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【2024年10月最新】Cookie規制によるリマーケティングへの影響とは?代替のターゲティング手法や施策について解説
公開日:2024年10月28日
最終更新日:2024年11月13日
広告運用者にとってリターゲティング広告は馴染みのある配信手法です。
しかし近年では、プライバシー保護の観点からCookieを規制する動きが強化されており、Cookieを活用して運用をするリターゲティング広告への影響は計り知れません。
本記事では、Cookieの利用が制限されることによるリターゲティング広告への影響と、その代替にあたる施策について考えます。
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目次
Cookieとは
そもそもCookieとは
Cookieとは、Webブラウザ上に、訪問したWebサイトでの行動ログや入力したユーザー情報を一時的に保管しておく仕組みのことです。
たとえばECサイトで買い物をするときに、カートに保存した商品が一定の期間保存されたり、会員ページにログインするときにIDやPWの情報が保存されているのは、Cookieが使われています。
これらのユーザー向けの機能だけでなく、Cookieは広告配信のターゲティングや計測にも使われており、広告運用者や広告主にとっても深く関わりのある仕組みです。
Cookieの種類
Cookieには、サイトのドメインから発行されるファーストパーティCookieと、別ドメインから発行されるサードパーティCookieの2種類があります。
先ほど例に挙げた、カートに商品データを保存したりログイン情報を保存する仕組みは、閲覧しているサイトから発行されたCookieを使用しているので、ファーストパーティCookieになります。
一方でリマーケティングで使用されているのは、主にサードパーティーCookieです。例を挙げると、Googleリマーケティングは、Google社が発行したCookie(≒閲覧しているサイトとは違うドメイン)から発行しされているので、サードパーティーCookieにあたります。
GoogleアナリティクスやBeyoconといった計測ツールも、リマーケティングと同じくサードパーティーCookieの仕組みを使っています。
>【参考】「Beyocon」WEB広告の新規顧客獲得数を可視化するツール(株式会社フルスピード)
Cookie規制
広告運用者や広告主にとってサードパーティCookieは、広告配信のターゲティング精度があがったり、計測ツールを用いてサイトの利便性向上へ繋げることができたりと、マーケティングの精度を高めるために必要不可欠な仕組みです。しかし、個人情報やプライバシーの観点から疑問視され始め、規制の動きが強まっているのも事実です。
サードパーティCookieを活用した、パーソナライズ広告を受け取ったユーザーからすると、知らない間に自分の趣味嗜好を覗かれているような感覚を覚え、個人情報保護の観点から疑問が挙がったためです。
このような問題点を受け、国内外の法律やブラウザを提供する各社の自主規制により、主にサードパーティCookieを対象にした規制の動きが始まりました。
ここからはCookie規制の動きについて解説をします。
ブラウザの自主規制
2020年 Apple社「ITP2.3」でサードパーティCookieが完全にブロック
2022年 Mozilla社がFirefoxブラウザでCookie保護をデフォルトで有効に
2024年 Google社がChromeブラウザでのサードパーティCookieを2025年初めより段階的に廃止する予定と発表
各社が規制の動きを強めているなかで、特に規制が進んでいるブラウザが、Apple社が提供するSafariです。SafariはiOSに標準搭載されているブラウザであり、iPhone利用者数の多い日本国内では約25%のシェアがあります(2024年2月時点)。
このSafariが行っているトラッキング制御機能はITPと呼ばれ、広告運用に関わったことがある人なら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
直近のITPバージョンでは、サードパーティーCookieは完全にブロック、ファーストパーティCookieも7日間以内に削除されます。
バージョン | 発表日 | サードパーティCookie | ファーストパーティCookie | Local Storage |
---|---|---|---|---|
ITP1.0 | 2017年9月 | 30日で削除(過去に訪問がないユーザーは24時間で削除) | 制限なし | 制限なし |
ITP1.1 | 2018年3月 | 直帰した場合は24時間で削除 | 制限なし | 制限なし |
ITP2.0 | 2018年9月 | 直帰した場合は即時削除 | 条件によっては即時削除(※1) | 制限なし |
ITP2.1 | 2019年3月 | 直帰した場合は即時削除 | JavaScriptで付与されたCookieの場合、最大7日で削除 | 制限なし |
ITP2.3 | 2019年9月 | 直帰した場合は即時削除 | JavaScriptで付与されたCookieの場合、最大7日で削除 | インタラクションから7日で削除 (トラッカー判定されているドメインからパラメータ付きで流入した場合のみ) |
Safari13.1 | 2020年3月 | 完全にブロック | JavaScriptで付与されたCookieの場合、最大7日で削除 | インタラクションから7日で削除(条件問わず) |
iOS16 | 2022年9月 | 完全にブロック | CNAME方式のCookieが7日で削除 | インタラクションから7日で削除(条件問わず) |
iOS16.4 | 2023年3月 | 完全にブロック | A/NS方式の[1st Party Cookie]が7日で削除 | インタラクションから7日で削除(条件問わず) |
(参考:https://www.ebis.ne.jp/column/cookie/)
国内規制
・CookieとCookie情報の提供先が保有するデータを組み合わせることで、個人を特定することができる場合、規制の対象となる
2023年6月 電気通信事業法の改正法が施行
・一部の事業者に対して、Cookieデータを含む利用者に関する情報を第三者に提供する(外部送信する)場合、以下の3つのいずれかに対応することが義務付け
①所定の事項を事前にユーザーに通知・公表する
②事前にユーザーの同意を取得する(オプトイン)
③外部送信を後から拒否できる仕組み(オプトアウト)を導入し、ユーザーに周知・公表する
海外規制
・EU域内の個人データやプライバシー―の保護に関する規則
・Cookieに拠り得られるデータを含む個人データの処理時の条件や同意取得の要件等がより厳格化
2024年 ePrivacy規則
・制定に向けて議論中
広告配信への影響
ターゲティングへの影響
サードパーティCookieの規制によって最も影響を受けているのは、リマーケティング広告だと考えている広告運用者も多いのではないでしょうか?
