということはつまり、サイトへの訪問数(セッション数)が増えれば増えるほど、CVの数がガンガン増えていく!という嬉しい状況になることが期待できるわけです。
なお、そもそもCV数や訪問数の計測がうまくできていないという企業は、例えばGoogle アナリティクスで「目標設定」をするなど、サイト全体のCVRやページ別のCVRが簡単に確認できるようにしてみましょう。
参考)アナリティクス ヘルプ「目標について」
それではCVR改善の優先順位についてですが、絶対の正解はないものの、基本的にはゴール(CV)に近いところから施策を行っていくのがおすすめです。
サイト内で何らかのCVに至れる場合、ユーザーは主に以下のような経路をたどります。 サイト内コンテンツの閲覧 → サイト内のボタンをクリック → フォーム → CV
なので、 フォームの改善(優先順位1) → フォームへのボタンの改善(優先順位2) → 導線設計を含めたコンテンツの改善(優先順位3) として優先順位を付けてみましょう。理由は簡単で、ゴールに近い要素を修正するほど、影響の度合いが大きく、かつ修正の範囲は狭くて済むからです。例えば先にサイト全体のコンテンツに対して時間をかけて改善しても、フォームが悲惨な状態では、とれるはずだったCVも無駄にしてしまう可能性があります。
もちろん、フォームの優先順位が1番だからといって、そもそもフォームのページに一人も訪れていないという状態で、CVが増えるはずもありません。そのような状態でフォームの改善に数か月もかけるといったやり方は望ましくないでしょう。状況に応じて施策ごとの力の入れ方は調整し、全体の施策が終わったら、その結果を見てまたフォームの改善から始めるといったサイクルを回します。
それでは優先順位の高い施策から順に、各施策で何を行えばいいのか見ていきましょう。
フォームの改善は、エントリーフォーム最適化を意味する「EFO(=Entry Form Optimization)」と呼ばれることもあります。なんだか手間がかかりそうだなと思われるかもしれませんが、ちょっとした改善でも大きなインパクトが見込められる手段です。30分時間をかけるだけでもCVR改善につなげられる可能性があるのです。
BtoB企業であれば、資料請求完了やお問い合わせ完了など、購入の手前での成果をCVポイントに設定していることが多いでしょう。購入をまだ決めていないユーザーには、どこまで情報を渡して良いものか、フォームに入力するとどうなるだろうといった心配があります。それらをできるだけ解消したフォームにしたいものです。
そのためには、以下のように改善します。
また、
など、入力に対するストレスが減る工夫を施しておきます。相見積もりのため数社に問い合わせを入れるといった段階では、うまくフォームが機能しないというだけであきらめられてしまう(あるいは信用を失ってしまう)可能性もあります。
次に、フォームへと誘導するボタン(テキストでのリンクも含め)の改善です。もちろんユーザーをだますようなことをしてクリックさせても意味がなく、あくまでも、フォームへのリンクがあることに気付かせること、行動の中にうまく組み込まれることが大事になってきます。
人によっては、長々とした説明を読むよりも、「資料請求した方が早そう」「自社の事情に即した相談がしたい」「とにかく製品(やサービス)を試しに使ってみたい」と考えるかもしれません。そういった方のためにも、このサイトで何ができるのかをわかりやすくします。
特に複数のサービスを展開しているBtoB企業のサイトだと、例えば上部メニュー上に「ご相談はこちら」とあるよりも、サービスの説明があった後に「相談する」(ユーザー目線に立った動詞を利用)とあった方が、ボタンを押して飛んだ先で何の相談ができるのかが伝わりやすいというメリットがあります。ユーザーの心理、行動を意識した配置を心がけましょう。
なお、ボタンを改善してもフォームに行ってくれないという場合、ボタンそのものに問題があるのではなく、ユーザーがまだ必要な情報を得ていないせいでボタンを押していないという可能性もあります。そこで次に「コンテンツの改善」に取り組む必要が出てくるのです。
※もちろん、BtoBにおいては特に、CVが電話の方が望ましいこともあるでしょう。電話番号をただ画像で記載するだけでなく、スマートフォンでクリックしたらすぐに電話できるようにする、テキストコピーができるようにするなど工夫しましょう。
昨今「コンテンツマーケティング」という言葉が当たり前に使われるようになってきており、コンテンツの強化に取り組む企業は多くあります。 ユーザーの課題を解決するコンテンツを作り、多くの潜在顧客獲得を目指すというのもコンテンツマーケティングの一つの方法ですが、CVR改善を狙うのであれば、ただ流入が多いページを対策するのではなく(それが不要というわけではありませんが)、まずCVへの寄与度が高いコンテンツ(けれど課題のあるコンテンツ)の改善が望ましくなります(※)。
そして、
などを行います。
※こういったコンテンツを探す方法は単純ではありません。弊社(株式会社フルスピード)では、CVへの寄与度が高いものの離脱が多いページを抽出する「離脱改善指標」を活用した、課題ページを調査できるレポートツールの提供や、課題に対する具体的な改善案などのコンサルティングをご提供可能です。ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
また、CVに寄与できるコンテンツが不足しているという状態であれば、
など、CVに寄与しやすいページの追加も検討してみましょう。結果、サイト全体のCVR改善にもつながるはずです。
今回はあくまでも、CVR改善における基本的な優先順位をお伝えしてきました。実際にはサイトの規模や状況、担当者の立場、作業できる人員などにより、すべきこと、できることは違ってくるでしょう。順番通りには難しいという場合は、もちろん途中から始めてみても構いません。 対応するリソースや知見が足りない、全体的に見るには自社では無理がある、専門家に見てもらいたいという場合は、ぜひ弊社までご相談ください。UI/UXからSEO、コンテンツまで、BtoB企業のCVR改善をお手伝いできるサービス「デフォイキ」をご案内いたします。
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