実際に運用していても、Cookie規制によってリマケリストのUU減少、Safariユーザーへのリーチ減少、相対的にスマートフォンへの配信量が減りPCデバイスへの配信の偏りなどの影響が見られています
計測への影響
サードパーティCookieが規制されると、サイト内で別ドメインが発行したCookieが基本的に無効化または一定期間で削除されてしまいます。そのため、Cookie保持期間を超えてからコンバージョンに至った場合、正しく広告の貢献度を計測することが難しくなります。
リマーケティングに代わるターゲティング手法
これらの時勢の変化に伴い、広告パフォーマンスへのマイナス影響は避けられません。コンバージョン獲得がリマーケティングに依存している案件であれば、特に影響を受けるでしょう。
今後もCookie規制の動きは強まる一方と言えるため、リマーケティングに代わる配信手法についても考えていく必要があります。
ここでは代替ターゲティングの候補を解説します。
①媒体の持つ1stパーティデータを利用したターゲティング
いわゆるオーディエンスターゲティングの手法です。
媒体各社の保有するデータを利用したターゲティングのため、広告主のサイトに訪問済みか否かの判断が難しく、リマーケティングと全く同じ目的での配信やセグメントは難しいです。
そのためターゲティング選定にあたっては、サービスのニーズはどこにあるか、広告主がどういったユーザーを獲得していきたいかといった、サービス理解・顧客理解が必要とされます。
・Google広告 カスタムインテント
・Yahoo!ディスプレイ広告 サーチターゲティング(高度なセグメントに移行予定)
②顧客データを活用した配信
広告主が保有する顧客データを利用したターゲティング手法です。Googleであれば、カスタマーマッチがこれにあたります。
顧客が保有する既存顧客のメールアドレスや電話番号のデータと、媒体社が保有するユーザーデータを突合し、一致したユーザーをターゲティングすることができます。
しかし顧客データを取得してからの日数や、ユーザーが登録したメールアドレス情報によっては、媒体側のデータとマッチ率が低くなり、配信ボリュームが期待できない場合もあります。
また上段で触れた改定個人情報保護法の観点から、登録情報を広告配信へ利用することに同意を得られた場合でしか、ターゲティング利用できないことも考慮が必要です。
ですが既存顧客のデータを広告配信に利用できるため、データ収集の課題さえクリアすれば、パフォーマンスの期待は高い手法です。
③アドクリッカー(YDA)
Yahoo社の提供する仕組みで、広告をクリックしたユーザーをトラッキング、セグメントとして利用できるターゲティングです。
現状YDAでのみ利用できる仕組みですが、リマーケティングの代替機能としては、とても近いものにあたります。
④IM
インティメート・マージャーが提供する「IM-UID」を活用したリマーケティング配信手法です。「IM-UID」とよばれる共通IDをユーザーに付与し、サードパーティーCookieに依存しないリマーケティング配信を可能としています。
この「IM-UID」を使ったターゲティングを利用できる媒体としては、CriteoやLogicadがあります。
リマーケティング配信の目的
ここまでリマーケティングに代わるターゲティング手法を考えてきましたが、あらためてリマーケティング配信を行う目的を見直し、それに置き換わる改善手法を考えていきましょう。
離脱ユーザーへの再接触
おさらいですが、リマーケティングとはサイトに訪問したものの、コンバージョンに至らなかったユーザーに再接触し、再びサイト訪問を促す手法です。つまり課題としてはサイトでの離脱にある可能性があります。
根本のサイトの離脱率を改善していくために、
・サイト内のどの階層で離脱されているかを解析
・フォーム入力内容の見直し
といった手法も改善手法の候補となります。
またリマーケティングの目的として、サイト離脱直後のコンバージョン意向の高いユーザに対して最後の一押しを促すだけでなく、検討期間中や他社比較期間中のユーザーへの再接触を図り、検討を促進することも挙げられます。高価なサービスなど検討期間の長い商材は後者を目的にすることが多いですね。
検討期間中の離脱を防ぐ手法としては、
・資料請求などのライトCV地点をつくりリード獲得+リードナーチャリング
なども考えられます。
見込みの高い顧客の囲い込み
またリマーケティングを検討する理由として、高いCVRが期待できること≒広告パフォーマンスとしての成果見込みがあると思います。
これは既にサイト上でサービス検討を行ったユーザーに対して再接触しているので当たり前ですが、言い換えてみれば、サイト訪問前のサービス検討見込み層に接触できれば、同じ目的は達成できるのではないでしょうか?
新規接触時点での囲い込みを行う具体的な手法としては、
・顧客データを利用した類似ターゲティング
・ペルソナの再策定+オーディエンスターゲティングの見直し
などが候補にあたると言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今後もCookie規制の流れは避けられず、将来的にリマーケティングを利用できなくなる可能性も考えられます。
リターゲティング広告に依存した広告施策を行っている企業は、将来を見据えた対策が必要です。マーケティング戦略に影響が生まれないよう、早い段階で別の手法を導入を検討しておきましょう。
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